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花のある暮らしの話

予定外に丸一日の外出になってヘトヘトになりながら最寄り駅に帰ってきた。大事な用事があったとはいえ、休職中で体力が落ちている私にとっては重労働をした後のような感覚だった。何か買い物して帰ろうかな、もう今日の夕飯はお惣菜で済ませちゃおうかな。駅前の商店街に行く道中考え事をしていたら。

突然、お花が欲しいなって思った。

別に誰かにプレゼントをして欲しいとかそういうわけではなく、リビングのテーブルの上に花があったらステキだし、気分も上がるかなと考え付いたのだ。

花を飾ることは前から好きだったけれど、切り花はすぐに枯らしてしまうとか子供が小さいとかなにかと理由をつけて自分で自分のために買うことはなかった。それなのになぜかその日は突然思い立ったのだ。保育園のお迎えまでまだ少し時間はある。

商店街の1番右端にある花屋の前で自転車を降りてさっそくお店に入った。

一本ずつ選んでいくのはセンスが問われる気がしてハードルが高く感じるのは私だけだろうか?大きな花束が欲しいわけではないので、2〜3種類の花が包まれた売り場から我が家に連れて帰りたくなる子を探した。

やっぱり花屋はいいな、と思った。季節を感じられる気がするから。もちろん外を歩いていても八百屋に行っても季節を感じるけれど、花屋は格別にぎゅっと季節が詰まってるようにみえる。まぁ、このご時世はハウス栽培などで季節関係なく出回っていることもあるんだろうけど。

リンドウが入ったブーケを見て、そういえば学生時代のバイトで毎年秋になるとリンドウ農家の祖父母のところに行って手伝いするから試聴機でシフト入れない後輩いたなぁと思い出した。イケメンだった彼は今元気にしているだろうか?

そのリンドウと、元気が出そうな黄色と、派手じゃないピンク色の花が入った商品を手に取りレジへ行った。437円也。もう保育園によって帰るだけだから、長さを切り落として切り端を包んでもらうだけにした。子供が倒してしまうのが怖いからうんと背の低い花にしようと思ったけれど、リンドウじゃ仕方ない。想定より高さのある包みになった。でも、何だかリンドウに出会えて連れて帰れるってなったら少し気分が明るくなった。

帰宅ご、飾るグラス(花瓶ですらない)に合わせてもう少しだけ長さを落として自分なりに飾ってみたけれど難しかった。高さをそのまま活かしたかったけれど、やはり高すぎるのは怖いというのが正直な気持ち。自分の許容ギリギリまで短くして飾ってみた。

やっぱりいい。少しだけ楽しい気持ちになるし、香りもする。

この文章もリンドウが入った(申し訳なくて活けたとは言えない)グラスの前で書いている。贅沢を言えば、リビングだけじゃなくて玄関とかトイレとかにも飾ってみたいがきっとすぐに管理不行き届になるだろう。まずは、リビング一箇所から。きちんとお世話をして枯れてしまいそうになったらまた次の子を探しにいく。それを楽しみに生活してみようかな。そうしたらメンタル面も少しは改善される気がする。

SNS映えするようなキレイな雰囲気を目指すのは難しいけれど、自分が好きで楽しい気持ちになることが今の私にはイチバンだし何より身の丈に合っている。身の丈に合わないことをするとまた重圧で苦しくなってしまうかもしれないしね。

蕾もまだたくさん付いているし、暑い季節も終わったし、長く楽しめるといいな。

最後にリンドウの花言葉。諸説あるようですが、メンタル弱っている私には合っているかも。

https://hananokotoba.com/rindou

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