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DIYBookScanner(ハードウェア編2)

本記事ではスキャナヘッドを作成します。
2枚のアクリル板をV字型に固定し、平行に設置したカメラモジュールで撮影します。
アクリル板が紙面を押し付けることで、ページを平坦化します。
前後には操作用のハンドルとスライダ機構に固定するための治具がついています。
カメラモジュールの取り付けはハードウェア編4で説明しますが、同時に行っても問題ありません。


スキャナヘッドの作成

材料一覧

スキャナヘッドの作成に必要な材料です。
アクリル板以外はホームセンターのコーナンで調達しましたが、同じものがなければ同等のサイズ、重さのもので問題ありません。
アクリル板は送料が高いです。

$$
\begin{array}{|l|r|r|r|} \hline
\text{商品名} & \text{参考価格} & \text{個数} & \text{小計} \\ \hline
\text{桐集成材(300x13x450mm)} & 548 & 2 & 1096 \\ \hline
\text{桐集成材(90x13x450mm)} & 198 & 2 & 396 \\ \hline
\text{アクリル板(220×300x4mm)$^{*1}$} & 466 & 2 & 932 \\ \hline
\text{木製取手} & 298 & 1 & 298 \\ \hline
\text{桐集成材(600x24x45mm)} & 428 & 1 & 428 \\ \hline
\text{ねじ(2.7x25mm)} & 128 & 1 & \text{-$^{*2}$} \\ \hline
\text{ねじ(3.1x32mm)} & 128 & 1 & 128 \\ \hline
\text{両面テープ} & 378 & 1 & \text{-$^{*2}$} \\ \hline
\text{合計} &  &  & 3278 \\ \hline
\end{array}
$$

材料一覧

*1:下記サイトより入手
*2:クレードルの材料費に含む

工具一覧

使用する工具です。
アクリル板の穴あけでは専用のビットが必要です。
材料が大きいため60cmサイズの長い直定規があると便利です。

  • 電動ドリル、ドリルビット(5mm、4mm、 2.5mm、 面取り5mm、アクリル用3mm)

  • スライド丸ノコ

  • NTドレッサー

  • ドライバ、差し金、直定規、鉛筆、ドリルガイド

左:直定規、右:アクリルビット

アクリル板の加工

ねじ止めするための貫通穴をアクリル板にあけます。
図面(head_acrylic.pdf)を参考に穴あけ位置をマークしてください。

穴あけ位置

アクリル用3mmのドリルビットを使って貫通穴をあけます。
面取り用のビットで面取りも行います。
もう一枚のアクリル板も同様に行います。

このように6つ穴の開いたアクリル板が2枚できたら完成です。

完成図

側面板の加工

側面となる90x13x450mmの桐集成材を加工します。
図面(head_side_wood.pdf)を参考に穴あけ位置とカット線を描いてください。

穴あけ位置とカット線

先に穴あけを行います。
4mmのドリルビットを用いて貫通穴を空けます。
裏表の面取りも行います。

穴あけ加工後

カット線はホームセンターのカットコーナーでカットします。
長さを揃えるため2枚同時にカットしました。

2枚同時カット

NTドレッサーでカット面のバリ取りや角の面取りを行います。
2枚の側面板ができれば完成です。

左:NTドレッサー、右:完成図

固定板の加工

スライダー機構に固定するための治具を作成します。
600x24x45mmの桐集成材をカットします。
図面(head_jigu_wood.pdf)を参考に、カット線を描いてください。
同様にカットコーナーでカットして20cmの木材にできれば完成です。

左:カット線、右:完成図

前面板と背面板の加工

前面板と背面板となる300x13x450mmの桐集成材を加工します。
前後で形状は同じですが、穴あけ位置が違います。
図面(head_front_wood.pdfとhead_back_wood.pdf)を参考にカット線と穴あけ位置を描いてください。
対角線の補助線を引くときには長い直定規が必要です。
背面板には固定板を取り付けるためのガイド線も描きます。

左:前面板、右:背面板

前面板にハンドルを取り付けるための穴をあけます。
ハンドルに付属しているねじ径(M4)に合わせて5mmのドリルビットを用います。
背面板はねじ止め用のため4mmのドリルビットを使います。
両面の面取りも行っておきます。

垂直のカットはホームセンターのカットコーナーで行います。

穴あけ加工と垂直カット

斜めカットはスライド丸ノコを使用します。
一度でカットできない場合は、反転させながらうまくカットしてください。

NTドレッサーでバリ取りを行って完成です。

左:NTドレッサー、右:完成図

部品の組み立て

加工した材料を組み立てていきます。
まず、前面板にハンドルを取り付けます。
鉛筆で下書きした面が見えないように内側にするほうがよいです。

背面板に固定板を取り付けます。
固定板に両面テープを張り、背面板のガイド線に沿って貼り付けます。
固定板に中心線を引いたほうがまっすぐに貼り付けやすいです。

固定板の中心線

2.5mmのドリルビットで下穴をあけて、3.1x32mmのさら木ねじでねじ止めします。

次にアクリル板を取り付けていきます。
アクリル板に指紋やキズがつかないように、端から約2cmだけ保護シールをはがして、セロハンテープで仮止めしておきます。
左右と裏表の4つの端を同様に保護シールを仮止めしておきます。

前面板にアクリル板を組みつけます。
完全に平行や垂直を保つのは難しいですが、補助も使いながら慎重に行いましょう。
赤色の端が一致するようにします。

2.5mmのドリルビットで下穴をあけて、2.7x25mmのさら木ねじでねじ止めします。

背面板も同様に取り付けます。

もう一つのアクリル板も取り付けます。

最後に側面板をねじ止めしましょう。
アクリル板が傷つかないように下に布を引いたほうがよいです。
2.5mmのドリルビットで下穴をあけて、さら木ねじ(3.1x32mm)を用いてねじ止めします。
後ろはズレても仕方ないので、前面板と端が一致するように気を付けてください。

以上でスキャナヘッドは完成です。

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