アンビバレント

【#fuwa自論私論】今、思うこと。~#いつもありがとう欅坂46~

まず「#fuwa自論私論」について

突然始まった「#fuwa自論私論」は、今年から始めようと考えていた月1~2程度の連載です。
現在、別の記事を1本目の記事として執筆していましたが、その前に時局を鑑みて先に公開すべきと考え、こちらの記事を先に公開いたします。何卒ご了承ください。

2人の卒業、1人の脱退、1人の活動休止

2020年1月23日(木)、欅坂46公式サイトが更新され、織田奈那と鈴本美愉の卒業、平手友梨奈の脱退、佐藤詩織の活動休止が相次いで発表されました。

このうち、織田奈那、鈴本美愉、佐藤詩織の3人はそれぞれのブログを更新して説明しました。

また、平手友梨奈は同日に放送された「SCHOOL OF LOCK!」(TOKYO FM)に出演。「グループを離れる」ことを報告しましたが、その経緯については触れませんでした。

上記radiko.jpのリンクは2020年1月30日(木)29時00分(2020年1月31日(金)05時00分)まで有効です。また、TOKYO FMの番組として聴取する場合、関東1都6県内からは無料で聴取できますが、それ以外の地域から聴取する場合にはradiko.jpプレミアム会員である必要があります。

さて、今回、4人の進退が一括して発表されたことに関して、ファンを始め社会全体に大きな波紋を広げています。
今回はこのことについて、速報的ではありますが記事を書いていきます。

最初が大きな分岐点だった…?

私が考えている 欅坂46の大きな分岐点は、デビューシングル「サイレントマジョリティー」と2ndシングル「世界には愛しかない」の活動期間。デビューからの最初期1年間です。
「サイレントマジョリティー」でこれまでのアイドルの概念を打ち破るイメージが広まり、それは「サイレントマジョリティー」に対してのイメージではなく、これから新たに活動していく「欅坂46」のイメージとして定着していきました。これが、今の「欅坂46」に対するイメージとして色濃く残り、そして、段々と重荷になっていったのかもしれません。

こんなはずじゃなかった…のかもしれない。

デビューシングル「サイレントマジョリティー」によって世間に定着したイメージは、必ずしも運営側の意図する形で広まったものではないかもしれません。根拠は大きく2つ。

1つは、2ndシングル「世界には愛しかない」では、「サイレントマジョリティー」のようなイメージとは趣を異にした楽曲になったこと。
当時、メンバーやスタッフ間でも不安・葛藤などがあったようですが(※1)、「世界には愛しかない」では「サイレントマジョリティー」とは雰囲気を変えた楽曲として世に送られることになりました。

※1…「渡辺梨加×平手友梨奈×渡邉理佐 欅坂46の「顔」3人が語る互いの信頼関係」『日経エンタテインメント!』2016年10月号、橘川有子、日経BP社、2016年9月3日、62頁 及び 西廣智一「欅坂46「世界には愛しかない」MV制作ドキュメント」『BRODY』2016年10月号、白夜書房、2016年8月23日、90-96頁 による。

しかし、後年経って、必ずしも欅坂46の代表曲として知られていったわけではありませんでした。

もう1つは、これらのイメージは運営側のプロモーションの及ばない範囲で広まったということ。
「サイレントマジョリティー」のデビューに合わせて各音楽系媒体(テレビ等の音楽番組や雑誌媒体等)は総じて、「『サイレントマジョリティー』のイメージ=欅坂46のイメージ」という方程式が成り立っているかのごとく、欅坂46とサイレントマジョリティーを深く密接させて取り上げていました。
このメディアの取り上げ方は、時に良い方向に進み、時に悪い方向に進みます。

その後、デビューからちょうど1年が経った2017年4月に「不協和音」がリリース。この時、メディアは再び、メディア自身が植え付けた「欅坂46のイメージ=『サイレントマジョリティー』」に近い楽曲ともなった「不協和音」に飛びつくことになります。
これは確実に言えるものではありませんが、欅坂46運営やメンバーは、このメディアが植え付けたイメージに振り回されたという見方ができるのかもしれません。

新たに広げていくために

欅坂46ファンにとっては当たり前のことですが、欅坂46にも王道アイドル曲はあります。
「手を繋いで帰ろうか」「バスルームトラベル」「1行だけのエアメール」など、アイドルらしく、それでも欅坂46らしさを失わない楽曲が揃っています。
しかし、それらはあくまでカップリング曲の話。表題曲はだんだんと「サイレントマジョリティー」に近いイメージの楽曲が多くなっていきました。
「ガラスを割れ!」「アンビバレント」「黒い羊」… それ以降発売されたシングルの表題曲はどれも「サイレントマジョリティー」のイメージを概ね踏襲した作品と言えます。

表題曲はそのシングルの"顔"ともなる作品。いわゆる"外の番組"で披露される曲のほとんどが表題曲になります。
ここで「欅坂46のイメージに合った楽曲にしなければ盛り上がらない」という考えがどこかにあったような印象を個人的には受けます。
ファンであれば、カップリング曲にも自然と注目が行きます。しかし、新たにファンを獲得するためには、"外"で注目を集めることのできる作品を"顔"に持ってくる必要があります。

これはどうしても必要なことです。やはりファンは1人でも多いほうが良いですし、既にファンとなった人も多くの人に欅坂46の魅力が伝わることを望んでいるはずです。

しかし、現実として、欅坂46のイメージは「運営やメンバーなど グループが作り上げたもの」というより「メディアによって作られたもの」という印象が大きいのも実情です。
それぞれの楽曲に対して、運営やメンバーが命がけで向かっていることも分かっているつもりです。
しかし、その楽曲に取り組む前の段階、つまり楽曲が作られていく段階でそのイメージに合わせた楽曲になるようになっていたとしたら、やはり自分たちの作りたいものがだんだんと埋もれていったことも言えるかもしれません。

メンバーの描いたものと今のグループは近いか?

2015年、当時「鳥居坂46」として募集された現 欅坂46。
メンバーの中には、当時から今も続く乃木坂46の"清楚"なイメージや"正統派"なイメージを踏襲したアイドルグループを描いていた人も多いことでしょう。
しかし、欅坂46は、姉妹グループの乃木坂46とも大きく異なるグループとして出発し、今日に至ります。
メンバーが最初に思い描いていたアイドルと大きく違う環境になったことも、今 欅坂46が抱えている問題の一つかもしれません。

おわりに

そして、昨年発売とされていた新シングルを待たずして今日の発表がさ
れました。私としても、運営サイドには経緯や今後の動向などについて
できることなら説明責任を果たしてほしいものです。運営にはファンを
もっと丁寧に扱ってほしいという思いもあります。この発表については
私も納得できない点が多々あります。不明な点はいずれ明らかになると
は思いますが、先延ばしにするともっとこじれることも多々あります。
欅坂46の結成からまもなく5年。グループの中心人物だった平手友梨奈
については「脱退」という形式をとったのも大きな疑問点です。これに
ついては本人の意向とされていますが、どうしても「卒業」とはできな
い理由があるのかと思います。昨年も坂道シリーズと「卒業」をめぐっ
ては記事を書きましたが、この一件が大きな節目になることは間違いな
いと思います。後戻りはできません。この一件が良い方向に向かってい
くことを願うしかありません。今はそれに尽きます。

本記事に関しまして

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