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大西一郎『ある視点』

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横浜市鶴見区・ファンタジーサウナ&スパおふろの国のリラクゼーションコーナー「ケアケア」店長を務める大西一郎がカウンターの中から繰り広げる視座の世界。 大西一郎 Twitter … もっと読む
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#OFR48

みかん【大西一郎『ある視点』第36回】

いつもみかんさんを、前からではなく後ろから見ていた。ケアケアの前で、OFR48の一員として、歌って踊る姿も、Villyバルコニーの一人として、ピアノを弾きながら歌う姿も、だいたい私はケアケアの中から見たり、声だけ聴いたりしていた。 「あなたに笑顔のビタミンC〜」というキャッチフレーズ通り、元気で、愛想がよく、変に気取ったり、格好つけたりしない、飾らない人柄が、後ろ姿や声からも伝わってきた。 「永遠の26(ふろ)歳」という設定なのに、「〇回目の26歳の誕生日を迎えました〜!

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ワナバス【大西一郎『ある視点』第31回】

「もしも明日世界が終わるとしても、私は今日もおふろに入るの。」という歌詞の曲を書いた。 書いたのは二年ぐらい前だ。コロナ禍の真っ只中だったか、少し落ち着いた頃だったか、私は夜な夜な暇を持て余して、この歌の、作りかけのメロディーと伴奏をいちいち携帯に落として自分で聴きながら、鶴見川の土手を散歩していた覚えがあるので、時間短縮営業期間中か何かだったのだろう。ある日おふろの国の林店長から、「OFR48の曲作ってくれないかなあ、こんな時代だけどがんばろう的な。」と言われ、とても張り

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【大西一郎 ある視点】第24回「くりりん」

「手に職を付けたい。」と言って、OFR48くりりんこと栗原がケアケアにやって来たのは4年前。おふろの国からの紹介だった。 そのもっと前、私がおふろの国に来るよりも、おふろの国にケアケアができるよりも前に、おふろの国の清掃スタッフとして働いていたくりりんは、おふろの国の中の多くの人達と顔なじみで、「くりちゃん」と親しまれていた。 私がくりりんに初めて会ったときの印象は、今、OFR48として歌って踊るはつらつとした印象とはちょっと違っていた。「こういう子が居るんだけど。」と呼

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