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仏蘭西を歩く。(夜のさんぽミューゼに寄せて)

閉館後の美術館。
そのキーワードだけで心が躍りますよね。

6月10日(金)18:30
閉館後の上田市立美術館で開催されたナイトミュージアム「夜のさんぽミューゼ」に参加しました。コレクション展Ⅰ「憧れの仏蘭西」についてのギャラリートーク。学芸員さんのお話に萌えや発見が溢れすぎたので、懲りずに上田市立美術館へのラブレターをしたためます。

(過去に書いたラブレター、置いておきますね)

コレクション展Ⅰ:憧れの仏蘭西

上田市立美術館のコレクション展は、毎回企画展に合わせたテーマのもと、作品を選び、展示されているとのこと。今回は「アルフォンス・ミュシャー煌めきの女神たちー」に合わせて、上田にゆかりある、渡仏した芸術家たちの作品が展示されていました。

山本鼎と島崎藤村

今回のギャラリートークで一番印象的だったのが、山本鼎と島崎藤村の話。上田市立美術館の中心となっている山本鼎。鼎もまたフランスに渡った芸術家のひとりとして紹介されていました。フランスで島崎藤村と出会い、交流を深めていった鼎。藤村の小説に鼎をモデルにした登場人物がいるとか、鼎が手紙で藤村を褒めてたとか。山本鼎と島崎藤村、思いがけない接点にメモを取る手が止まりませんでした(萌えますね)。

鼎とフランス

曰く、渡仏した画家は「フランスに行くと絵が明るくなる」とか。なるほど、確かに。鼎の作品もまたフランスを経て明るくなった印象を受けました。鼎が23歳の時に描いた『蚊帳』と晩年に描いた『白菜と馬鈴薯』『トマト』。3つの作品が横並びに展示されていたので、ぜひ美術館で実物を見比べて欲しいです。

『白菜と馬鈴薯』
近くで見ると荒い筆致、離れてみると精密画に見える不思議な作品

中村直人とフランス

最も驚きがあったのは、中村直人(なかむらなおんど)の話。直人は、47歳まで彫刻家として活躍した後、渡仏して画家になったという経歴を持つ芸術家です。過去にも直人の作品を上田市立美術館で見ましたが、独特の作風が少し苦手でした。でも、ギャラリートークで彫刻家だった経歴やモディリアーニに影響を受けたというバックグラウンドを知って、ちょっとだけ作品への理解を深められたような気がします。(ちなみに直人の猫ちゃんの絵は可愛い)

『ピエロ』
直人と親交があったというマルセル・マルソーがモデル

仏蘭西を歩いてみて

閉館後の美術館

他にも林倭衛(はやし しずえ)とセザンヌの関係性や、渡仏はしていないがフランス語に造詣が深かったという石井鶴三(いしい つるぞう)の話もありました。こうして書き出してみると1時間ちょっとのギャラリートークに詰め込まれた情報量にちょっと驚きますね。「作品を見る」それだけでも得るものは大いにありますが、「作品について聞く」ことでより深く楽しめたなと感じています。

誤解を恐れずに言えば、上田にゆかりある芸術家の作品はなかなかにニッチだと思います。上田に長く住んでる人でも知らない人は知らないんじゃないかな(認識が間違ってたらすみません)。でも、だからこそ、学芸員さんの話を聞ける機会はとても大切で、ギャラリートークには点と点を繋げて線に、そして面や立体にしてくれる力があると、わたしは思っています。

今回で言えば、冒頭で書いた山本鼎と島崎藤村のような人と人との関係性、フランスという国の気候と作風への影響、時代背景を聞いたことで、作品がどんどん立体的になっていきました。そしてじんわりと自分が暮らしている地域と彼らとの繋がりを感じた(ような気がします)。

そんな繋がりを美術館、そしてギャラリートークなどの機会を通して、一人でも多くの人が体感できたらいいなと妄想しつつ、今日はこの辺で筆を置くこととします。

ギャラリートークの後にはティータイムも

次回のナイトミュージアム「夜のさんぽミューゼ」は、11月に開催予定とのこと!ご都合つく方はぜひ、参加してみてほしいです…!

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