デザインと新しさ
今回も帰省中のことを。少し前に完成した市庁舎を見ていた時から、ずっと気になっていたことです。
最初に見たときはちょっと残念な気がした。あんまりかっこよくないし、新しさが感じられなかった(と言うのは、斬新さという意味のほう)。ひとくちで言えば、冴えない建物だと思っていたのです。
で、何回か見ているうちに、もうひとつの新しさが、やっぱりないことに気づいた。何かと言えばこちらは新品感、という意味の新しさのこと。
いずれの場合も、形と材料、すなわち外観の印象ですが。
そこで問題。
デザインにとって、新しさは必要なのか。
一番目の意味における新しさについてはひとまずおいて、ここでは二番めの意味のことについて。
斬新さとは対極に位置するようですが、 案外デザインのひとつのあり方かもと思ったのでした。作り立ての感じ、ぴかぴか感がないということは、周囲とのなじみがいいということでもあるから。英国ではツィードのジャケットやコートなどは新品ではだめで、しばらく風雨に晒して少々くたびれてから着るのが良いと言う*。
ただ、逆に言えば、新しくつくった晴れがましさや喜びなどが減じるということであるかもしれない。車などは1年も経てば、中古車となって価格は半分ほどになると読んだことがある**。
時間をかけて考えたことではないけれど、出来立ての話題です。
さて(あんまり新しい話題じゃないかもしれませんが)、どうでしょう。(F)
*白州次郎も言っていたのではあるまいか。
**こちらは、書いていたのはたぶん徳大寺有恒。
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