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一から始まり一に戻る

昨日は、月2回のお茶お稽古。最近の騒ぎで、回し飲みをるす濃茶のお稽古はやらないことになり、その代わりに、七時式の一つ「一二三」(いちにさん)のお稽古をした。見出しの写真がその道具。

「一二三」は、亭主のお点前を客が評価するという、心穏やかではいれなさそうな儀式だ。これは、お茶のお稽古の一環という位置づけの儀式だそうで、評価の基準は、亭主を努めている方のお手前が。いつもと比べてどうかというところに置くとのこと。

手順は、写真手前の小さな四角い箱の中に、点数の札が12枚入っていて、高得点から順に「月一」「月二」「月三」「一」「二」「三」「花一」「花二」「花三」と、この基準に入らないくらい超素晴らしいや超酷いときに使う「客」が三枚の計12枚。一枚選んで、向こう側にある紙を折って作ったような箱を広げて中に入れます。全員が入れ終わったら、末客が開けて、札を全部盆の上に出し、並べ、正客から順に拝見していく。この時に、他者の評価と自分の評価を比べて、「自分の出した評価はどうだったか」を顧みる。そして最後に先生がそれを見て、札の種類にばらつきがあったら、指導が上手く行ってないと反省する。

亭主はお手前をするにあたり、特別な事をする訳ではなく、評価されるような場でもそのことに惑わされず、お茶を点てることに集中できるかというところで、自分との睨み合いなのだろうか、それすら意識しない落ち着いた亭主であることがベスト。

“一二三”には利休百首の「稽古とは一より習ひ十を知り十よりかへるもとのその一」の精神も流れているとか。人生についてもか…どうだろう…。人生は一二三と始まり、三二一と終っていくのかな…その一って?などという考えが過り…。

正直この儀式の面倒な型に嵌まった手順がなぜ必要なのか、何を意味するのか、まだ全くわかりません。でもきっと繰り返しやってくうちに、はっと気づく瞬間が来るのだろう、その時の喜びを予想して、思わずニヤリと顔が歪んじゃう。(^^)/



※ 七時式:茶の湯の精神、技術をみがくために制定された稽古法。数茶(かずちゃ)、廻花(まわりばな)、廻炭(まわりずみ)、且坐(さざ)、茶カフキ(ちゃかぶき)、一二三(いちにさん)、花月(かげつ)の七つがある。

つばき


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