テクニカルのよくある使い方をした時の成績を晒すーMA(移動平均線)編
先日こんな投稿をしまして、
久しぶりに、色んなテクニカルの一般的な使い方でトレードしたらどの程度の成績になるのかを再確認しようと思いました。もしかしてボロ勝ちするのも見つかったりして笑
第一弾は言わずとしれた移動平均線(以下MA)を扱いましょう。これを最初に持ってくるのに異論を挟む人はいないはず、多分。なにせ一番有名なテクニカルですからね。
「いや、一番はローソク足だ!」というツッコミはスルー。足の検証もいつかやりたいですね。トンカチでほんとに下落するのか、とか。
1.期間
2006年1月1日~2020年5月31日をバックテストした結果です。スプレッドは変動スプレッド、スワップも考慮してあります。
2.トレードルール
最も有名なゴールデンクロス(以下GC)で買い、デッドクロス(以下DC)で売り戻し&売り、つまりドテンとしました。
GCとは短期MAが長期MAを下から上に上抜くこと
DCとは短期MAが長期MAを上から下に下抜くこと
を指します。
GCとDCで延々とドテンを繰り返すってことですね。
反発や抜けが気になる人は自分で頑張ってみてくれ笑
気が向いたら僕もやるかも。
3.パラメータ
今回確認したパラーメータは,、25、50、75、100、150、200。
組み合わせ数は6C2=15通りです。丁寧に書くと、
(短期,長期)=(25,50)、(25,75)、(25,100)、(25,150)、(25,200)、
(50,75)、(50,100)、(50,150)、(50,200)、
(75,100)、(75,150)、(75,200)、
(100,150)、(100,200)、
(150,200)
となります。
今回、確かめたのは単純移動平均線です。ご存知の通り、移動平均線にはたくさんの種類がありまして、無名どころも入れると10種類くらいありますが、やはり一番メジャーなもので確かめるのが有意義かなと考えて単純移動平均線にしています。
4.通貨ペア
ユロドル(EURUSD)で確認しています。世界で一番取引されている通貨ペアなので、一番信頼性があるし、知りたい人が多いかなと思いまして。あと、色んな通貨ペアでやるのがめんどくさいってのもありまして笑。
5.その他設定
口座残高:10,000USD
ロット:0.01
では、どんどん晒していきましょう!
短期MA=25、長期MA50のMAクロストレードの結果です。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
いやまぁ、なんといいますか。分かってましたよ。プラスにならないのくらい分かってましたけど、5分足のボロ負けぐあいよ。こっそり期待してたんだけどなぁ涙
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
5分足はそっとしておきましょう笑
4時間足はかなり健闘してたものの2013年辺りからダメですね。
日足はなんとトータルでプラス。サンプル数少なすぎだけど、とにかくプラスです。「全パターンやってもプラスでないんじゃ」って思ってたけど、わりと早めにプラスがでてくれて一安心。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
ここでもサンプル数が少ないものの日足はなんとかプラスに。4時間足も途中まで健闘したけど、後半急ブレーキですな。30分足、5分足も一瞬勝つ時期はあるものの使い物にはなりません。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
これまた、日足はプラス。他の足はマイナスだけど、勝つ時期が明確に現れるようになりましたね。30分足だけ、直近のコロナ相場では機能してるかにみえます。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
日足の資産曲線がイマイチになった代わりに、4時間足が初めてプラスになりました。30分や5分も前半健闘してますが、後半はボロボロですね。
ここから短期=50になります。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
5分足は再び一直線の右肩下がりになりましたね。やはり、パラメータが近いと意味がないようです(当たり前)。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
日足はまぁまぁな形。くどいけどサンプル数が激少なので、あくまでご参考。他の足はボロボロだけど25,50に比べれば、ごく短い期間だけど、勝つ時期がありますね。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
日足のトレード数がさらに減って、ますます参考にならなくなってきたけど続けます笑
30分足は面白いですね。リーマン時の機能してる具合がエグいです。この時期に「トレードなんてMAだけでヨユー」って勘違いすると、じきに致命傷を負うので要注意です。
ここから短期=75になります。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
日足がキレイ。これでトレード数が1000とかあれば「おお!」ってなるんだけど。4時間足と30分足も意外と健闘。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
日足はいい形ですなー。14年間で17回しかトレードしてないのを除けば笑
4時間足はほぼプラマイゼロ。30分足は前半健闘ですね。バックテストは2006年開始なのでちょうどリーマンの時期ですね。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
ん?150より悪化してるような。長期=短期×2の方がいいかもね。
ここから短期=100になります。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
30分足がかなり善戦してる気がするのは僕だけ?改善したら上手くいきそうな可能性を少し感じます。
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
あら?30分足の良さが消えちゃいましたね。長期=短期×2がいいかもって書いたばかりなのに・・・
日足も4時間足もトータルマイナスに。これはダメだわ汗
日足
4時間足
30分足
5分足
感想
こちらも全足マイナスですね。いいとこなしです。
これまではパラメータを統一して日足、4時間足、30分足、5分足のバックテスト結果を並べました。ここでは時間軸を統一してパラメータを変化させたものを載せます。
画像が細かいので、パソコンに保存して見てみるのがオススメ。
日足一覧
4時間足一覧
30分足一覧
5分足一覧
一覧性が上がって、だいぶ分かりやすくなりました。最初からこうすればよかったです。次に他のテクニカルを検証するときには、これだけUPします。
図は
・縦に見ていくと短期が固定されて、長期が変化していく
・右に見ていくと長期が固定されて、短期が変化していく
様子がわかります。
読者の方も、どのようなことが分かるのか考えてみてください。
さて、5分足から見ていきましょうか。
5分足はボロッボロです。短い時間軸に優位性がないのがよく分かります。15パターン全てがマイナスです。いいとこありません笑
頑張ってなんらかの傾向を読み取ろうとすると、
パラメータも特に短期と長期のパラメータが近い(25,50とか)方が負けまくってて、パラメータが離れるほど(25,200とか)一時的に勝つ時期が現れる傾向があるようです。
お次は30分足です。
こちらも全15パターンがマイナスになってます。5分足よりはだいぶましですね。25,150、25,200、50,150、75,100、100,150はましかも
次に4時間足。
15パターン中4つがなんとかプラスで終えました。もちろん使い物にはなりませんが、GC、DCだけの超シンプルトレードでも4時間足ならなんとかプラスにすることができるということですね。
やはり、足は長いほうが優位性があると言ってよいのではないでしょうか?
ちなみに、4時間足でも短期と長期のパラメータの差が大きいほうが(つまり、25,50より25,200の方が)成績は良い傾向があるようです。
最後は日足です。
15パターン中11がプラスです。トレード数が少ないのは何度も指摘したとおりですが、足は長期になるほどシンプルなルールでもプラスになることが分かるかと思います。
面白いのは、これまで長期=200は成績が向上する傾向にあったのに、日足では逆に悪化する傾向があることです。日足の200は年々値動きが細かくなっている状況に付いてこれてないのでしょうか。今回は200までしか検証しなかったので、興味がある方は250や300もやってみてください。
結論
どんなパラメータでも時間軸が短くなればなるほど成績は悪化する。理由は時間軸が短い足のほうが
・ランダム性が高くなるから
・スプレッドの影響が大きくなるから
・経済指標発表時の影響もモロに受けるから
・今回のトレードルールがトレンドフォローなので、トレンドの出にくい
短い足に不利だから
などが挙げられると思います。他にも思いついた人はコメント下さい。
ここからは、少し趣向を変えて、GCでロング、DCでショートのトレードルールは変えず、ボロボロの5分足をどうにか救うことはできないのか、を考えていきます。
ざっと思いつくのは、
1.パラメータをもう少し細かく変える
オーバーフィッティングやんけと言われるのは覚悟の上で、5刻みでパラ
メータを変えて、成績がどうなるのかを確認します。
2.MAの種類を変える
一般的にMAにはSMA、EMA、SMMA、LWMAがあります。この4つはだ
いたいどのチャートソフトでも標準で描画できるはず。SMAでダメなら他
を試してみようということですね。ダメダメだったとしても、SMAよりは
マシなのか、EMAやLWMAの方がよりダメなのか知れるのは意義があるか
も。
ちなみにEMAとSMMAは同じもの(計算方法がほんの少し違うだけ)なの
でEMA50とSMMA25はほぼ一致します。よってEMAとLWMAだけ検証す
れば良いことになります。
3.傾きを考える
これまではGC、DCしか考慮していませんでした。そこで、長期MAが右肩
上がりときにGCしたときだけロング、長期MAが右肩下がりのときにDCし
たときだけショートというルールに変更して、成績がどうなるのかを確認
します。
4.もう1本MAを追加する
フィルタとして長期MA(250とか)を追加し、レートがその上にあるとき
にはGCロングのみし、DCショートはしない。逆にレートがその下にある
ときはDCショートのみし、GCはしない、というものですね。
とりあえず、1から取り掛かろうかなと思った日曜日の夜。笑
・短期MAのパラメータを10~190まで10刻みで19パターン
・長期MAのパラメータを20~200まで10刻みで19パターン
・計361パターン(19✕19)バックテストを行いました。
利益の多い順に並べたTOP10がこちら。
「え?全部マイナス?」
はい、そうです。どの組み合わせを試しても、すべてマイナスになります(正確には、短期MA=長期MAとなる組み合わせはトレード回数0なので損益も0)。つまりMAのクロスなんかじゃ勝てないと、やる前からわかってた結論に・・・
このまま終わると炎上しそうなので笑、30分足でも361パターンやりました。TOP10はこちら。
TOPの短期=130、長期=170の資産曲線はこちら。
おわかりいただけるだろうか笑。30分足でもここまで持ってける。もちろん実運用はできないけど、MAのクロスだけでこの成績。これくらいの資産曲線なら「もう少しブラッシュアップしてみようかな」と思えるレベルです。
5分足ではプラスになる組み合わせは0だったのに、30分足では25パターンがプラスになりました。やはり、長めの足のほうがテクニカルが効きやすいという証拠じゃないでしょうか。
ただ、これ以上、長い時間軸だとトレード数が減ってしまって信頼性が落ちるんですよね。ま、4時間足も一応やったので載せます。TOP10はこちら。
短期>長期になっちゃってるパターンが増えてきました。TOPの短期=110、長期=50の資産曲線はこちら。
あれ?30分足より成績悪くない汗? そもそも短期>長期の時点で何かがおかしいんですが、前半130回までの負けっぷりが酷く、後半の勝ちっぷりが素晴らしい!ざっくり2013年までは負けまくりで、2014年からは勝ちまくりです。なので、今年も勝ちまくるかもしれませんぜ。へっへっへ笑
感想
ということで、パラメータのオーバーフィッティングでは30分足が検討するという結果に!これに時間フィルタを加えるだけで、多少は稼ぐプログラムになりそうな気がします。
これまでずっとMAにはSMA(単純移動平均線)を使ってきました。ここでは、MAにEMAとLWMAを使って成績がどう変化するかを確認しましょう。
EMAで361パターンやってみた
MAをEMAに変えて、SMAのときにやったのと同じバックテストを行いました。
・短期MAのパラメータを10~190まで10刻みで19パターン
・長期MAのパラメータを20~200まで10刻みで19パターン
・計361パターン(19✕19)バックテストを行いました。
結果はこのの通り。
●5分足
SMAよりマイナス幅は改善してますが、プラスになる組み合わせは1つもありませんでした。
●30分足
30分足はなんとかプラスになる組み合わせがでてきますが、SMAより悪化してますね。
なお、4時間足はトレード数が少なくなるため確認してません。
LWMAで361パターンやってみた
●5分足
SMAよりは改善してるけど、EMAよりは悪いという結果に。もちろん、全部マイナスです。
●30分足
361中15パターンがプラスになりましたが、SMA、EMAよりも少ない利益になっています。
感想
パラメータを変えても、MAの種類を変えても5分足ではどうにもならないという結果になりました。30分もかなりキツイですね。
今回のルールのようにクロスだけでトレードしている人はいないと思いますが、クロスがダメなら、パーフェクトオーダーとかも意味ないんじゃない?という疑いがでてきますね。
それは以降で確認していきましょう。
工事中
工事中
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