一度入ったら、生きて出られると思わないでください。

老人ホームというところは。

ここで言う「老人ホーム」はおそらく世俗のヒト達が想像しているであろう「特別養護老人ホーム(老人福祉施設)」とします。

今でこそ減りましたが、病院みたいな4人部屋の病室みたいなもので寝泊まりをして、朝、昼、晩は食事が出て(場合によってはゼリーみたいになったのになる)、自力で食べられない入所者には職員にアーンしてもらえます。
で、寝るの繰り返しです。
週に何日かは入浴もあります。
最近はユニット型という個室型の施設が増えています。

ただ、あくまでもこれは理想論の話。
現場は修羅場です。
入所者というのは一筋縄で行かないのばかりで、特に爺どもは基本ワガママだし、職員に遠慮無く手を出してきます。
叩く殴るは当たり前です。
当然言うことも聴きませんから、カスハラ的な概念が当たり前の世界線になります。
こんな連中を職員は笑顔で応対しなければなりません。
これで給料は世間よりも貰えません。
これじゃ、ヒトは集まりませんよね。

リーマンショック→旧民主党政権の頃のように景気が悪かった時代は高校生もホイホイ就職していたそうですが、景気が良くなったらそういうのが一気に来なくなったそうです。
代わりに若い職員からすると自分の両親みたいなのが新卒として入職して、それを後輩として教えなければ行けなくなるわけです。
そして、職員へのケアもほぼ無く、自分で全てを対処しろ!というのがほぼ全部の施設でまかり通っています。
そしてこういう施設には必ずと言っていいほど「お局」みたいな女性職員がいて、管理職も手を焼くのです。
万が一そういうヒトが管理職になったら職場は崩壊するでしょうね。
ヅカみたいな状態になってしまう感じで。

というわけで、職員は入所者からの虐待をガマンしなければなりませんが、誰からもフォローが無く孤立無援状態になります。
そういうのが蓄積された結果として入所者に手をかけるわけです。
当然ながら警察沙汰になり、テレビニュースが喰い付いて施設が映されてしまうのです。
私が住んでいる市内の施設でもそういう事件が発生し、職員が警察に逮捕され(当然実名報道)、施設もテレビカメラにとらえられていました。

話を戻しまして、入所者は一度入ったらほぼ二度と出られません。
たまに入所してカイゼンさせたら退所できた!とか言う事例が仰々しく取り上げられていましたが、そんなの滅多に出やしません。

多くは変化のない日々を過ごしています。
中にはイベントをして生活にアクセントを付けようとするところもありますが入所者が理解できていません。
そして体調を急変させてしまえば救急車で搬送されて施設から病院へ移送されてそこで息を引き取るか、身元引受人の承諾の元に「看取り」を受けるかになります。

そして、空いたスロットに新たな入所者が入ってきます。
だいたい肉親は何も知らずに連れてこられて、身元引受人はホッとした顔で肉親を残して施設を後にして残された肉親は決まって狼狽するのです。

そもそもは「手に負えない」から施設に預けるのです。
例え肉親であろうが。
そして肉親が住んでいた住居は処分して、そのおカネで老人ホームへの支払いに充てているのでしょう。
有料などと比べて特養も安いですが結構かかりますので。
それができないとなると最悪の場合、介護疲れ起因の殺人事案が発生するのです。

ちなみに介護老人保健施設というのもありますが、ここは滞在日数の上限が決まっておりいくつかの老健で「ある仕掛け」をしています。
あまり公には出来ない事を。

そんな老人ホームも概ね凄い人数待っています。
(だいたい一施設辺り数百人単位で)
ただそれに対応しうる職員の数が足りません。
給料安い、叩かれる、生傷が絶えない、職員がいないので過重労働になる、職員へのケアがなされていない・・・という負のスパイラルをずっと繰り返しているんですから。
だから未経験でもいいから頭数を・・・となると殺人容疑で逮捕されるような職員も発生するのです。
こうなったら介護ロボットを本格的に導入した方が良いかも知れません。
AIがこんだけ普及していれば、パターンも分かりましょうし。
ただ、入所者が機械に介護をさせられるかといって破壊活動をすることでしょうけどね。

正直普通のヒトが働ける職場で無いのは経験上間違いないと断言できます。
そんなに来てほしかったら給料を上げろ、それも最低でも月40万くらいまでやってみろよ、と。
とにかく安月給でいろいろな意味で酷い思いをしてまでやりたいと思う仕事では無いのだから。
ただ賃上げが容易ではない賃金構造になっているのも事実なんですけどね。

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