ルドルフ・シュタイナー「魂について」を読んだ感想

私の感想は不躾で無礼であることを、先に言っておきます。

フィクションの世界で、よく、魂というものが登場するけど、現実を生活していてそんなものは見たことがありません。
魂という言葉は知ってるけど、よくわからないものだし、普段の会話で魂という言葉を使ってもいません。ずっと無関心でしたが、この頃、思うことがあって、魂に関する本が読みたくて探したところ、この本に出会いました。
ルドルフ・シュタイナーについて、どんな人物で、他にどんな本が出ているのかは知りません。ですが、数ページ読んでみて、この方は、この本に書かれているその内容を、本当のことであると確信して、それについて話していることは、わかります。読む人、聴く人を、だますためにウソをついているような内容ではありません。

文章は読みやすいのですが、お話の内容は、それはもう難解です。読み始めてすぐに、「霊」なるものが登場して、困惑しました。他にも、「輪廻転生」など、魂以外の用語がいくつも出てきますが、それらについての説明は本の中で一応してくれています。
難解だけど、なんとか読み終えました。この本の内容を信じられる人はどのくらいいるのだろう。でもシュタイナーさんはこのことを確信して話しています。私は、本の内容はあまり理解できなかったけど、魂について真剣に講義してくださったシュタイナーさんに、感謝します。

この、魂についての話を肯定するならば。高次の魂への段階が高い人ほど、この本の内容を確信し理解することができるものと思われます。少ししか理解できなかった私の魂は、まだまだ発展途上の段階なのでしょう。

理解できたような部分についての感想があります。この本を読んでいく途中に、「賢者」と「見霊者」なるものが登場します。それらについてを聴いて、私は、「それらは、まるであの時の、先生と私のことのようだ」と思いました。

私には、尊敬している先生がいます。
先生はある活動をしていて、ある理想を抱いていて、それに共感し、先生を尊敬している人は、私の他にもたくさんいます。しかし、私の、先生を尊敬するこの想いは、たとえ私の命が死のうとも死ぬことはなく、永久であり、不滅であると断言できます。
それは、先生の講演を聴いたその時、私に「何か」があったからです。それ以来、私は先生を尊敬しています。(その「何か」についての説明をしようと頭の中で考えてみたものの、それを言葉で表すことは難しいために断念しました。言葉に表したとしても、その当時の「何か」を他人へ完全に伝えることは出来ないからです。)
魂や霊なるものがあるとして、「賢者」である先生の魂が、その背後にいる霊と通じ、その霊が、先生の魂を通してこの世界へ何かをもたらしているのならば、「見霊者」である私は、先生の内にある魂を通して、その霊を見たのかもしれません。
私の言う賢者と見霊者は、シュタイナーの言うそれらと解釈が異なるかもしれないけど、この本を読んで私がそのように感想を抱いたことは確かなのです。
シュタイナーはまるで予言者のようです。あの時の先生と私を言い当てているようでもあるし、また、あの時の先生と私が、シュタイナーの確信を裏付けているようでもあります。しかし、シュタイナーは予言しているわけではなく、それまでにも賢者たちが存在していたと、本当のことを話しているだけなのです。

この本を読む前から、私は私の先生をとても尊敬していて、それはどうしてなのかと自分でも疑問に思うほどのものなのですが、シュタイナーによって、その理由が明らかになったようでもあります。

私の内にある、この「不死なるもの」は、一体何なのだろう。
魂なのだろうか。
記憶なのだろうか。
それらはいつからあるのだろうか。
(ファンタジックチルドレンを思い出した。)

よくわからなくて、信じがたいけど、それらを肯定してみたら、とても面白く読むことができました。この本に出会えて、シュタイナーさんたちと出会えて、私は嬉しい。
読み直せばより理解できるかもだけど、次の本が待っているから、それはまた、いつの日か。
面白かったです!

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