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はんかくさくない

散歩に行きました。
「散歩」という行為をしている自意識が過剰になり、なぜかパチンコ屋の駐車場を一周し、川を眺め、遠回りで帰りました。
 歩き方が分からなかった。

ほんとうは海が見たくて外に出たけれど、歩くことの果てしなさに打ちのめされて、川の水面をささっと眺めて終わりました。

聖書看板は突然に来る


夕ご飯を食べつつ、なにとなしにテレビをつけたらNHKフィギュアスケート杯が流れていて、思わず見入ってしまいました。
人間ってあんなにうつくしく動けるものなのですね。世界共通で、審美的に肉体を動かす競技は見ていて飽きません。口が開いてしまう。

ぬいぐるみのヘンリク。
母は「アンミカ」のイントネーションで覚えている


若干トラウマになっているのか、ふとした時に「戦場のピアニスト」という映画の中で、突然家に土足で上がり込まれ、『立て!』と言われて立てなかった、車椅子の老人のことを思い出してしまう。
彼が亡くなる瞬間を、再生してしまいます。
まいった。まいった。
 ぬいぐるみのヘンリクは、「戦場のピアニスト」の主人公、シュピルマンの弟の名前から拝借したものです。彼の気高さを忘れないように。

本当は「大いなる幻影」という映画に出てくるポアルディウ大尉の名を冠してもよかったのですが、長いのと覚えづらいので、ナシにしました。🍐

雪の布団をかぶる川べり


おじいちゃんは話の中で何度も
「おれがはんかくせぇもんだから」
と言います。

「はんかくさい」とは北海道の方言で、「馬鹿馬鹿しい」「阿呆らしい」というような意味を持つそうです。


おじいちゃんは、
「人間は死んだらなんもないんだ。ぜんぶおわり」
と言いつつ、亡くなった曽祖母の仏壇に喋りかけています。
私の神経衰弱についてはうつ病と説明しているのですが、
「なんでいのりはあたまおかしくなってしもたんだか」
「あたま良くなったか?」
「考えすぎで脳みそこわれたんだべ」
などと父に聞きます。

あたまがおかしいことになっているらしい。
愉快なのでそのままでいいです。

馬鹿馬鹿しいおじいちゃんと、あたまがおかしいひ孫。


去年の今頃の日記から抜粋
「喋らないことを選べるようになりたい」

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