芸人とファンの適切な距離とは

注：サムネイルはポケモンスリープのスクショである、本文とはほとんど関係ないが、左のポケモンはウッウで、右のポケモンはキテルグマである。

今回も、架空の話などしたいと思う。

先日、こんな話を耳にした。ある芸人のファンの人が、ライブ配信中に非常に傷つくことを言われたらしい。

そのことを聞いて、どんな感じなんだろうと思ってそのライブ配信のアーカイブを確認してみた。吐き気がした。

さすがにアドレスを張り付けるわけにはいかないが、ファンの方の名前を呼び捨てにして、「お前のせいでファンミーティングやめるわ。来たらいややねん。みんなお前のことが嫌いなんや」という意味のことを言っていた。

上記のことを言いながら、顔を背けて笑ったりしている。その笑顔に寒気がした。何があったかは分からないが、これはひどすぎやしないか。

「これ非公開にせなあかんかな」みたいなことをにやにやしながら言っているにもかかわらず、公開状態にしている。もはや加害行為といってもいいのではないか。

私が言われる立場だったらと思うと、もうライブにはいけないし、正直な話、自〇すら一瞬考えてしまいそうだ。

配信していたのはコンビの片割れで、そのコンビのネタは割と好きで見ていた。まさに「自〇」というネタが面白かったのだが、このコンビのネタではしばらく笑えそうにない。

想像するしかないが、もし何かがあったとしても、もっと賢い方法でそのファンの人と距離をおくことはできたのではないか。その手順をすっ飛ばしてあの公開処刑だったとしたら、愚かというほかはない。ていうかなんで笑ってんねんきしょすぎやろ。今は見る人が少ないのかもしれないが、切り取られたら確実に炎上する。ていうかTwitter（現X）でアカウントを作って拡散したい気持ちでいっぱいだ。私の周りの人が誰も得しないのでやらないが。

とはいえ、結局は距離が近すぎたから起きた問題なのだろうと思う。その芸人にも言い分はきっとあるのだろう。

個人的には、ファンはネタを楽しむのが本来の姿で、ステージの上にいない状態の芸人には興味を持つべきではないと考えている。もちろん、顔ファンやリアコという人々が芸人の活動を支えているのは理解している。しかしそれでも、「推していること」そのものに満足するべきで、見返りをあまり期待するのはしんどいのではないか。夢を売るアイドルと違って、芸人はその芸で楽しませてくれる存在だからだ。

私も推しの芸人さんがいて、配信を楽しみにしているからあまり大きなことは言えない。ここでしか言えないが、昨年は配信がマジで過疎状態で、ツキノワグマが一回に出産するギリギリの人数しかいないときがあった。つまり二人である。なんなら、私がいないときは一人しかいないときもあったようだ。

その後、ヒグマが一回に出産できるギリギリの数（４人）に増え、今は犬が一回に出産できる数を超えてきた。うれしいことである。

これからもっと人が増えて、配信中のコメントも読んでもらえなくなる時が来ると思う。今はそれぞれのファンの存在を認知してもらっているが、人が増えていくとそれも薄れていくだろう。ファンである以上、５年前からのファンも今日なったファンも平等だ。

少し寂しいが、それはよいことだと思う。とはいえ、TVで大人気！CM１２本！！みたいな売れ方はないと思うので、お笑いわかっている人は絶対に抑えている、みたいな存在になってほしい。そうなるべき存在である。

「え、自分、お笑い好きなん？じゃああの人知ってる？あー、やっぱり知ってるんや、実はな、あの芸人さんは、ワイらが育てたんや（ニッコリ）」

と場末の居酒屋で清く正しい老害をかましてみたい。

そういえば、「推し」という言葉を「めっちゃ応援してる」くらいの意味で使っているのだが、人によっては「恋愛対象として意識している」という意味で使っている人もいるようだ。

前も書いたが、私に推しの芸人さんを教えてくれたのは友人である。彼女はその芸人さんのリアコだったと思う。ライブに行くためにおしゃれをして、きらきらした表情でライブの開演を待つ彼女はとってもかわいらしく、素敵だった。

私よりもずいぶん若いその友人は、病気で遠くに行ってしまった。彼女の病気は知っていたが、彼女は気遣いで最後まで元気な姿しか見せなかったので、あえなくなることがあるなんて、想像もしていなかった。早く休んでよくなってほしいと思って、最後のやりとりでメッセージを切り上げてしまったことを今も後悔している。冷たいと思われてしまっただろうか。優しい彼女のことを傷つけてしまったのではないかと、ずっと考えている。芸人さんの配信を聴きながら、ふとその友人を思い出す。友人も、その芸人さんがネタを作って活動を続けるのを望んでいるはずなのだ。きっとそうだ。

再度申し上げるが、この話には架空の物語が含まれている。