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フレディ・ガルビス ~史上最高の来日MLB遊撃手~

「日本は」プロ野球シーズン開幕が近づいて参りました。皆さん楽しみに日々を送っていることと思います。今日はさらにプロ野球開幕が待ち遠しくなるような、そんなポジティブなnoteです。

前回のnoteは様々な方から感想を頂いて大変やり甲斐がありました。期間が開きましたが今回のnoteは私にとって2作目のnoteになります。未だに読みにくい箇所や不自然な表現等あると思いますが、暖かい眼差しで読んで頂ければ幸いです。

何だこのタイトルは!?

ある日YoutubeでMLBのショートの動画を見ている時ふと「ガルビスはプロ野球においてショートを守る来日メジャーリーガーの中で1番実績があり、実力も衰えていない選手なのではないか」という疑問が湧いてきました。

出典:gettyimages

私がそう感じた理由は大きく4つあります。

①MLBでのプレー期間が10年間で1102試合と来日外国人の中では非常に長い
②アメリカ野球の花形ショートで前年までゴリゴリに試合に出ていた
③セイバーメトリクス上での成績も優秀
④MLBの歴代年間守備率ランキング ショート部門3位の堅守

そう感じたものの、私個人の印象ではなく果たして日本プロ野球史の中でどれ程の大物MLB遊撃手なのか実際に気になってきました。
そこでこのような行動に移しました。

『日本プロ野球に所属経験のある外国人選手総勢1271人の中から大物MLB遊撃手を探し出しガルビスと比較する!』

厚みのある過去の選手名鑑を徹底的に調べあげ、Fangraphs等のデータサイトを参照する行為をひたすら反復しました!
非常に疲れました(笑)
しかし、印象論ではなく実際にはどうなのか検証することは非常に重要なことです。

「誰が最も優れているか」という議論は誰もが納得する明確な結論が出ることはまずありません。人それぞれモノサシが違うと思いますが、今回は

A. MLBでの出場試合数
B.選手の貢献度を示す指標 WAR

このA,Bの2点から過去の選手とガルビスを比較してみようと思います。

歴代の来日MLB遊撃手たち

確認作業の結果、MLBでショートとして複数年間プレーしてきた経験のある選手は16名いました。(MLB通算で数試合しかショートとしてプレーしていない選手は除外されています。)
では実際にAの観点から来日前年までの出場試合数が多い順に名前を上げていきます!!

①トニー・フェルナンデス('00西武) 2082試合
②アルシデス・エスコバー('20ヤクルト) 1512試合
③フリオ・フランコ('95,'98ロッテ) 1498試合
④ソイロ・ベルサイエス('72広島) 1400試合
⑤ジェリー・エイデア('71阪急)1165試合
⑥ユニエスキー・ベタンコート('14オリックス) 1156試合
※フレディ・ガルビス('22-ホークス) 1102試合
⑦ダリル・スペンサー('64-'72阪急) 1098試合
⑧アデイニー・エチェバリア('21ロッテ) 922試合
⑨アンディ・ロジャース('69大洋) 854試合
⑩ケン・アスプロモンテ('64-'65中日 '66大洋) 475試合
⑪アンディ・シーツ('03-'04広島 '05-'07阪神) 356試合
⑫アンダーソン・エルナンデス('14-'16中日) 240試合
⑬ルイス・クルーズ('14-'15ロッテ '16-'17巨人 '17途中 楽天) 195試合
⑭フレディ・バイナム('10オリックス) 188試合
⑮ウィルソン・バルデス('08ヤクルト) 162試合
⑯バート・シャーリー('71-'72中日) 75試合

いかがでしょう。これを見て「ガルビスが史上最高の来日MLB遊撃手というには無理があるな」と思った方が殆どだと思います。しかし、ある重要なことをフィルターにするとグッと選手が絞られます。
それはズバリ…

来日前年度にショートをメインポジションにしていること

です。
実は上記の16名の内「若い時にショート守っていたけど晩年(来日前)はコンバートした」という選手が大半です。実際に来日後に本職としてショートを守った選手は少ないです。ショートは非常に負荷のかかる守備位置であり、アメリカ野球の花形でもあるのでショートをメインポジションにMLBで長年プレーすることは簡単なことではありません。

その結果絞られたのは…

なんと4名のみ…!!

 出典:gettyimages

アルシデス・エスコバー

出典:Wikipedia

アンダーソン・エルナンデス

出典:中央日報

ウィルソン・バルデス

出典:週刊ベースボールONLINE

バート・シャーリー

エスコバー以外は出場試合数がガルビス5分の1以下とMLBでの実績に大きな差があります。それではBの観点よりガルビスとエスコバーを比較してみようと思いますが、比較する選手を1人追加したいと思います。

出典:gettyimages


追加するのは2021年千葉ロッテマリーンズのショートとして活躍したアデイニー・エチェバリアです。エチェバリアは来日3年前までMLBで主にショートとしてプレーしていて、'19と'20こそセカンドとしての出場が最多でしたがロッテではショート1本でプレーしています。また出場試合数が922試合と来日外国人メジャーリーガーの中では実績豊富な分類です。ロッテでもセンセーショナルな活躍が目立ち、何より今のプロ野球ファンにとって分かりやすい例だと思うので彼の成績とも比較してみましょう。

Bの観点から比較した結果

驚くことにWARが正の値を示したのはガルビスのみでした。ガルビスはサードやセカンドもこなすユーティリティプレーヤーですが、1年の約80%をショートとしてプレーしWARもプラス値を示すことが来日外国人選手の中でいかに優秀であるかがしみじみと感じられました。
ご存知の方も多いとは思いますが「WAR」とはそのポジションにおける代替可能な選手(※代替可能な選手のみで構成したチームは勝率約.300になるくらいのレベル)と比べてどれほど勝利数を増やしたかという値です。

ちなみに参考までに2021年における日本人メジャーリーガーのWARランキングです。

最後に

今回歴代のショートを守った来日メジャーリーガーとガルビスを比較して「私の中では」ガルビスが史上最高の実績・実力を備えたショートだという認識が確固たるものになりました!
しかし、もちろんこのnoteを読んで頂いた方の中には「史上最高」と呼ぶことに抵抗がある方もいらっしゃると思います。人それぞれモノサシは違うので当然です。しかし「最上級の来日ショートストップ」という評価は間違いないものだと思います。
「大物メジャーリーガー」というと近年ではアダム・ジョーンズが大きな話題になりました。ガルビスがAJ級かというとそれは及ばないと思いますが「ショート」というポジションではAJ級のインパクトのある来日外国人選手ということは間違いありません。
ホークスのショートには既に今宮健太という実力あるプレーヤーがいるので実際にショートとして出場するのか現段階ではわかりませんが、ガルビスは仮にショートでなくても十分期待できるプレーヤーです。
また実績・実力があるからといっても必ずしも日本プロ野球で成功する訳では無いのであまりにもポジティブキャンペーンをしすぎるとキツくなるかもしれませんが、私は大活躍を期待してます(笑)
もし誰かに「ガルビスってどんな選手なん?」と聞かれたら是非「最上級のショート」として紹介して下さい!

以上、拙く読みづらい文章でしたがお目通し頂き有難うございました。


※今回の比較対象選手は私が選手名鑑で1人1人確認したものです。注意して確認致しましたが、漏れのある選手もいるかもしれません。その場合は是非教えて頂けると幸いです。

また、ガルビス個人に絞ってガルビスの特徴も紹介するつもりでいましたが、他選手との比較だけで分量が長くてなってしまったため開幕までに間に合えば別のnoteに書こうかと思います🙇

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