新刊で好き勝手やったらコミケの売り上げが前回の半分になった話
もうすぐコミックマーケットである。
私がコミケに参加し始めたのは1年前のC99……コロナ禍で一番厳しかった頃のコミケからだ。
前回行われた、記念すべき100回目のコミケにも無事参加させてもらい、今回のC101が3回目のサークル参加となる。
このタイミングで前回の反省をすることで、よりよい結果を出せたらいいなと思う。
というのも、前回(C100)の新刊の売り上げは前々回(C99)の半分だったのだ。
C99よりC100の方が一般参加者が多い筈にも関わらず、だ。
一体何が違ったのか。何がいけなかったのか。
振り返って、思い当たる点を挙げていこうと思う。
・内容がポジティブなものではなかった
C99の新刊「Bsアンソロジー 叶うべき夢の先へ」は25年ぶりに優勝したオリックス・バファローズを祝うアンソロジーだった。
多くのオリックスファンや野球ファンが記念に買いに来てくれた記憶がある。
一方でC100の新刊「信じて送り出したパリーグが交流戦で負け越しするなんて…」は、交流戦でパリーグが負けたことにブチギレて嘆いた末、自分を慰めるために描いた本である。
そう、感情に任せて好き勝手やっちまった本なのだ。(タイトル回収)
売り上げが前回よりも伸びなかった理由を考えた時、真っ先に売り子の旦那に指摘されたのがこれだった。
ポジティブな内容の方が、ネガティブな内容よりも手に取られやすい。
優勝して嬉しい気持ちに溢れたお祝い本の方が、負け越して悔しい気持ちに溢れたお呪い本よりも読んでて気分がいいだろう。
正直、当初はこんな呪いに満ち溢れた本を出すつもりではなかった。
本当は横浜DeNAベイスターズのはじまりから現在までを描く、これからの希望に満ち溢れた本を出す予定だったのだ。
しかし、ヤクルトに負け越して阪神に3タテされて5連敗で交流戦を終え、去年交流戦を優勝したとは思えない交流戦9位という順位になって、しかもパリーグがセリーグに2年連続で負け越すという状況で、
どうしても私はこのモヤモヤした気持ちを形に出さざるをえなかった。
そういう意味では仕方のないことではある。
ただ、読者の反応は正直なんだなと思った。
・当日に台風が直撃した
私がサークル参加したのはC100の一日目だったが、その日は不運にも東京に台風が直撃していた。
不幸中の幸いか、朝早くの段階では雨が降っておらず、そそくさと会場に入って準備をしていた私は雨に降られることはなかったが、
一般参加で外で待っていた人たちは大雨にうたれて本当に大変だったらしい。
そんなびしょ濡れの状態でかつ、いつ台風で公共交通機関が止まるかわからない状況で長居したいという人はあまりいないだろう。
また、新幹線などが止まることを恐れたのか、周りのサークルが撤退を始めるのもいつもより大分早かったように思える。
当サークルは決して午前中の一番最初に来てもらえるようなサークルではなく、むしろ午後の遅い時間までぶらぶらしているような人たちがよって来てくれるようなサークルだ。
一般参加者とサークル参加者の早期撤退は、私にとってかなりの痛手だったように思える。
隣のサークルの人も、「台風がなかったら売り上げはもっとよかったんじゃない?」といったようなことを言ってくれていた。
・表紙がイマイチ
これがC99の新刊の表紙である。
オリックスの擬人化娘、伊織ちゃんをど真ん中に置き、画像では黒一色になっているが箔押しの王冠を頭に乗せた表紙となっている。
綺麗で繊細な印象を出せるように、塗りにもこだわっている。
至らない部分もあるが、力を入れて描いた表紙だ。
一方、C100の表紙がこれだ。
野郎が6人棒立ちで密集している絵である。
正直、ラフを描いている時から「こんな構成であまり魅力的じゃないけど大丈夫かな……?」と思っていたが、完成すれば少しでもマシになるだろうと思ってそのまま突き進んだ。
マシにならなかった。
とっ散らかった印象の表紙になってしまったことは、今でも後悔している。
やはり表紙は同人誌の顔、もっと拘って描くべきだなと強く感じた。
・宣伝力が弱かった
そもそもの話だが、C99の新刊「Bsアンソロジー 叶うべき夢の先へ」にはフォロワー10000人超えの方が寄稿をしてくださっていた。
正直フォロワー1000人ちょっとの私とフォロワー10000人超えの人では宣伝力が桁違いだったように思える。
やはりフォロワーの多さ、物量は正義である。
寄稿してくださってる方のパワーで売り上げが底上げされただけであって、私自身にそこまで売り上げる能力が最初からあったとは言い難い。
むしろ宣伝力が1/10になったのに売り上げ半減で済んだのは幸運と言ってもいいだろう。
結論
フォロワーの多さは正義。
そんなわけでC100での新刊の売り上げは思っていたものほど良いものではなく、C99の頃の売り上げをベースに冊数を考えて印刷していた私は「これ時事ネタなのに下手したら数年ぐらい在庫残るんじゃないか……!?」と危惧していたが、
その後参加したSUPER COMIC CITY関西28でそこそこの数を頒布することができ、ありがたくも通販で多くの人に手に取ってもらえたため、
なんとか在庫を一桁まで減らすことができてホッとしている。
しかし、C101で同じような失敗をするわけにもいかない。
C100での経験を活かしながら、C101ではどのようにすれば売り上げが伸びるだろうか、考えてみた。
・ポジティブな内容にする
C101で出す新刊「2022オリックスまとめ」は、オリックス・バファローズの26年ぶりの日本一を記念した、試合の四コマまとめ本だ。
オリックスファンの記憶に残るあんな試合や、印象的なエピソードをまとめたものだ。
オリックスファンならきっと胸に熱いものが込み上げてくるであろう演出もあり、オリックスファンの人には是非読んでほしいものとなっている。
もちろん、オリックスファン以外の方が読んでも面白いものにはなっていると自負している。
前回のような読む人を選ぶ本ではなく、多くの人に手に取ってもらえそうな本になったのではないかと思っている。
・表紙に力を入れる
C101で頒布予定の新刊の表紙はこれだ。
今回も伊織ちゃんが表紙である。むさい男がずらずら並ぶより女の子の方がきっと華やかだろう。
伊織ちゃんが持っている優勝トロフィーの重厚感や、髪や目の華やかな美しさなどが出るように色塗りにもこだわった。
そして今回は黒塗りされた「日本一」の部分が実際は金の箔押しとなっている。
記念すべきオリックス日本一を祝う表紙として、新刊の表紙としてふさわしいものになったのではないだろうか。
・宣伝を頑張る
今回、コミケplusという雑誌に当サークルの紹介を載せていただいた。
コミケplus側さんから公募されていたため、良い機会だと思って僭越ながら応募させていただいたのだ。
最初、公募ということで「どうせ100サークルぐらいがミチミチに詰まってるページにちんまり載せてもらうだけだろうな」と思っていたが、
蓋を開けてみれば1ページにたった6人、全体でもベテランサークルは22人のみの紹介という圧倒的好待遇で、むしろビビっちゃうレベルである。
コミケplusがどのぐらい売られている雑誌なのかは詳しくはわからないが、普通に宣伝するよりも大きな力になってくれるのではないかと期待している。
後は地道に宣伝を行うのみ。
少しでも色々な媒体から当サークルのことを知ってほしいと思い、宣伝活動のひとつとしてこの文を書いている。
もしこの記事を見て今回の新刊に興味を持っていただいた方は、是非コミックマーケット101まで遊びに来てほしい。
チケットは前売り制で午前のチケットはほぼ売り切れているが、午前入場の二次販売(少数)と午後入場チケットの販売が12月21日より始まる予定だ。
詳しくは下記のサイトをよく読んで挑んでほしい。
当サークルの場所は一日目(12月30日金曜日)の東6ホール、ヌ49aである。
立ち読みだけでも良いので来てくれると本当に嬉しいです!お待ちしております!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?