DIYBookScanner(ハードウェア編3)
ハードウェア編の第3回ではスライダ機構を作成します。
机の引き出しのようにスライドレールで上下移動する仕組みです。
また、カウンターウェイトを用いることで小さな力で操作できるようにしています。
カットや穴あけなどの加工は少ないのですが、組み立てが大変です。
スライドレールの取り付けではある程度の精度は必要なので落ち着いて丁寧に作業していきましょう。
スライダ機構の作成
材料一覧
スライダ機構の作成に必要な材料です。
3つの桐集成材(90x13x600mm)はサイズ差がないように選びます。
どうしてもサイズ差がある場合はカットや削って調整します。
$$
\begin{array}{|l|r|r|r|} \hline
\text{商品名} & \text{参考価格} & \text{個数} & \text{小計} \\ \hline
\text{桐集成材(90x13x600mm)} & 248 & 3 & 744 \\ \hline
\text{桐集成材(400x13x450mm)} & 748 & 1 & 748 \\ \hline
\text{桐集成材(600x24x45mm)} & 428 & 2 & \text{428$^{*1}$} \\ \hline
\text{杉集成材(900x9x45mm)} & 328 & 1 & 328 \\ \hline
\text{アルミ不等辺チャンネル$^{*2}$} & 849 & 2 & 1698 \\ \hline
\text{スライドレール$^{*2}$} & 1990 & 2 & 3980 \\ \hline
\text{L字金具} & 298 & 1 & 298 \\ \hline
\text{なべ小ねじ4x100mm} & 38 & 1 & 38 \\ \hline
\text{袋ナットM4} & 88 & 1 & 88 \\ \hline
\text{深溝プーリー4x13x7mm$^{*2}$} & 1019 & 1 & 1019 \\ \hline
\text{ウエイト 1kg$^{*2}$} & 1034 & 2 & 2068 \\ \hline
\text{ウエイト 0.5kg$^{*2}$} & 649 & 2 & 1298 \\ \hline
\text{カットワイヤー900mm} & 398 & 1 & 398 \\ \hline
\text{LEDバーライト} & 3780 & 1 & 3780 \\ \hline
\text{布テープ(黒)} & 248 & 1 & 248 \\ \hline
\text{ねじ(3.1x32mm)} & 128 & 2 & \text{128$^{*1}$} \\ \hline
\text{ねじ(3.8x38mm)} & 128 & 1 & 128 \\ \hline
\text{合計} & & & 17289 \\ \hline
\end{array}
$$
*1:クレードルやスキャナヘッド作成時の残りを流用するため
*2:下記サイトより入手
https://www.monotaro.com/p/6952/9584/
https://www.monotaro.com/p/0937/3682/
https://www.monotaro.com/p/6955/0365/
https://www.monotaro.com/p/6955/0383/
工具一覧
使用する工具です。
大きな材料なので60cmサイズの直定規があると便利です。
電動ドリル、ドリルビット(4mm、 2.5mm、 5mm、面取り5mm)
NTドレッサー、木工ボンド
ドライバ、差し金、直定規、鉛筆、ドリルガイド
材料と工具が準備できたら各材料の加工を行っていきます。
底面板の加工
底面板となる400x13x450mmの桐集成材を加工します。
図面(slider_bottom_wood.pdf)を参考に穴あけ位置とガイド線を描いてくださ
い。
4mmのドリルビットで貫通穴をあけて、面取りを行います。
NTドレッサーで面取りやバリをとって完成です。
背面板の加工
背面板となる90x13x600mmの桐集成材に穴をあけます。
図面(slider_back_wood.pdf)を参考に穴あけ位置をマークしてください。
同様に4mmのドリルビットで貫通穴をあけて、面取りします。
NTドレッサーで面取りやバリ取りを行って完成です。
側面板の加工
側面板となる90x13x600mmの桐集成材にスライドレールとアルミ不等辺チャンネルを取り付けます。
スライドレールに木くずが入ると滑りが悪くなるので、先に面取りを行うほうがよいでしょう。
アルミ不等辺チャンネルの取り付け位置をわかりやすくするため端から5cmのところに線を引いておきます。
スライドレールを開封して、内側と外側の部品に分解します。
外側の部品に両面テープを貼り付け固定したのち、4x10mmのトラスタッピングでねじ止めします。
写真のように側面板の上端と長辺に一致するように取り付けます。
次にアルミ不等辺チャンネルを両面テープで取り付けます。
こちらはねじ止めできないのでしっかり貼り付けます。
端から5cmのガイドラインと側面板の長辺に合わせて固定します。
もう一方の側面板も同様に行いますが、背面板を挟んで左右対称になるように気を付けてください。
スライド部の加工
スライド部となる600x9x45mmの桐集成材にスキャナヘッドを取り付けるためのねじ穴をあけます。
図面(slider_inner_wood.pdf)を参考にしてねじ穴位置とガイド線を描いてください。
3.8x38mmの木用ねじで固定するため、5mmのドリルビットで貫通穴をあけ、面取りします。
分解したスライドレールの内側の部品を取り付けます。
スライドレールと木材の上端と長辺が揃うように両面テープで貼り付け、4x10mmのトラスタッピングでねじ止めします。
スライドレールと木材の幅は同じですが、左右のスライドレールの下端が同じ平面上に来るように注意してください。
LEDライトの高さ調整のために5cm接ぎ木します。
スキャナヘッドの作成時に余った600x9x45mmの桐集成材から5cm切り出し、木工ボンドで接着します。
LED取付板の加工
LEDの取付板を作成します。
900x9x45mmの杉集成材から35cmカットします。
図面(slider_led_wood.pdf)を参考に貫通穴も空けておいても構いません。
カットした35cmの杉集成材にLEDライトに付属しているホルダをねじ止めします。
LEDライトと取付板の先端がそろうように取り付けます。
ホルダをねじ止めできたら、LEDライトは邪魔なのでいったん取り外しておきます。
カウンターウェイトの作成
カウンターウェイトを作成します。
1kgと0.5kgのウェイトと頑丈な布テープを準備してください。
まず1.5kgのウェイトを2つ作ります。
1kgと0.5kgのウェイトを底辺をそろえて、0.5kgが少し上に出ているような形で布テープで固定します。
1.5kgのウェイトを中央でかみ合うような形で固定し、3kgのウェイトにします。
次に900mmのワイヤを固定します。
ワイヤ先端の輪がウェイトの上端にくるようにして、もう一方の先端を輪に通して吊り下げてみます。
ウェイトの重心上にワイヤが来て、ウェイトが斜めにならないように調整します。
残りの金属が露出している箇所もテーピングして完成です。
プーリーの作成
4x10mmのボルトと深溝プーリー、袋ナットを写真のように組み合わせます。
部品の組み立て
2つの側面板と背面板、スライド部を組み立てます。
側面板とスライド部のスライドレールをはめ込みます。
側面板と背面板の底面が揃うようにして固定します。
2.5mmのドリルビットで下穴をあけて、3.1x32mmのさら木ねじでねじ止めします。
底面板を取り付けます。
側面板と背面板の底面に両面テープを貼り、ガイドに沿って固定します。
2.5mmのドリルビットで下穴をあけて、3.1x32mmのさら木ねじでねじ止めします。
LED取付板とスライド部を組み立てます。
スライド部を引き抜いておきます。
図面(slider_led_wood.pdf)を参考にLED取付板に貫通穴をあけます。
2.7x25mmのさら木ねじでスライド部の上端にねじ止めします。
さらに、L字金具で補強します。
L字金具のねじ止めは4x10mmのトラスタッピングを使っています。
最後にワイヤーフックとしてスライド部の内側の下端にトラスタッピングをつけておきます。
残りの部品も組み立てていきます。
カウンターウェイトをアルミ不等辺チャンネルの間に降ろしていきます。
プーリーをスライダ機構の上端に設置します。
ワイヤ先端の輪をスライド部の先端のねじフックに引っ掛けます。
その状態のままスライドレールに押し込んでいきます。
ワイヤがプーリーにかかるようにして、おもりが垂直に上下するようにプーリーの位置を調整します。
スライド部が上下移動できるか確認します。
カウンターウェイトの重みで自然に上昇しないようであれば取り付け精度が悪いためやり直したほうがよいかもしれません。
以上でスライダ機構は完成です。
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