KAIJINN

IRIAMにてVライバーデビュー済。 個人勢、セルフ受肉。 YouTubeは準備中。 …

KAIJINN

IRIAMにてVライバーデビュー済。 個人勢、セルフ受肉。 YouTubeは準備中。 ASD(+ADHDの傾向あり、不注意優位)、双極Ⅱ型 大学院を修了できないアラサー(現在無職) ヤングケアラー、きょうだい児 2023/12/21入籍しました。

マガジン

  • 町を捨て、都に出よう。

    私が地元を飛び出し、京都で結婚するまでの話。 不定期更新。 たまに加筆修正もされます。

  • 少々長めのつぶやきたち

最近の記事

いざ、京都へ

緊張をほぐしたのは  行きの新幹線で、僕はとある人物とひたすらメッセージのやりとりをしていた。  のちの旦那である。  抜粋しよう、アホなやり取りを。  旦那「え←これなに」  僕「変な形の山」  旦那「ほな山かぁ」  僕「他に何に見えんの」  旦那「え」  僕「あー、ワンチャン島にも見えなくないか」  旦那「感性いかれてんのか」  僕「どっちが死んだ感性か、バトルしよう」  旦那「いいぜ」  僕「なんか問題考えておいて」  旦那「ちんちん←なんて読む?」  僕「問題

    • 餞別、餞別、涙

      京都へ行くまで、あと1日。 「突然ですが、家には帰りません」  弘前駅で、僕が電話口の母にそう告げると、母はあきらめ交じりに、静かな怒声を上げた。分かっているのだ、一度決めた僕は止まらないことを。 「どこへ行くの」  母の声は、震えていた。  つられて僕も、喉に力が入った。 「京都」  戸惑いをはらんだ間が、一瞬あった。  しかし、母はうろたえたのを表に出すまいと、前のめりに声を発した。 「いつ帰るの」 「帰らないよ」  僕は、「どう言ってもダメです」と心の中で繰り返した

      • 「普通の家庭」カルチャーショック

        あー、普通の家庭で歩む普通に苦悩も喜びもある人生て、こんなに眩しくて空疎なんだ。 3/3の夕方、私は吹奏楽の演奏会に来て、そんなことを思った。 旦那の弟の演奏会、その名目が無ければ、来たことを悔やみさえしたろう。 ──ひとつのことをたくさんの仲間とやり遂げる。 それまでに様々な苦悩や軋轢もあったろうに、終演後は涙さえ浮かべて、今日とそれまでの頑張りを、抱き締めあったり、写真を撮りあったりして称えあう。 正直、羨ましさでどうにかなりそうだった。 私が手に入れられなかった

        • ふと思うこと

          どうやら、結婚したらしいなあ。 ふと、じんわり実感する瞬間がある。 それは特別、家事をしているときでも、夫婦の営みの最中でもない。 仕事のオンライン面接を受ける旦那を横目に、布団の上でぽかんとしているときである。 普段とはちがって、スーツに身を包んだ旦那が、普段通りの低くて優しい声で応答している。 たまに、「配偶者ありの場合って……」などと、質問するのが聞こえる。 そんなとき、皮膚のキメから沁みだすようにじんわりと、 「どうやら結婚したらしいなあ」 と思うのである。 今日は

        いざ、京都へ

        マガジン

        • 町を捨て、都に出よう。
          3本
        • 少々長めのつぶやきたち
          4本

        記事

          結論から言うと

          土曜の義母・義父からの呼び出し、これは変なお叱りではなかった。 しごく真っ当な、常識的なお気持ちを述べられた。 「無い袖は振れへんのやで」 義父はいたって真剣な顔で、旦那に詰め寄った。 旦那は何も言わなかったが、力の篭った目で、父を見つめ返した。 一方で、私はこんなことを思った。 「無い袖を振ろうとして、私の実家は二の腕を裂いたのだ」 生活保護受給を私の院進学のためにやめた1年弱、家計は火の車だった。 その火の赤さは、さながら、無い袖を振って裂けた二の腕の鮮血といった

          結論から言うと

          少々長めのつぶやき。

          「心配」で親が子をコントロールする瞬間。 親に心配をかけるのは悪い子なんだろうか。 そんなわけで、土曜日は義母による叱られが発生する予感があります。 続報をお待ちください。

          少々長めのつぶやき。

          町を捨て、都へ出よう。

          京都へ行くまで残り2日。  どうして人は、京都に行こうと決心すると、あのキャッチコピーじみてしまうんだろうか。  「そうだ――」と思い立ち、次に「京都」という地名が入り、「行こう」と口の端がきゅっと引き締まる。  その時の僕もまた、そのキャッチコピーじみていた。かつて京都を目指した先人たちと、恐らくは同じポーズで弘前駅の改札をくぐったのだ。  胸の奥底を猫じゃらしでくすぐられているようなむずがゆさと、これから一人で未踏の地へ行ってやるのだ、という高揚感だけが、その時の僕のす

          町を捨て、都へ出よう。