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新しい価値観が生まれるとき、カオスが起こる 飛鳥寺からメッセージ


今、世界はコロナ禍という経験したことのない混乱に巻き込まれています。
それは、これから新しい地球規模の価値が創造されていくときでもあります。

今は混乱の苦しみにあるかもしれませんが、
それは産みの苦しみであって、
人間が人間らしく生きるための新たな時代を創造するための段階です。


こんにちは!
冬月智子です。

今日は過去1300年前を遡って仏教伝来のお話です。

インドのブッダが起因となった仏教の教えは中国、東南アジア諸国に伝播します。
最後に到達したのはそう、大和の国、日本なのです。

しかし1300年前の大和の国には、すでに古来の神道が根付いていました。
自然のありとあらゆるものに神様が宿る、という思想です。

『古事記』をひも解くとお分かりですが、
イザナギとイザナミの二神による国生み伝説のあと、
山の神、川の神、海の神、風の神・・・・・と延々と神様が誕生しています。(画像はウィキペディア「イザナミ」より国生み伝説)

イザナミイザナギ


・・・・これが、大和の国の原型を示しています。

そこに、百済の聖明王からビックプレゼントが!

それは、姿形のある、仏像だったのです。
これは、天皇をはじめ豪族を巻き込んで、物議をかもしました。

欽明天皇曰く、
「 西方の国々の『仏』は端厳でいまだ見たことのない相貌である。これを礼すべきかどうか」

既に、仏教はインドより東方の地域の国にとって、スタンダードな教え。
大和はこの教えをうけいれるべきかどうか、という問題が起こります。

このことで、豪族は賛成派と反対派にわかれました。
飛鳥は、この仏教論争で二つに分かれてしまったのですね。

武力による争いの末、最終的に勝利したのは、蘇我氏と聖徳太子。
特に聖徳太子は仏教を厚く擁護します。

太子による「十七条の憲法」には
「厚く三宝(仏・法・僧)を敬え」
とあります。

この仏教の受容は、聖徳太子そして、蘇我氏による、新しい秩序の創出だったのです。(下の写真はウィキペディア「飛鳥寺」より飛鳥寺本堂。)

飛鳥寺

今回私は、飛鳥の旅で、飛鳥寺を訪ねてきました。
飛鳥寺の見どころは何と言っても、最古の仏像、飛鳥大仏です。

飛鳥大仏は推古天皇が仏師、鞍作鳥(くらつくりのとり)に作らせた大仏で、飛鳥時代の面影を留めた威厳あるたたずまいに、私はしばらく見とれてしまいました。

きっと飛鳥人はこの仏像にいろんな願いを託したのでしょうね(^.^)(画像はウィキペディア「飛鳥寺」よりお借りしました)

飛鳥大仏


この飛鳥大仏、飛鳥寺から端を発して、大和に仏教が伝播したのですが、古来の教えから、新しい仏教の教えを受け入れるには、朝廷を大きく揺るがす論争がありました。

仏教がしっかりと定着したのは、時代が下った8世紀、奈良時代の聖武天皇の時代。
盧舎那仏(東大寺の大仏)が建立された時代です。(写真はウィキペディア「東大寺盧舎那仏」より)

東大寺盧舎那仏

聖武天皇の時代はしっかりと国のシステムに仏教が組み込まれ、根付きました。

平城京の時代、仏教という思想はスタンダードになったのです。
そのためには、天皇をはじめとする多くの人の努力があったことは言うまでもありません。

歴史をひも解けば、
過去、新しい思想の出現とそれによる混乱の繰り返しでした。

それは、人類の歴史の自然な流れであり、
二つの相反する価値観、

明と暗
正と負
光と闇
黒と白
の混ざりあったバランスの世界。

例えば、今世界が混乱にあるとすれば、
混乱がおさまるような力の作用が起こります。

シーソーゲームのように、バランスがとれる中庸の世界が訪れます。
今はその渦中で、
真っ暗なようでも光は存在するのです。

【追記】

飛鳥寺でおみくじを引いてきました。大吉!ということで、嬉しくなった私です。

飛鳥寺おみくじ


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