【イベント後記】おかね入門

今回は6/23に行われたおかね入門のレポートです!

クリエイター、ミュージシャン、アーティスト向けに行われた今回のトークイベント。ものづくりに携わる多くの人ができればよけたい(笑)「おかね」の話。
大体夢がないよね!それに何でもかんでもおかねで価値づける資本主義自体に反対!なんて人もいるかもしれませんが、そんな人ほど聞いてほしかった今回の話。インディペンデントで活動をするのならなおさら切っても切れない関係です。
「おかね」の捉え方を考え、ちょっと心が軽くなる、そんな1日になりましたので簡単に振り返りたいと思います!

(これを読んで「参加したかったな!」と思われた方はぜひ9月8日(木)のメンタルヘルス講座「おかねとメンタルヘルス」にいらしてください!詳細は最後に!)


さまざまな内容がありましたが、今回のレポートでは以下の点に絞って書きたいと思います!

  • イベント概要

  • おかねは道具

  • セルフブランディングについて


○イベント概要


2022年4月から公立高校で「金融教育」が義務化されたのはご存知ですか?大人の皆さんでも、収支バランスやローンなどの言葉をよく理解していない方は多いはず。

今回お呼びしたのは元日本銀行勤務、現在、金融教育directorの橋本長明さん。金融教育の生みの親的存在です。

日銀時代から、クリエイターやアーティスト向けにおかねに関する勉強会を開いたり、文化服装学院で授業をしたりすることで、幅広い層におかねに関する知識を広められています。最近は本を出版され、さまざまな場所でトークイベントを行われています。


トークイベントは、参加者の皆さんのお仕事や活動を聞くところから始まりましたが、今回は写真家さんや音楽活動とデザイン業を兼業されている方などが多くいらしていました。
橋本さんとデイドリーム吉祥寺のスタッフフユコを中心に、座談会形式で行いました。


○おかねは優れた道具。

例えば一万円札、これは日本銀行の工場内では22円で作れる印刷された紙に過ぎません。そして世の中を流通し、日本銀行に戻ったとき、汚れているものはシュレッターにかけて処分されます。
つまりおかねとは日本銀行から発券され、日本という国の信用によって1枚22円の紙が一万円として流通しているというもの。元々は紙だよ、ということを橋本さんは繰り返し強調していました。



一方で、おかねは異なる価値を持ったものと物とを交換する際の基準になります。
おかねという制度がなければ、何かものを購入する際やサービスを受ける際も物物交換をしなくてはいけなくなります。これはいちいち面倒です(笑)

また、「大金持ちになりたい」と話す小学生にも、決まって「何のために大金持ちになりたいか」を考えるようにと伝えている、と橋本さん。

おかねを得て何をしたいのか?夢や目標を先に立ててそれを叶えるための手段でもある、とお話ししてくれました。

以上が「おかねは優れた道具である」これが「おかねの話」の前提であり、内訳です。

クリエイターやアーティストは「やりたいこと」がはっきりしているので、その人たちのためにおかねの知識を共有したい、というのが橋本さんの原動力だそうです。


○ブランディングについて

横浜銀行を初め、金融にまつわるブランディング業も行っている橋本さん。
まずブランドとは「他人の心の存在感」だと話します。
「他人からどう見られたいか」。これを裏返すと
「自分がどう思われたいか」。これが他人と一致していることがブランディングにおいてベスト。
どんなジャンルでも個人事業においては、その個人の「どう見られたいか」はとても大切です。

ある有名ファッションブランドのブランドマネージャーさんのぼやきを例に、ブランドでも音楽でも、商売はうまくいっているけどブランドもしくはミュージシャンが描いているイメージを共有できているか、という点はブランディングにおいて重要なポイントになると言います。

具体的なブランディングの手段としては、

  • いつも同じ服を着たりしてアイコン化する

  • ブランドカラーを決める

など

なかなか、「アーティスト」の方の場合は「どう見られたいか」は考えないとは思うけれど、クリエイターやミュージシャンはイメージがあった方がいいと思うし、ファンをたくさんつけたいのか、自分がやり続けたいことをやり続ける職人としてありたいのかでも目指すべきイメージは異なるので、自分がどちらなのかを考えることは大切、と橋本さん。

  • 認知(知ってもらう)

  • 好意(好きになってもらう)

  • ファン(ファンになってもらう)

  • 推奨(広めてもらう)

ブランディングはこのようなステップで成功していくので、知っておくといいかも。


また、突出したアーティスティックさやコミュニケーション能力の有無もブランディングにつながります。例えば写真はとても独創的なのに、作家本人にコミュニケーション能力がありすぎると、独創性を欠いて見える場合も。
そこは自分で長所や短所を見極めた方がいいかも、という話もありました。

また、マス(大勢)を狙うか、コア(少数派)を狙うかも大事な視点です。自分がどちらが好きか、どちらに価値を感じるかも考えてみようということです。コアを徹底してやることで、シーンができて広がり、マスになっていった例もあります。やりたいことを着実にやり続けるということが橋本さんが最も成功すると考えるパターンの一つだといいます。
ブランディングの一番大事なことは「ぶれないこと」。


この他にも、やりたいことを仕事にするために「ベンチャー企業がどのように経営を回しているか」という話を橋本さんのお知り合いのミュージシャンが売れるまでどう生活していたかに絡めて話していただいたり、
銀行のカードローンとは何か、その借金回収のやり口とは、ということなども楽しくお話ししていただきました!



○終わりに

トークイベントの締めに橋本さんの本の出版やDJ活動などのこれまでの活動の経緯と合わせて「やりたいことをやり続けていく」こと、そして半歩先へ進む勇気についてお話ししてくださり、とてもいい会となりました。
「ブランディング」とかって聞くと身構えちゃう人も多いと思うのですが、「自分はどんな活動がしたいのか」熟考するということとイコールなのですね。
そう考えると、いかに自分がやりたいことを続けていくかが、本当に重要なことで、「メンタルヘルス講座」でよく話題に上がる、「持続可能な活動をしていく」ということと重なる部分がたくさんありました。

時代的にも「やりたいことを、ずっと続ける」、そのための議論が求められているのだなと感じ、本当にとても素敵な時間でした!
橋本さんありがとうございました〜!


というわけで!次回はメンタルヘルス講座講座のfeat.です!

次回イベント

9/8(木) ミュージシャン・アーティストのための メンタルヘルス講座
「おかねとメンタルヘルス」
20:00~22:00
入場¥1000(予約不要)

ゲスト 橋本長明さん
手島将彦さん
おかねの不安は不安定なメンタルにとても深く関係しているという論文が昨今、話題になっています。今回は音楽活動を行いながらお金を稼ぐこと、Wワーク、持続可能なアーティスト活動、などをキーワードに、元日本銀行職員で現在金融教育directorの橋本さんと、音楽業界の仕組みに詳しい手島さん、そして企画のフユコ、参加者のみなさんとで座談会を行います。質問、お悩み、大歓迎です!




デイドリーム吉祥寺 
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-4-6F
京王井の頭 / JR線吉祥寺駅南口(公園口)を出てすぐのバス通りを右へ、天下寿司6階(エレベーター5階)
 0422-24-8281
http://www.studiopenta.net/daydream/index.html


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