全12話のその2「40代未経験からの転職成功ストーリー」
さて、初日は入社手続きや会社案内で終始し、そして、翌日からは、転職希望の人材との面談経験がまったくないアラフォーおじさんは、本社で一泊二日の研修を受けることになりました。
研修初日は、企業概要や人材業界のしくみやルールの説明があり、その後、分厚いマニュアルを渡されて、1時間、熟読しました。
すぐに、人材との初回面談時の会社説明の方法、履歴書や職歴書を見ながら、面談でヒヤリングすべき内容、応募承諾の取り方、登録者との信頼関係の取り方(心理学のような内容でした)などを実地でのトレーニングが続き、1日目は終了しました。
研修2日目は、すぐに役員との面談の試験があり、合格すると面談免許が出て、仕事ができるとの事でした。
なかなか、厳しい面談試験で、苦労した記憶がありますが、何とか合格しました。
さて、業務開始!
いざ面談をするために、机で待機していたところ、面談する場合は、自分で人材をスカウトして呼び込んでくださいと言われて、ポカーンとしていました。(えー。誰かが呼び込んでくれて、待っているだけでいいと思っていました。厳しい・・・。)
目次
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では、どうやって人材を呼び込むの・・・・・???
結局、先輩社員に確認したところ、初回面談(初めて呼び込んで、来社して頂き、面談を実行します。その内容を会社のデーターベースに登録し、求人紹介する事)は、会社のホームページから登録、スカウトサイトからメールで呼び込む、既存の登録者からのリファーラルで実施できると教わりました。
その時に、自分が担当する求人を、ご登録者へ紹介し、応募承諾を取ります。
また並行して、既存の登録者にも電話して応募承諾を取ります。
既存の登録者への連絡はどうやるのでしょうか。
今では、簡単に電子メールや携帯電話へ連絡しますが、その当時の復旧率が
格段に低かったのです。
というよりも、電子メールも携帯も無かったと言っても過言ではない環境でした。
20年前は、携帯電話(ガラケイ)の保有率が、な・な・なんと1.4%だったのです。
さらに、日本で初めてのインターネットサービスプロバイダができたのも20年前なので、メール使っている方は、一部の法人やマニアしかいなかったのです。
スマホはまだ、アップルのジョブズの頭の中に存在していました。
そうなんです。今、皆様が便利に使っている携帯(ガラケイの)は、1台10万くらいしてました。
そう、今ではびっくりですが、固定電話にかけるしかなかったのです。
下のような電話です。0を発信するときは、すごく時間が、かかります。
時期 携帯・PHS加入数 普及率
1992年6月 171万2545 1.40%
1993年6月 213万1367 1.70%
1994年6月 433万1369 3.50%
会社の部屋の壁面に大きなキャビネットがあり、そこに業界別、あいおうえお順に、紙の履歴書と職歴書がファイリングされていましたので、そこから求人票に記載された職種に合致した方々に、電話をいれていました。
この固定電話に連絡する時に、テクニックが必要なのです。
固定電話ですから、会社名はいいますが、何をしている会社かを、本人しか言えないのです。
なぜかと言いますと、ご家族に内緒で転職活動されている登録者もいますので、本人以外が出たときは、会社名だけ言って折り返し頂くように言います。
しかし、これがスムーズにいけばいいのですが、しつこく聞いてくる方がおりますので、
「将来、万が一のために登録されているだけですとか・・・」など言って、おさめた経験があります。
また、勤務先には、個人名で電話したりもしていました。(もちろん事前に了解を取っています)
このころ、この仕事は、探偵業と似ているなあ・・・と思っていました。
なんせ、個人の詳細な情報をもっており、現職の方の転職は、基本、当たり前ですが現職の会社や家族には、転職先が決まるまで秘密にしなければならないのです。
「ちなみに、20年前は、日本おいて転職エージェントは認知度が低く、探偵業と同列で扱われた時代でした。親戚や知人に、仕事を聞かれたときにも、サービス業とだけ言った記憶があります。」
このように、朝9時から夜8時まで、一日、11時間くらい勤務していたと思いますが、残業の概念がない環境でしたので、かなり体調がわるかった記憶があります。
なんせ、パソコンに登録者No、名前、業界、職種が入力されていましたが、(エクセルに毛が生えた程度のデーターベース・・・。)ここまでで、後は壁面のキャビネットに入っている履歴書と職歴書を見るしかないのです。
結果的に、何千という書類に中身をどこまで記憶しているかが、勝負になる業務になるのです。(寝ても、その内容が夢に出てくる位、記憶しました・・・。)
その書類は、アナログ的に保管しているため、中身は更新されていないので、電話すると転職した、転職やめたなどは日常茶飯事でした。
そんな日々が過ぎて行き、早3ケ月。
成約(面談―>応募承諾―>面接―>内定―>条件提示―>入社決定)が、まったくなく、契約打ち切りの恐怖で、眠ることができなく不眠症に・・・・。
未経験で、人材コンサルタントをするのは、無謀だったことが、少しずつ気づき始めた頃でした。(今、思えば遅いと・・・ツッコミ入れたくなります)
さて・・・・・。私は、この迫りくる困難を乗り越えることができるのでしょうか。
妻と小学生の子供二人を養うことができるのでしょうか。
なぜか、妻はパートに行き始めました。察したのでしょうか・・・・。
次回へ続く。
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