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モノを買っているのではなく価値を買うということ

なたは最近どんなものを購入しましたか?
それはどんなもので、どんな人が、どんな思いを持って作ったものですか?

価値とは

わたしたちは、普段何気なく「モノ」や「サービス」を買っている。
それは売り手である「どこか」の「誰か」が「なんらかの目的」を持って作っているのだが、その「モノ」や「サービス」の1つ1つを購入することで売り手からの’’問い’’に答えているとも捉えられると思う。

わたしは今、日本に住む外国人の方へのサービスを開発している。
それを購入してくれるのは、外国人本人かもしれないし、その周りで外国人に関係のある人かもしれない。
そう、このサービスを購入してくれる人は「サービス」を購入してくれているのではなく、サービスを通して感じる「体験」に「価値」を感じ、期待し購入してくれているのである。
わたしたちは、自社で開発するサービスに対して信じている価値があり、それを商談やビジネスコンテストを通して社会に問うているのだ。

さて’’価値’’とは何だろうか

価値
①物事の役に立つ性質・程度。…値打ち。効用。
②〔哲〕「よい」といわれる性質

広辞苑p520, 新村,1998

例えば、バッグを購入するとき。
機能的側面だけをみると、スーパーの袋でも、100円ショップのエコバックでも、ハイブランドのバッグも同じだ。
それぞれがそれぞれに必要な場面で消費されている。それは買い手の数だけ売り手からの’’問い’’に対しての’’答え’’が存在しているということではないか。
そう、問いを受け取った人の数だけ答えがある。これが多様性なのである。

学者にも議論されてきた価値

価値とは何か、を定義するときに「行動を生むもの」という考えや「行動に意味を与えるもの」など、様々な考え方がある。
アメリカの人類学者・社会理論家のクライド・クルックホーンは価値について次のように述べている。

明示的であれ非明示的であれ、個人や集団に特有な願望の概念であり利用可能な行動の様式・手段・目的の選択に影響を及ぼすものである

Clyde Kluckhohn(1951)

一方で、アメリカの社会心理学者であるミルトン・ローキチは、以下のように述べている。

価値とは、“特定の行動の在り様や存在の究極の状態が、反対のそれらよりも個人的あるいは社会的に好ましいとする、持続的な信念である

 Milton Rokeach(1973)

わたしにとって’’価値’’とは選択・行動に意味を与えてくれるものであることが多いように思う。

価値観を構成するもの

価値の感覚を表すもの・世界観が’’価値観’’。
人によって価値を感じるもの、価値観は異なっている。これは冒頭にも記述したとおり「問いを受け取った人(主体)の数だけ答えがある=多様性」と考えている。
その価値観は大きく以下に影響を受けることが多く、人によっても、時間によっても変化し続けるものである。

・文化・社会的背景
・個人の背景、経験、信念
・時代
・メディア
・権力構造 などなど…

価値観に影響を与える5つの要素をピックアップしてみたが、これら5項目において全く同じ経験・背景を持っている人はなかなかいないのではないだろうか?それは日本人-外国人という枠組みだけでなく、自分-幼馴染、自分-親、など比較的近い存在においても異なってくるものだと思う。
多様性」という言葉を聞いたとき、多くの人は「マジョリティ-マイノリティ」「男性-女性」などの枠組みで捉え、「尊重すべき」と表現されることが多いのだが、私はこれにいつも違和感をもっている。
その理由は、誰1人として同じ経験・思考をもつ人はおらず、その人1人1人が存在すること、共存することそのものが「多様性」そのものであると考えているからである。

まとめ

いろいろな背景から「価値観」は多様化している。
そして、それらは行動や判断に影響を与える重要な要素である。選択の自由があり、国境を越えることも移動も簡単になったこの時代において、異なる価値観を持つ人々が共存する場合には、相互理解や対話が必要であるということは言うまでもないだろう。

社会構造が劇的に変化する自体において、人的資本が重視されるようになったことを始め、「価値観」がビジネスに影響を与えている部分も多く存在する。
相互理解・対話の第一歩は「相手が自分と違うところを探す」のではなく「相手と自分との共通点を探す」。そこから始めてみてもいいのではないか。


22歳まで日本で育ち、そこから海外留学。日本から出ることで初めて自分の国・文化を俯瞰するチャンスを得た。外国人の夫・3歳の娘を持ちながら日本で暮らす中で感じる悩みや違和感を、国内・国外両方の視点から表現する記事を更新してきます。

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   株式会社barca
   末光フェレイラ伊芙季
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