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デスピサロの話

※この記事は個人見解、思い入れが大いに含まれます

デスピサロは怖い

というか、進化の秘法が怖い。ドラクエ4の話でございます。

魔族の王だったピサロは、恋人を殺した人間への憎しみから、進化の秘法と呼ばれる禁呪をついに自らに施し、憎悪の塊のような異形の化け物となり、これまでの記憶や心まで失い、人間を根絶やしにしようと勇者たちの前に立ちはだかる。

戦いの途中、デスピサロは勇者たちの攻撃で徐々に腕や頭が吹き飛ばされていく(もう怖い)。しかし、それで倒れるどころかさらに禍々しい姿に再生を重ねていく。

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※「デスピサロの はらが あやしく うごめいた!」みたいなメッセージとともに、色が変わり胴体から目と口が現れるころから、現場は「マジかよ…」という雰囲気に包まれはじめる

(画像引用元 https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/misosan1963/entry-12422303134.html )

この、自然の摂理に反したようなむちゃくちゃな進化と再生を初めて見たとき、進化の秘法のおぞましさのようなものを感じた覚えがある。元は人間(ピサロは魔族だけど)だったものがこんな化け物になるなんて。

音楽面での演出

最初は、「邪悪なるもの」というなかなか絶望感にあふれるBGMの中戦うことになる。ズーン、って感じの曲。

最終形態になると、BGMが「悪の化身」という絶望感プラスアップテンポで緊張感の高まる曲に変わるが、その直前、頭がズモモモ、と生えてくるモーションがあり、その間BGMが一旦無音になる。

この無音が個人的にゾクゾクするポイントだと思う。

しーん、とした中でデスピサロの頭がゆっくりと生えるズモモモ…の音だけが響くので、驚きと緊張をもって注目してしまう。また、それまでの戦いの流れみたいなものもBGMとともに止まり、重い空気の中なすすべもなく、ピサロが変わり果てていく姿をただ見ていることになり、同時にこの後のさらに激しい戦いを予感させられる。

つまり、ヤバ過ぎてその場のみんな押し黙っちゃう、みたいな心境。あと授業中先生がキレだしてお通夜みたいになるのとちょっと似てるか、いや、ちょっと違うか…。

完全体?

たまに最後の形態を「完全体」としているのを見かけるが、なんとなく違和感を覚えていた。

自分の中では、デスピサロは最初からあの形になろうとしていたというよりかは、もっと遺伝子の暴走みたいな印象をもっていた。雰囲気的にはAKIRAの鉄雄みたいな(鉄雄のは遺伝子うんぬんじゃないかもだけど、感覚的に)。

なので、完全体というか、ピサロの命が続く限りはあれにとどまらず、さらにキモく再生&進化し続けていったのかも知れんなぁ、顔さらに増えたり。と、どちらかと言えば成れの果てという風に感じていたのだった。

バルザック

他にも、バルザックという人物がこの進化の秘法により化け物と化し、ボスとして襲ってくる。

このバルザックとは2回戦うことになるが、1回目と2回目で全く姿が変わっている。

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2回目は色違いで〜、とかじゃなくて全くの別グラなのがミソで、進化の秘法の進化っぷりを感じることができると思う。

いろいろ言いましたが

製作者が意図した部分より、個人の思い込みによるところが多いかも知れないが、小学生時分、デスピサロの何にビビったのかを文章化したら、こんな感じになりましたよ、という話でした。

と言っても、当時としては、そこまで具体的に考えていたわけではなく、年上の友達のプレイを側から見ていて「おー、腕とれた!押してる押してる!頭も飛んだ!もう全クリ? …えっ?腹から顔が…!ヤバい…うわ!うわぁ…!」程度だったけど、それでもそこはかとない恐ろしさは感じていたと思う。

あと「ボス逃げられないのに何で何回も逃げるの」とも(8逃げという強力な裏技)。ネットもない時代、こういう裏技ってどうやって伝わってたんでしょうね。

補足

オタク全開で語った無音部分の演出ですが、ここが特に製作者の意図と合致してるか微妙です。一人のオタクが勝手にそう感じていただけかも。

というのも、PSリメイク版ではこの無音演出がないんです。しかも頭生えるときなんか天からパアァって光が降り注ぐのも自分の強固なデスピサロ観とマッチしなかったし。なんか進化というより第三者から力を与えられる、みたいに見えてしまって。

ただ、その後のDSリメイクでは無音演出が復活していました。天パアァはそのままだったけど。

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