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改装11週目。水平垂直の美学と断熱祭り。

床下、天井、壁面。ほぼ外の温度と同じの東屋鵜の木物件の氷河期時代にさよならを告げるべく今回は断熱・断熱。ちょっと断熱材が薄いが、それでもいちおいたるところに断熱材を入れている。
鵜の木Hasu no hanaでは冬には店内でコートを脱ぐものは少なく、1日いると身体は芯から冷え切ってしまった。
一部窓だったところを塞ぎ壁面に改装し、そこに断熱材が入ると、明らかに空気の流れが止まっていることを感じるようになる。

昭和作りの土壁聚楽仕上げは、ポロポロ落ちてくるし、色味はくらいし、ビスは利かないし、展示には不向きである。この物件をギャラリーにしようとするのだから大工K氏も苦戦をしている
一見、ただ壁を作っているだけのようにみえるが、木造軸組み工法での壁の納め方には、大壁仕様と真壁仕様の2タイプがある。
戸越物件は昭和作りの一軒家。基本和室。壁は、柱の内側で仕切る”真壁仕様”となっている。
で、ギャラリーで目指すのは平の壁。構造材の柱が見えない様に、壁を柱の外側で仕上る”大壁”である。
柱がねじれていたり少し倒れていたり、水平垂直を取ろうとすると柱はしら間が2cmくらいづつずれていたりして、つまり柱なりに壁を作っていくと、ガッタガタになる。
それを、どうにかして平にしたい!!という希望のもとに考え出された方式がこちら。
壁面の上下に鋼製材のランナーというものを取り付け、そこに通常はスタッドという同じく鋼製材のものを立てるのだけど、今回はこれをなるべくそりやねじれのない木材を使用することにした。これであれば、ベニア合板に展示用ビスなどが打てるが、重たいものなど下地に打つことも可能になる。


壁になった図。今回使用している合板の表面は白樺が使われている。白っぽいので貼られると一気に部屋が明るくなる。

この”真壁”から”大壁”。窓の絡み。火打の絡み。床も天井もちょっとづつ建物の歪み。非常に手間が多く、大工K氏の仕事仲間のSさんを4日間スポットで応援に来てもらった。
この日は窓を潰しいよいよ壁面となる準備が進められた。ついでに残していた根太もついにとることに。

断根太式。

ちょっとある補強のためにもともと分断されている柱と柱をつなぐために鉄プレートが必要になり特殊証明作家Iさんに急遽連絡。
2時間前までに連絡を、と日頃から言っている仕事の早いIさんは、この日もすぐさま作業に取り掛かってくれた。
壁ファンディングとしてこの鉄プレートを贈呈してくれることになり、記念写真を一枚。元彫刻家のIさんがその場でグラインダーでサインを入れてくれた。なかなかかっこいい。これが壁の中に埋め込まれることになる。

土壁の仕上げの聚楽。色味がくらい。

断熱材びっしり。窓が塞がれたが天窓が2箇所あるので、とても良い自然光がはいる。太陽が雲で隠れるとさーーーと空間が変わる。
この天高のスペースはインスタレーションや彫刻作品なんて展示したら良さそうだ。

そして、ベニア合板が概ね貼られたところ。一気に進んだ感、スタジオ感がでてきてテンションもあがります。

写真の順番が前後しましたが、こんな感じ。入り口の扉はもう少しかわいくなります。

土壁を壊しまくった写真右側の壁面は筋交いをいれて補強。こちらも平の大壁になる。かつて廊下だったスペースは事務所に、トイレだった部分はシンクを取り付ける。ペンキを塗り替えたり、展示インストール後に手を洗ったり、小腹が空いて裏でお弁当食べたり、なにかと水場はあると助かる。

水道工事の見積もりが予算オーバーで結局排水、給水、すべて元から自分でやることになった。基本は配管垂直水平の美学で素人ながらにダブルチェックをおこないつつ配管を進めていたが、元の排水につなぐところは都合上2%以上の勾配がつき立体的な配管となった。
水をじゃんじゃんながし通水チェック後、スーパー助っ人Cさん主導のもとモルタルで地面を固めた。

その他今週の助っ人はレギュラーIさん。コツコツをベランダのペンキ塗りを終え、2階にはる床板の掃除をコンプリート。この日は、大工K氏の下地を組む作業の手伝いで、卓上丸ノコで木材カットなどを行ってもらった。
ひとつひとつは細かい作業であるが、そのひとつひとつに助っ人がいると進みがはやい。ありがたい。

平日助っ人まだまだ募集中です。