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催眠体験

扉が頭に現れる.
白い扉ドアノブがある回すタイプだ.
目の前には赤茶の道がある.
ドアを開けようとするとモヤモヤにかき消されてしまった.

しばらく頭の中でドアを探していると出てきた.
ドアを開けると一面の芝生.前にもここにきた.
しばらく歩いていると,丘にたどり着く.
丘から見えたのは以前最後にいた海だった.
海には船が浮かんでおり,そこに小さな人がいる.

船の上にと促されるものの,船には人がいるから,行くことができない.
そう考えているうちに何かに入って揺れていた.
しばらくすると小さな女の子が出てくる.

おさげで白い服,キャラクターの服を着た女の子.私はこの子を知っている.4,5歳の私だ.
私が立っている.どんな様子と聞かれるが,どんな様子でもない.ただそこに立っている.楽しげでもなく,理由もなくそこにいるのだ.

その小さな私は,私自身の持つ,寂しい気持ちのパーツなのだ.楽しくなさそうだから、大人の私が楽しませてあげてと、促される.
抱っこして揺れたり,膝枕をして,トントンとお腹を叩いて,寝つかせる.
これは私の今して欲しいことなのかもしれない.
この小さな私に優しくしてるうちに勝手に涙が出る.普通なら妄想の中で泣くなんてことはありえないから,やっぱり催眠下に落ちてるんだろう.

寝ている小さな私に、感謝と,大丈夫,助けてあげるよ,トントンしてあげるよと優しい言葉をかける.大丈夫だよ,怖くないよと声をかける.
5歳からずっと待っててくれてありがとうと伝える.

小さな私と大人な私をここに置いてきたまま,
自分だけは催眠から戻る.
全部嘘みたいで怖いが,全部ほんとに私の頭の中で起こったことなのだ.

おわり

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