【景気指標】7/31 FxAceのトレード日誌
FxAce(Twitter: @Zoukers)です。
いつもご購読いただきありがとうございます。
今回は
景気指標の読み方
です。
◾️西村大臣は雇用関連指標を持ち出して「景気後退」の事実をうち消そうとしている
昨日、西村経済再生相は首をかしげたくなるツイートをしていました。
このツイートだけでは少し分かりにくいと思いますので補足を。
ツイートは日経新聞の報道を受けたものですので、日経の記事(以下のリンク)から一部抜粋します。(太字はFxAceによる)
"内閣府は30日、2012年12月から始まった景気回復局面が18年10月で途切れ、景気後退に入ったと認定した。拡大期間は71カ月にとどまり、08年2月まで73カ月間続いた「いざなみ景気」の戦後最長記録を更新できなかった。"
"内閣府の経済社会総合研究所が30日午後、経済学者や統計学者、エコノミストらで作る「景気動向指数研究会」(座長・吉川洋立正大学長)を開いた。委員の意見を踏まえ、内閣府が18年10月を景気のピークである「山」と暫定的に認定した。"
"過去の回復局面は、02年2月から08年2月まで73カ月続いた「いざなみ景気」が戦後最長だ。記録更新の節目になった可能性がある19年1月に、茂木敏充経済財政・再生相(当時)は「戦後最長となったとみられる」と表明していた。"
つまり
2012年から続いていた景気回復は2018年10月をもって終わり、景気後退の入っていたが認定した
という事です。
これを受けて西村大臣は
2018年10月以降も
・GDPは過去最高を更新
・雇用者数・雇用者所得が増加
とコメントしました。
アベノミクス相場は2018年10月が山で終了していた(と吉川率いる景気動向指数研究会が月例経済報告を否定する形で結論づけた)という事実が気に食わないのか、雇用関連の指標をもってきて景気は回復していた、と言いたいようです。(なお、緊縮の申し子、吉川洋も経済学者として全く評価していません)
恐らく、雇用統計が遅行指数ということさえ、理解していません。
大臣を辞任し、統計の読み方を勉強 するべきだとアドバイスしたいと思います。
◾️遅行指標と先行指標
まず遅行指標・先行指標・一致指標とは何かをごく簡単に説明します。
遅行指標:景気の動きを後追いするもの
先行指標:景気の動きに先駆けて敏感に動くもの
一致指標:景気の動きと同時に動くもの
雇用関連指標(雇用者数や雇用者所得もこれに含まれる)は遅行指標です。
つまり
雇用者数や雇用者所得の数字が良いから景気が回復していた事にはならない
と言う事です。
例えば、バブル崩壊(土地バブル崩壊1990年・住宅バブル崩壊1991年)から失業率の悪化(悪化し始めたのは1993年、本格的な悪化は消費増税後の1998年)まで数年を要しました。
◾️雇用関連指標以外の重要指標は2017~2018年にピーク/以降は景気減速
先行指標は
2017年~2018年に景気はピーク、以降は景気後退
であった事をはっきり示しています。
-先行指数は2017年後半が山
-景気ウォッチャー2017年後半が山
-輸入(YoY=前年同期比)は
2017年~2018年前半が山
-GDP(YoY)は2017年後半が山
-鉱工業生産(YoY)は2017年後半が山
-製造業PMIは2018年1月が山
-名目賃金(YOY)は2018年前半が山
-企業収益は2018年4-6月期が山
◾️遅行指標も悪化/政権と国会は速やかに行動を
遅行指数の一つである有効求人倍率も
景気が天井を打った後の 2018 年後半から2019年前半に天井
を打っています。
-有効求人倍率
◾️結論:アベノミクス景気の山頂は2017年Q4~2018年Q1
多くの指標から
アベノミクス景気の山頂は
2017年Q4~2018年Q1
と結論づけられると思います。
その後はトランプ政権による関税、米中貿易戦争の為、景気減速。景気減速が加速している中で実施された消費税増税で景気後退入り(2019年10月)と見ています。
◾️政権と国会は速やかに行動を
景気回復・経済成長・デフレ脱却を掲げで誕生した安倍政権ですが、デフレ脱却前に2回計5%の消費税増税を実施してしまいました。
アベノミクスは素晴らしい政策だし、私に言わせればアベノミクスが失敗したのではない。
機動的な財政政策 (第二の矢)を掲げながら、180度真逆の緊縮策を実施してきた安倍政権、アベノミクスを自ら放棄した安倍総理の責任は重いと考えます。
安倍首相 消費減税の検討開始 10 月解散の大義名分に (Link)
消費減税の話もあるようですが、早急に経済対策を打たないと日本経済は沈没することになります。安倍政権/国会は速やかに行動してほしいと思います。
最後に安倍総理には初心に戻っていただきたいと強く思います。
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