ChatGPTは創作お手伝いさんになれるか 2
「愉快なタイトル考えてください」とか「不思議な設定出してください」もおもしろいんですが、別にChatGPTに考えてほしいわけじゃないです自分で作りたいんだよ!て人が創作畑には大半だと思います。
そういう創作さんがChatGPTをどう使えるか、というのが、そもそも私の気になっていた点でした。
しばらくガサガサとさわってみて、これいいんじゃないか?っていうプロンプトをまとめてあります。
のっけでいきなりまとめちゃうと、ChatGPTには「編集者として」「質問をさせる」のが一番創作のお供として役に立つと思う。
では具体的に。
ChatGPTに何ができるか(創作ヘルパーとして)
・アイデア出しの相手「編集者」
アイデアをChatGPTに出してもらうのではなく、こちらが出すアイデアをまとめる手伝いをしてもらおう。ChatGPTに「編集者」のガワをかぶせてしまうと、結構うまくいきます。
プロンプト例としてはこんな感じ↓
小説のために、剣と魔法のある世界を設定しようと思います。あなたは編集者として私のアイデアに質問し、アイデアを深める手伝いをしてください。
こうお願いすると、「どんな世界ですか?」「魔法にはどんな種類がありますか?」などどんどん質問してくれて、答えるだけで世界の細かい設定ができていきます。
世界だけでなく、キャラクター作り込みなどにも有用なアプローチです。
質問の種類を変えたいと思ったら「〜について質問してください」のように注文すればよし。
なんせ人間じゃなくてAIなので、どんな注文を出しても機嫌を損ねる心配がいりません。放置しても大丈夫だし。それだけでも最高か、ってなる。
設定がかなりの量ある場合、
#小説の設定です。以下を記憶してください。
#(本文)
と一回記憶させてからメインのやりとりに入っていくこともできます。
面倒なことは分割しましょう。
ChatGPTはわりと前の話は覚えておいてくれます。あんまり長話になるとちょっと怪しくなってきますが(人間みありすぎる)、普通にプロット作るくらいなら困らない感じ。ChatGPT4だともっとメモリーが多いらしいけどまだそこまで活用してない。
そしてスペックが思い出せなかったので「メモリーいくつでしたっけ」て聞いたら「私はすごく記憶力がいいんですよ」とChatGPTにドヤられた。
・ソクラテス式問答法の相手
ソクラテス式問答法というのは、質問と回答を繰り返すことで理解を深める対話方式。
これを指定することでも、ChatGPTに細かく質問をしてもらうことができます。
プロンプト例↓
このプロットへの理解を深めるため、ソクラテス式問答を行います。プロットについて私に質問してください。
こう指定すると、プロットやキャラクターについてChatGPTが重箱のすみをつつくような質問をしてくるので、答えるだけで設定ができていったり考察が進みます。
流れによってはChatGPTが「では何か聞きたいことはありますか?」とか言い出すこともあるんですが、「あなたから質問してください」と返せばよし。
やめたい時は「ソクラテス式問答法を終わります」とか書けば抜けられます。
・プロットを組み立てる時のまとめ役
アイデアを入れたり捨てたりその度にメモを書いたり順番を入れ替えたり、というプロットのいろんなアイデア出しと整理を、ChatGPTが一緒にやってくれます。
単純に「プロット作るから手伝って」のプロンプトでも付き合ってくれますが、油断するとどんどんChatGPTがアイデアを出してくる。びっくりするほど出してくる。作るのはお前じゃないんだよ。
これを避けてただの「よくできたAIメモ帳」として使いたい場合は
小説のプロットを作ります。
あなたは編集者として、アイデアの整理と質問をしてください。
などと条件をつけておきます。この「編集者として」を入れ忘れると、たいていガンガンアイデア出しをしてきます。するなって言っても三歩で忘れる。(この辺もっとうまいプロンプトがないか模索中)
#質問は一度に三つまで とか条件を足してもいいかもしれないですね。「まずは出会いのシーンを作ります」とか、やりたいことを明示するのも効果があります。いろんな設定やシーンを思うがままに話してから「ここまでのプロットをまとめて」とか「三幕構成にして」など言うとうまいことまとめてくれる。
・編集者同士の批評会
プロットがまとまってきたところで使えるプロンプト
#あなたは「有能な編集者A」「批判的な編集者B」として会議でこのプロットを分析してください。
#AとBの会話文として出力。AとBはボルドー表記。
構造的に弱いところを指摘してください、とか、改善点を見つけてください、とか何か注文を足してもいいです。これで編集者二人がかり(偽)でプロットを分析してくれます。
全体にChatGPTはあまり厳しいことを言わないように調整されてるようなんですが(対人スキル高めに設定されてる)、私がやってみた限り、一般的だけどごもっともな指摘をしてくれるようです。
プロットを作ったり新しいことをする際、最初はChatGPTに聞いちゃうというのも手です。
「小説のプロットを作ろうと思います。どんな要素が必要ですか?」
って聞くと実に見事な「プロットを作るときに必要な要素リスト」を出してくれます。もうこれだけで小説指南本一冊分の価値があるんじゃないか。
三幕構成、キャラクターに必要な葛藤、キャラクターアークなどなど、基本的な物語構成の知識を持っているので、わからないことは素直に聞いてみるとびっくりするくらいいい答えをくれたりしますよ。
そういう意味でもいい創作お手伝いさんになるんじゃないかと思います。
ひとりで煮詰まってる時にAIにめっちゃ褒めてもらうとか、そういうライフハックにも使えそうです。
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