「グレートリセットの間違い」 ※通貨リセットではありません!
先日、メルマガにて
「FOMC後からは買い」とはっきりお伝えしていました。
そのことに関するフォローと、補足しておきたいことがあり、このメールをお届けさせて頂きます。
今の相場と今後の予測、そして、トレードに関する私の考えなども、この機会にまとめてお伝えします。
今回のトピックは3つです。
<1> これからの相場と私の投資戦略
今年に入ってからの相場については、年始にお伝えした通りです。
私のメッセージは一貫していて、同じことしか言っていません。
大きな流れは何も変わっておらず、伝えたい内容に変更はありません。
これからを生き抜く上で重要な「すべて」がここに詰まっていますので、必ず熟読、精読して頂くようにお願いします→
そして、こちら↑に記載しているように、今年はずっと「下落相場」の想定で、下目線とお伝えしていました。
しかしながら、2回だけ買い場をアナウンスしたことがあり、それが3月と、この6月でした。
実は、この3月と6月というタイミングは、今年の最初の時点で考えていました。
今年の相場は、(年始のご祝儀相場が終われば)基本的に下落基調でありながら
MSQ・FOMC後に上昇 →また下落 →MSQ・FOMC後に上昇 →また下落
というのが想定していた流れでした。
なので、6月のメジャーSQ・FOMCが過ぎれば夏の間はサマーラリーになると考えて、「買い」とお伝えしたのです。
ただ・・・ ここで、訂正しておかなければいけないことがあります。
(※それが今回のメールの主旨です)
皆さんもご承知の通り、先日のFOMCで発表された利上げ幅は0.75%でした。
私の想定シナリオでは、
ベアマーケット(暴落相場)に入るのはまだ早く、その前に一旦の上昇相場があると思っていたので、これは正直、予想外でした。
もし0.5%の利上げだったのであれば、間違いなく“中期的に上昇”と言えるのですが、
早くも0.75%になったことを考えると、暴落相場→リセッション(景気後退)入りが早まっているのかもしれません。
ですので、今の私の判断としては、
確かに一時的な買い場としては正しいのですが、中期的な買い場とまでは言えず、あくまで“短期的な上昇”。
中期的には、まだ「ニュートラル(中立)」という見解です。
念のため、この1週間、機関投資家の手口を見ていましたが、
(先物売りはあっても)すぐに暴落を仕掛けてくる様子はなく、しばらくは方向感がない状態。
下げては上げ、上げては下げる、レンジ相場が続く雰囲気でした。
そして、ある程度下がって下値が固まったので、「次は上げるだろう」と考えていたところ、実際にそうなって今に至ります。
もし機関が売り仕掛けてくるとすれば、もう少し上げてからだと思いますので、日経平均27000-27500円あたりでしょうか。
(※米国次第で変わるかもしれませんが)
いずれにしても「短期的に買い」ということで、現時点では積極的に買っていますが、週明けに上がれば撤退するかもしれません。
今月は良くても来月からが怪しいので、少しずつ警戒していくつもりです。
そして、そんな複雑な株のトレードよりも今はFXの方がチャンスが多く、FXのトレード(デイ・スイング)に集中して取り組んでいました。
・・・というわけで、
FOMC発表前の時点で「株は買い」とは言いましたが、あくまで短期ということに訂正させて下さい。
しばらくは中立の判断で、乱高下しながらもう少し上がれば、「強く売り」という判断をしたいと思います。
いずれ底値を割る展開になると考えていますが、VIXも上昇してからが本当の買い場です。
方向性が定まるまで、売ったり買ったりのトレード戦略になりそうです。
あと、それ以外には、ビットコインを2万ドル割れで買いました。
仮想通貨に関しては、下がるとすれば7月だと思っていましたので、今月中であれば買っても良いと判断しました。
(※何度もショートしていたので、久しぶりのロングです。
今のところ、上値も下値も限定的で大きな上昇は期待できないので、そろそろドテンショートするかもしれません)
この後にも解説しますが、長期的には仮想通貨は期待できません。
現在の仮想通貨は、“完全に株と連動している” リスク資産でしかないからです。
基本的には、7月以降に、金も仮想通貨もコモディティも何もかも下がるような展開になると考えています。
(※当初の想定では、それがサマーラリー後でした)
それまでキャッシュポジションで待つようにして、もし仮想通貨を買うとすれば、その後でしょう。
(ただ、それなら普通に株を買った方がいいと思いますが…
株との相関が外れ、仮想通貨がアウトパフォームするような場面が来れば、その時に検討すれば良いと思います)
<2> グレートリセットでよくある間違い
上記のようなことを考えながら・・・
最近の投資界隈の論調を見ていて、ふと気づいたことがあります。
それは、「グレートリセットの間違い」についてです。
というのも、私はずっと疑問だったのです。
グレートリセットと言いながら、
なぜ、その対策として「金や仮想通貨を買うべき」と言っている人がいるのだろうと・・・
そして、ようやく気づいたのは、
どうやら、その人たちは「貨幣価値のリセット(=お金の価値がなくなること)」をグレートリセットだと考えているということです。
“グレートリセット”の解釈自体が異なるのであれば、その対策が違ってくるのも当然です。
ですので、私が考えるグレートリセットについて、改めて説明しておきたいと思います。
私は、グレートリセットというのは、
「資本主義のリセット」だと定義しています。
資本主義とは、“資本”を基軸にした社会構造です。
資本(財産)というのは、もちろん貨幣も含んではいますが、
貨幣価値だけをリセットしたとしても、資本主義をリセットすることにはなりません。
貨幣価値が下がるのであれば、相対的にモノの価値は上がるはずだからです。
もし、グレートリセットが単なる貨幣価値のリセットなのであれば、確かに、「モノに換えておけばいい」ということになります。
もちろん、その側面があることは否定しませんし、それも一部あるでしょう。
しかし、それだけが本質ではないのです。
グレートリセットの本質は、「資本主義のリセット(=崩壊)」です。
だとすれば、それは貨幣価値に限らず、
“モノの価値も含めて”リセットしていくことになります。
(※それこそが目的であって、貨幣リセットはその1つ)
なぜなら、最終的なゴールとして目指しているのは、
「何も持たない(所有しない)」という状態だからです。
だからこそ私は、“こうすれば良い”という正解なんてないと言っています。
国や法律もその方向に向かうのであれば、もはや何もできることはない。
それでも、もし少しでも抗うとすれば・・・
それは、その時々に適応した行動を取ること。
つまり、
「うまくトレードすることによって、(資産価値の目減り以上に)資産額を増やす」
というのが、唯一の手段だと考えています。
そのためには、学者や専門家が言うような “一般的な正解”を疑いながら、
その時その時の “本当の正解”を導き出さなければいけません。
普通に誰もが思いつきそうなこと、よく言われているようなことは、うまくいくはずがないのです。
(※例えば、金価格は人為的に操作が可能だったりします)
ところで、
「お金の価値もモノの価値も、両方下げるのは可能なのか?」
という点について、疑問に思われるかもしれません。
普通に考えれば、お金の価値が下がるのであれば、相対的にモノの価値は上がるのでは?
と考えるのが、自然な帰結だからです。
しかしながら、その両方を下げることは可能です。
本来ならシーソーの関係になっているはずの需要と供給の両方をなくすには・・・
と考えて気づいたのですが、
それはシンプルに、
「経済規模を縮小すればいい」のです。
このことに関しては、こちらでも書きましたが、
(今はまだ理解されなくても)
「大量生産・大量消費の時代が終われば、誰もが気づくようになる」
と言いました。
現時点では、今までと変わりない日々の生活・経済が続いているので、なかなか理解されないと思うのです。
しかし、これから起こるであろう様々な出来事が続くことで、
着実に、そのような方向に向かうのではないでしょうか。
なぜなら、実感がなかったとしても、
その予兆レベルであれば、もう始まっているからです。
これから企業の倒産や失業が増え、本格的にリセッション(景気後退)入りすれば、
“私たちがこれまで経験したことのない世の中”を実感するようになるでしょう。
・・・このような話を、相場の観点から説明するとすれば、
「金利上昇(=金融引き締め)」を理解すればイメージできるかもしれません。
私は、10年以上前からこうして初心者の方々に投資情報を提供する中で、何よりも大事な話として一番最初に伝えていたのが「バブル」の解説であり、
“金利こそが最重要ファクター” だと言ってきました。
景気を生み出すのも、終わらせるのも金利。
金融・経済において「金利が王様」であり、そもそも金利を無視して、投資(資産運用)なんてできないのです。
それだけ重要なことだからこそ、
“今年からは金利上昇局面”だと何度も何度もお伝えし、
「これまでとは何もかも逆の相場になる」
と言ってきたのです。
もっとはっきり言えば、
「長年続いた金融バブルが終わるので、リスク資産を持つべきではない」
ということなのです。
本来であれば、コロナショックでそうなることが確定したので
「2020年以降の生存戦略」としてそのことをお伝えしたのですが、
コロナショックの後にさらなる追加金融緩和をすることで
逆に “コロナバブル” を最大限に押し進めることになりました。
“コロナバブル”というのは、アメリカの株価(特にGAFAMT)が世界の株価を牽引したわけですが、
その実態が「自社株買い」だということは、多くの人が気づいています。
企業が低金利でお金を借り、そのお金で(設備投資等ではなく)自社株買いをして株価だけ押し上げる。
これがコロナバブルの正体だったわけですが、
だとすれば、今の株価自体が “フェイク” なのです。
これは私の感覚ですが、
株価上昇の7割は金融緩和で嵩上げしたもの。
企業の将来性・ストーリーといった本来の材料による上昇は、3割に過ぎないようなイメージです。
だから、何かが変わったわけでもないのに株価が上がったり、
逆に、好決算で業績が良いはずなのに株価が下がったりします。
このような流れが、今後は「逆回転する」ということです。
次々にインフレ政策を進めながら、そのインフレを抑えるために金利を引き上げる・・・
すると、株価は下がって不況になり、
見事に“経済規模が縮小”することになります。
そのようなリセッションを遅らせるために、
1つ方法があるとすれば「戦争経済」に突入することなのですが、
それは確かに、表向きは(防衛関連中心に)株価上昇しますが、その後の不況シナリオに変更はありません。
(※むしろインフレを加速するだけです)
話が長くなるのでここまでにしますが、
一時的な例外はあっても、「金利上昇局面」という大きな流れが変わることはありません。
そして、金利上昇(金融引き締め)ということは、貨幣価値を下げることにならないのはご理解頂けるはずです。
貨幣価値を下げるフェーズは昨年の段階で終わっており、
ここからは、資産(=資本)の価値を下げるフェーズ・・・
だから、私が定義しているグレートリセットにつながるのです。
(=そのためにインフレを仕掛けているということ)
当然、リスクの高い投機マネーは真っ先に引き上げられることになるので、その筆頭であったナスダックや仮想通貨は下がると考えた方が妥当です。
(投機的な市場も含め)何でも上がっていた単純な相場は終わり、
今後は上がるセクターが絞られてくるのだからトレード難易度が高くなるのも当然ですし、
どれだけ将来性や材料があったとしてもそれは二の次だということを理解して下さい。
私が心配しているのは、仮想通貨や成長株を長期ホールドして大儲けしたような人たちです。
そのような手法・成功体験には再現性がなく、同じことをすれば次は失敗につながりますので、参考にしないようにしましょう。
相場を動かすのはお金(マネー)。
そんなマネーの流通量を金利によって調整するのだから、
相場の世界において金利以上に大きなファクターは存在しないのです。
つまり、本来なら、金利上昇局面ではリスクのある投資を行うべきではありません・・・
<3> 具体的なトレードについて
以上のようなリセット相場に対して、どのように乗り越えればいいのか?
すべてこちらで解説しています→
間違った情報を見て、誤った金融の知識で正しくないトレードをすれば、資産を減らしていくだけです。
今年(※正確には昨年11月から)は、これまでの相場とは違うという話を何度も繰り返してきましたし、
大半の人はトレードすればするほど資産を減らしてしまうからこそ
「キャッシュポジションを基本に」と言ってきました。
相場の世界は、ランダムウォークであることが大原則ですが、
そんなランダムの世界で“少しでもランダム性がない部分で勝負するからこそ”期待値の高いトレードが可能になります。
この銘柄・通貨が上がるか下がるかを特定できなくても、
“確率論” の範囲であればはっきりわかることがあります。
要するに、確実なこととしては、
「これから長期にわたってリスクオフになる可能性が高い」
ということなのです。
・・・長くなってしまいましたので、そろそろまとめに入ります。
まずは直近の話になりますが、
中長期のトレードに関しては、米国市場が完全に崩れて底打ちを確認するまで手が出せません。
一度、大きな底打ちを確認できれば、そこからはしばらく上昇する確率が高いということで、強気で買っていけます。
私も、今のポジションは一度精算して、7月以降の相場に備えるつもりです。
大きな暴落の前には、一旦、上への仕掛けがあるはずで、それが今の上昇だと考えています。
もちろん、そのまま上に向かう可能性もあるのですが、
アメリカの状況を見る限りでは、遅かれ早かれリセッション入りは不可避だと感じます。
(注※ 日本市場の場合は選挙相場で上がる可能性があり、実際、今は海外より国内勢が買っていたりします)
なるべく先出しでお伝えしたいのですが、
私の見立ては、あくまでニュートラル。
0.5%の利上げで考えていた想定シナリオ(=サマーラリー)が、実際には0.75%だったことで、どう変化するのか?
私にも、まだ答えが出ていません。
大口のヘッジファンド等の動きを見ながら相場分析して判断するつもりですが、
もし明確な天井が見えればショートするかもしれませんし、予定通りサマーラリーに入るのであれば、夏が終わる頃に要警戒です。
・・・以上のように、投資経験の長い私にとっても複雑に感じるので、
“知識経験のない人には非常に難しい相場”であることは間違いありません。
わからない人、普段相場を見ない人は「100%キャッシュポジション」でも良いのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、今は過去にないほど難しい相場です。
上記で解説したように、理想は「トレードスキルを身につけること」なのですが、実際にどうするかは、個々人の選択と判断です。
(※向き不向きもあります)
最終的には、誰もが資産を失っていく流れになるでしょうし、
現代社会で生きる以上、完全に逃れることはできないでしょう。
せめて、少しでも資産を(額面上は増やして)守れるようにこのような情報をお伝えしていますが、
いずれは、誰もがお金や資産以外のものに目を向けていくことになると思います。
大変なのは、そこに至るまでのプロセスだということです。
特に、日本の場合はその構造上、いつの時代も「世界の犠牲」になるようなポジションにあります。
それはある意味、日本という国が世界の中心という側面もあるからです。
日本は、本当に特殊で特別な国・・・
ですが、誰もが理解できるにはまだまだ時間が必要なので、まずはこの変革期を生き残るだけです。
詳しいことは、こちらをよくお読み下さい。
「グレートリセットの乗り越え方」
についても、具体的に解説しています→
今回の臨時配信は以上となります。
少しでもご参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
★リアルタイムの投資戦略を、こちらで随時更新してお伝えすることにしました→
まだご覧になっていなければ、「自己紹介」をぜひ一度お読み下さい。(初心者が簡単に資産を増やせる方法もお知らせしています)