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プレミアリーグ 第22節 リーズVSウェストハム 雑感

第3節からサボリにサボって前半戦が終わってしまったマッチレビュー、再開に向けて第22節の雑感とリーズの現状について少しだけまとめてみる。

まずは、22節モイーズ率いるウェストハムとの一戦。

スタメン

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スタメンを見ると相変わらず怪我による人員不足が目立つリーズ 。
主力級だと、アンカーのフィリップス、FWバンフォード、中盤のロバーツが欠場。
さらには、一時期バンフォードの代役として期待されたゲルハートや主にWBで起用され、頭角を現し始めていたシャクルトンの名前もメンバー表には見られず。
正直ベンチメンバーは半分以上が誰?という選手で構成されていた。
一方で、プレミア昇格前からチームを支える大黒柱エイリングの復帰は唯一の朗報だろう。

前半

4-4-2でミドルブロックを構えるウェストハムに対して、リーズは立ち上がりからボールを握った。ビルドアップのルートは主に右サイドから。
まず、右SBのダラスと右WGのハフィーニャが下り目のポジションを取り、相手SHとSBを引き出すと、空いたハーフスペースにはIH、SBの背後にはFWが流れ、ボールを受けて前進する。
相手を押し込んでからは、逆IHも含めて右サイドでオーバーロードを作り出し、左で仕留める。

この狙いがよく出ていたのが6分のシーン、エイリングからのロングボールで相手を押し込み、最終的にはハフィーニャ→フォーショー→クリヒ→ハリソンと繋がり惜しいシュート。
また、10分にはハフィーニャが落ちる動きをフェイクで使いエイリングからのロングボールで一気に背後を取ると、マイナスの落としにクリヒがシュート、こぼれ球をハリソンが詰めて先制点を挙げる。

分析した相手の特徴を元にどこから侵入し、ゴールまで行くのか。この部分が明確に落とし込まれているのがビエルサのチームの強みである。
一方で前半戦はそれをピッチで体現できるパスの出し手が不在であった。
その意味で長短のパスが出せるエイリングの復帰は大きい。

先制した後も優位にゲームを進めていたリーズだが、20分にフォーショーとフィルポがまさかの同時負傷交代。プレミアデビューとなる19歳のベイトと18歳のイェルデがピッチへ。もちろんこの交代が全てではないが、以降ペースはウェストハムに傾いていった。
要因としては、ビルドアップの不安定化がある。交代以前は、使い分けられていたCBから中盤のハーフスペースへの縦パスが無くなり、背後へのロングボールor降りてきたWGへの縦パスが増えていった。
これによって、ウェストハムのDF陣は選択肢が絞りやすくなり、ボールに強くアタックされてしまう。これがウェストハム全体の守備強度を上げる結果になってしまった。

ではなぜ、中盤へのパスが減ってしまったのか。これは、交代で入った選手との信頼関係が大きく影響しているだろう。CBから中盤へのパスはロングボールと比べロストした際のカウンターのリスクが大きい。そんな中で、もしボールを失ったらという心理的なストレスを出し手側も受け手側も感じていたのではないか。

また、戦術的な要因としてはDFラインと中盤の縦の距離感が開きすぎてしまっていたと感じた。低い位置からでも繋ぐのであれば、もう少し中盤の選手が落ちてくるべきであったし、それが難しいのであれば一度前に運んで高い位置からビルドアップを開始すべきだった。

リーズ側の混乱によって主導権を取り返したウェストハム。主な攻撃パターンは、3トップ特にアントニオへのロングボールもしくは縦パスで、彼らがボールを収め前向きの選手を使う事でリーズのマンツーマンを崩していく。

徐々にリーズを押し込む中で、33分CKをボーウェンが沈めて同点に追いつく。また、CBからの持ち運びも有効的で40分にはライスの飛び出しから決定機を作った。

ただリーズも37分CKからエイリングのヘディングにハリソンが合わせて再び勝ち越しに成功。
流れを引き戻せないまま終わったリーズだったが、前半をリードして折り返す。

後半

後半開始後も距離感が改善されないリーズ、50分にエイリングからベイトへの縦パスをカットされると、51分にはエイリングからハフィーニャへのロングボールをインターセプトされ、カウンターからフォルナルスに決められ再び同点。

リーズは、さらにロングボールが増え両者が縦に早く攻め合う展開に。
すると59分ダラスが中盤で縦パスをインターセプトし、ハフィーニャからハリソンへスルーパス。ハリソンが落ち着いてループで決めて3-2、リーズが三たび勝ち越しに成功した。

以降は、ウェストハムが攻勢を強めながらリーズもカウンターでチャンスを伺う。お互い2、3回ずつチャンスを迎えるも得点出来ずそのまま試合終了。
リーズは、アクシデントがある中で上位相手に貴重な勝ち点3を掴んだ。

現状(攻撃)

攻撃面では前述したように、試合前の段階での相手に対する分析と対策、それをチームに落とし込む作業はうまく行えているように感じる。
しかし、それを封じられた場合にどうするのか。二の矢、三の矢を同放っていくのかが明確ではないと感じた。
一方で前半戦と比べて、この試合では欲しいタイミングで点が取れたというのは収穫だと思う。例えば、流れが悪い中でのセットプレーでの一点は非常に大きかった。
また、押し込まれている中でもインターセプトからカウンターでチャンスを作れていた。これは、奪った後の守から攻へのトランジションとスプリントが以前より徹底されているからであろう。リーズの特徴的なマンツーマンは、相手に背負われて前を向かれるとピンチになるが、前で奪うことが出来れば簡単に数的優位な状況を作り出すことが出来る。
こうした文脈の少ないゴールもリーグ戦を勝ち切っていくためには必要不可欠だ。

現状(守備)

リーズのマンツーマン守備に対する攻撃側の策として、この試合でも用いられたのが以下の2つだ。
①CBの持ち運び
②FWに収めて前向きの選手を使う
①に対して、この試合のリーズはWGの選手が外切りでプレスに行くことで前進を遅らせていた。具体的には16分、31分のシーンである。一方で17分の同様のシーンでは運ばれてピンチを作られた。
②に対しては、まず収められないこと、また攻撃の部分で話した様にインターセプト出来れば一気にカウンターのチャンスに繋がる。
一方で収められてしまった場合はどうすれば良いか。その対応としてあげられるのが25分のシーン。ハーフウェイライン付近でアントニオにボールを収められ、前向きのフォルナルスへのスルーパスを通されてしまう。
(この時アントニオのマークがジョレンテ、フォルナルスのマークがコッホ)
背後に抜け出したフォルナルスに対して余っていたCBのエイリングがカバーして遅らせる。その間にコッホがエイリングのカバーへ。
この様にリーズのマンツーマンでは相手の前線に対して必ず一枚が余っているので焦らずに対応することが重要である。
しかし、このシーンの続きを見るとジョレンテがボールウォッチャーになっている隙にアントニオがフリーとなってしまいフォルナルスからのクロスに合わせられてしまった。
自分のマークが決まっている為分かり易いのがマンツーマンだが、一方で少しでも気を抜くと致命的な穴になってしまう。
こうした中で当たり前の動きを当たり前にこなすことが守備では求められるだろう。







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