四コマエッセイを135日間毎日描いて思ったこと
コロナ騒ぎが徐々に大きくなっていった2月下旬から今まで、私はTwitter上で「はれのちはるち」という四コマエッセイをほぼ毎日更新していた。
飽き性で三日坊主の私がよくもここまで描き続けられたなぁという記念に、この「はれのちはるち」について色々語ってみたいと思う。
何故始めたのか
・仕事が無くなってやることがなかった
2月下旬の頃の私は、とにかく暇だった。
というのも、私はイベント系の派遣会社に勤めていたのだが、コロナの煽りを受けてどんどん仕事が無くなっていってたのだ。
入ってた筈の仕事もイベント自体の中止でキャンセルされ、ボールペンで仕事の時間を書き込んでいた私の手帳はあっという間に修正テープまみれの雪原と化した。
暇になったからといって出掛けようにも、オープン戦は無観客開催になってしまったし、我が心のオアシスである国際民俗学博物館や須磨海浜水族館に始まる博物館・水族館・動物園はコロナの煽りで閉館するし、もちろんUSJやひらパーなんて当然空いてやしない。
外に出て楽しむ娯楽が徐々に少なくなる中で、必然的に家でスマホを見たり絵を描いたりする時間が多くなった。
つまり、この頃はかなり時間を持て余していたのだ。
・嫌なニュースばかりで気が滅入ってた
暇な時間はTwitterをダラダラ見ていることが多かった。
最初こそ、コロナについてのニュースをいち早く察知して備えよう!とか思っていたが、次第にそんな気は薄れていった。
新型のウイルスだとかいうものの情報を正確に仕入れるには、Twitterはあまりにも玉石混合なカオスワールドだったからだ。
自分の意見と客観的事実を混同して差別剥き出しの意見を恥じらいもなく述べる人々の、心ない言葉。
どんどん増えていく、イベントの中止情報や、娯楽施設の閉館情報。
楽しいことがどんどん減り、嫌なことがどんどん増えていく現状に、少しずつ私の心は削り取られていた。
・定期的に更新されるコンテンツが心の拠り所だった
そんな時でも、「楽しみ」と思えるようなものはまだ残っていた。
そのうちの一つが、毎日決まった時間に更新していた「100日後に死ぬワニ」だ。
(終わった後のグッズ展開などでかなり叩かれた作品ではあるが、この記事の本筋と関係ないので今回そこには触れないでおく)
淡々と描かれる、主人公ワニのゆるーい日常。
のほほんと1日ずつ過ぎていく日常とは対照的に、残酷にも1日ずつ減っていくワニの寿命。
そのギャップが好きで、毎日更新されるのを楽しみにしていた。
100ワニに限らず、毎週放送されていたヒプノシスマイクラジオなどの定期的に更新されるオンラインコンテンツが、唯一残った娯楽であり、心の支えだった。
「自分も毎日更新できるものを書いたら、少しは皆の退屈紛れになるだろうか」
それが、「はれのちはるち」を始めるきっかけだった。
「はれのちはるち」を描く上で大事にしていたこと
・なるべく毎日続ける
とにかく、クオリティが低くてもなんでもいいから毎日更新するように心掛けていた。
ただ、夜遅くなったり、どうしようもなく疲れていたり、忘れてしまったりした場合は、無理をせずに次の日に前日分を描くことでなんとか対応していた。
なので、結構手を抜きまくってる日もある。
寝ながら描いて寝落ちしたのを次の日上げたり
https://twitter.com/fuyunochi_2chAA/status/1234982195468500994?s=20
線画をコピペして四コマとも全部同じ線画にしたり
https://twitter.com/fuyunochi_2chAA/status/1251498920263290884?s=20
というかそもそも四コマすら描けてなかったり
https://twitter.com/fuyunochi_2chAA/status/1244247752789245952?s=20
何せ私はとんでもない飽き性のため、あまり拘り過ぎると絶対に更新できなくなるだろうと予想していた。
そのため、とにかく負担なく毎日続けられることを大事にしていたんだと思う。
・セリフはなるべく少なくする
これは特に初期に意識していたことだが、なるべくセリフを少なくするように心掛けていた。
https://twitter.com/fuyunochi_2chAA/status/1234433390444593152?s=20
始めた当初はサイレント漫画のように出来たらいいな〜とも思ってたが、流石に難しかったので途中から少しずつセリフを喋らせるようにしていたと思う。
でも、なるべく絵で内容が分かるようにしてた……とは思う。
日によってはちょっとそこまでの力がない時もあったし、ちゃんとできたとは言い難いが……。
まあ、毎日続けられるのが大前提だったので、そこは甘めに見てほしい。
「はれのちはるち」を描いてみてよかったこと
・毎日続けられた、という自信がついた
正直、始める前はこんなに長く毎日更新ができるとは思っていなかったので、今でも少し驚いている。
今までこうやって「毎日やること」がなかなか続かなかったもんで……。
「やろうと思えば、毎日漫画描くことができるんだな」という成功体験が出来たのは今回かなり大きいかもしれない。
今後何か別の漫画を連載するのもアリかなーと思った。
(今は原稿とか月一のAAコミックで忙しいけど、いつかは……)
・コロナ禍のいい気晴らしになった
「毎日やること」ができたお陰で、少しだけ生活にハリが出たように感じる。
仕事がなく、ジムも休館になり、緊急事態宣言が出されていたときは本当に家に閉じこもるしかなかった。
それでも、この「はれのちはるち」があったお陰で日々のルーティンができ、「今日も何もできなかった……」と落ち込む日が少なくなったように感じる。
「することがある」って生きていく上で大事なんだなぁ、と今回のコロナ騒動で強く思った。
何もしないって、結構辛いんだよね。
・フォロワーの皆さんに「面白い」と言ってもらえた
やってみてよかったこと、これが一番大きいかもしれない。
毎回フォロワーの皆さんに沢山のRTやいいねをいただいたし、時にはリプライやDMで感想をいただいたこともあった。
「面白い」とか「いつも楽しみにしている」など、ポジティブな感想を貰えて、本当にむっちゃくちゃ嬉しかった!
もし皆さんが見てくれていなかったら、ここまで毎日続けることができなかっただろう。
はれのちはるちを読んでいただいたり、反応してくださったりした皆さん、改めて本当にありがとうございます。
「はれのちはるち」で少しでも楽しい気持ちになっていただけたなら本当に幸いです。
最終日について
ところで、何故球場でのプロ野球観戦を最終日にしたのかが気になる方もきっといるだろう。
気にならないなら、この後の文は蛇足なので読み飛ばしてほしい。
コロナ禍の私にとって、現地でのプロ野球観戦は「コロナによって失われた日常」そのものだった。
去年までの私にとって、球場とは「いつでもその気になれば行けるところ」だった。
私が応援している球団……オリックス・バファローズは、当日でも試合のチケットを取ることができるぐらいに試合に客が入らなかった。
だから、「行こう!」と思ったらそれこそ当日午後にチケットを取って行けるところだったのだ。
去年はブラックな職場で仕事に悩殺されていてなかなか試合に行けなかったが、それでも10試合以上は行っていたし、職場が変わってシフトを自由に組めるようになった今年こそは沢山試合に行こう!と思っていた。
なんならオープン戦のチケットもしっかりいいところを抑えていた。
でも、コロナのせいで試合を観に行く機会は無くなってしまった。
そして、その失意がきっかけとなって「はれのちはるち」が始まった。
はれのちを毎日描いているうちに、「試合を観に行けなくなった」という絶望からはれのちが始まったなら、「試合を観に行けるようになった」という希望で終わるのが綺麗じゃないかな、と思うようになった。
いつか試合観戦に行く四コマを描きたい。いつかまた、野球場に行きたい。
そんな気持ちも、毎日更新のやる気に繋がっていたのかもしれない。
そんなこんなで最終日は「野球観戦に行った日」としたが、実は7/10より前に試合観戦をしていることに関しては目をつぶっておいてほしい。
いやまぁ……関西独立リーグの試合だし……プロ野球じゃないし……!
ちなみに関独の推しは堺シュライクスです。地元堺市の球団です!みんな応援してね!
おわりに
ようやく現地での野球観戦はできるようになったが、コロナの脅威は消え去ったわけではない。
東京では今日240人以上もの感染者が確認されたばかりだし、私が住む大阪でも今日感染者が30人も出たとのことだ。
球団もしっかり対策してはいるが、今日の試合で既に、大声でマスクを外してヤジを飛ばす人が出てきてしまったりしているので、今後どうなるのかはわからない。
また現地観戦が規制されたり、最悪の場合プロ野球の公式戦が再び中止になる可能性だってあるだろう。
再び、楽しいことがどんどん減っていくかもしれないだろう。
それでも。
何もかも楽しいことが失われたように思えても、案外楽しいことは日常のあちらこちらに転がっているんじゃないだろうか。
この記事と「はれのちはるち」が、日常の些細な幸せに目を向けるきっかけになったなら嬉しい。
いつかまた、大声でバファローズの応援歌を歌える日が来ますように。
それまで、いろんな楽しいを見つけてなんとか生き延びたい。皆さんも無理せず楽しく日々を過ごそう。
お大事に!
・追記
今日観に行った試合も色んな意味ですごい試合だったので、それについても後ほど語れたらいいなぁ。
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