日銀植田総裁(仮)政策方針について

日銀今後の展望

2月10日 16時過ぎ
次期総裁として、植田和男が任命された。

植田和男 71歳
東大、マサチューセッツ工科大学出身

1998-2005年まで日銀政策委員会審議委員を務める。
バブル崩壊後のゼロ金利や金融緩和に賛成、つまりリフレ派

竹中平蔵や高橋洋一との関係もある。

就任後に政策金利の見直しがある。
ポイントは、政策金利(短期金利)、YCCの見通し。

状況整理として、
インフレ、賃金、経済状況、財政
を把握しておく。

・インフレ


CPIは4%となり、コアコアCPIも2%を超える。
目標達成ではあるが、今年のCPI見通しは2%弱。
そして長期的な2%を目指す発言より、現在のインフレは許容か。

エネルギーの価格も低迷しており、
ドル円も130円付近のレンジであるため、
輸入物価によるコストプッシュも限定的となってきた。

とはいえ、直近ではガス電気代の高騰が目立ち、
国民の不満も高まり、さらにインフレを進める可能性もある。

安定的なインフレ率を保つには、
賃金の上昇と消費購買欲を高めるような環境が必要である。

・賃金


実質賃金はマイナスであるが、2022年度の大手ボーナスを10%増、
最低賃金の引き上げ、微増ながらも公務員の賃金増など
賃金の上昇は感じている人もいる。

しかしまだまだ賃上げは必要であり、
物価上昇による負担は大きい。

特にガス電気水道代は30~40%増であり、
国民や企業にとっては負担が大きい。

春闘での賃上げが見込まれないと
国民負担は増え、政府への不満も高まる。

とはいえ、円安による好影響を受けた企業も多く、
日本企業の内部留保を考えると、賃上げは可能。

しかし中小企業は前述の物価高騰の影響を受け、
厳しい状況には変わりない。

・経済状況


世界的にはインフレの出口が見え始め、
金利低下が早ければ今年中に織り込まれ始める。

とはいえ、今年は金利維持が続く見込みであり、
経済状況が好転する材料を模索している段階である。

コロナ後、国債発行を積極的に行い、
現在はその回収段階である。

段階的に株価は上を責めると思うが、
目先は3月FOMC後。

その次は金利維持相場でじりじりあがるか?
そして9月ごろに翌年の金利下げ開始が見込まれ上昇がベター

結論情勢的に好転する気配もないので、
自然と購買意欲が高まったり、株価が上がることは難しい。

コロナも終息に向かっていることから、
日本経済はインバウンドによる収益は増加するだろう。
しかし全体的な経済感は横ばいとみる。

・財政状況

日本は借金大国といわれ、
国債発行額はGDP比で先進国1位である。

しかし、国が親、子が国民とすると
親が借金していて、子どもにはお金を与えている状況。

国民の資産額、企業資産は合計で3000~4000兆円ある。
そんな中、国の借金1200兆円であり、
その半分は国債によるもの。

基本的に国債の償還はないようなもので、
自国で国債発行する国は基本的にデフォルトしない。

日本の国際海外保有率見ても数%以内であるので、
財政的は破綻確率的にも問題はないと考える。

しかし借金額を膨らまし続けるのも
財務省にとってはよくないため、
適度な回収は行ってくるだろう。

実際に過度なインフレを抑制するためには
金利上げや増税は有効である。

要点整理

日本はこれまでのデフレ脱却のためにマイナス金利政策を行い、
コロナ後の円安によって、物価先行型のインフレを誘導した。

そしてインフレは達成し、賃上げも行われ、
実質賃金がプラスになれば、政策は成功といえる。

しかし経済の行き先が不透明であることから、
このリフレの好循環が保てるかが重要になってくる。

こういう時は補助が必要であるが、
不安なのは中途半端な補助金しか配らず、
インフレ率が低迷し、賃金も上がらないこと。

そんな中、増税や金利を上げると日本経済は失速するだろう。
岸田政権は財務省寄りなので、利上げはしたいはず。

しかし植田総裁は積極的な利上げをするようには思えない。
日銀審議委員をやっていたときのふるまいを考えると
まずYCC撤廃⇒短期金利へのテコ入れとなるだろう。

よってYCCの撤廃は今年中にするだろう。

ドル円

ドル円は現在129.500~132.500レンジ

ラインの堅さからすると、
137.400は日本のYCC上限幅変更ライン

植田氏のYCC撤廃やドル金利の見通しから
このラインを大きく抜けることは難しい。

今年の安値は127円であり、
週足安値も126.300である。

テクニカル的にこのラインは堅いが
WTIの影響が出始めた2月以降を反映するCPI
つまり3月以降のCPI次第では割ってくる。

とはいえ、日本の円高要因はYCC撤廃、
米CPI落ち着くとはいえ、金利は下げないので、
金利差より下げも限定的と考える。

今年の始値が130円付近であることから、
10円安の120円ラインが堅いとみている。

【まとめ】

インフレ
賃金
経済状況
財政

これらの要素より、
植田氏の今後の方針を予測する。

植田氏政策金利方針 予測

円安は日本経済にとってプラスであるため、
金融緩和はなるべく継続の方向性。

しかしインフレ高騰や10年債流動性より
YCCの撤廃は年内に行うであろう。

そのタイミングは、
実質賃金がプラスになることや
世界経済が悪くないときに行う。

米CPIや金利も加味すると、ドル円は
120~140円内での動きを想定している。

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