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絵事常々 -和紙 仕込み後-

4種類の和紙の試し中。
先日に仕込んだ和紙の続きです。


なんちゃってな裏打ちをして乾いた状態がこちら。

4種類の和紙の裏打ち後。

かなりテキトーな裏打ちをしましたがまずまず。

紙の端の糊付けが少し甘く、ぺろっとしかけている箇所は
水張りテープで押さえる部分のため問題ないとしときましょう。

それより問題はこちらです。

1つだけ、ポチポチと茶褐色の斑点が出現。

シミ?


紙にできるホクシングみたいな斑点。

いやしかし、裏打ち時点ではこの星たち、出現しておらんかったわけです。

ふうむ…と少し考え、おそらく原因は

パネル


ですかねぇ。


一部分だけ変色しているパネル
「使うなよ」というツッコミが聞こえますが、ちょうど良いサイズだったもんで…

裏打ちの際はこの変色部分を避けていましたが
乾かす時ここに乗っけちゃったんですね。

避けていたわけですから、頭の片隅で気にしていたのであろう。


テキトー裏打ちに加え、テキトーパネルを用いた。


悪い実験の手本のようである。

何かしらコトが起こった際、
原因を絞るために手順や道具はあらかじめキチンとしておくわけですが
やんぬるかな。

たぶん
紙の水気が板面のアクでも呼んじゃったんだろう…と考える。

大丈夫、
大勢には影響ない。


日頃、悲観的な捉え方が多いのですがなんでか自分の制作には楽観的です。



さて、気にせずドーサを引く。

毛布の上でドーサ引きの図。

今回のドーサ引きですが
「膠1:ミョウバン0.5:水1」くらいの割合で作ってみました。
それを表に1回引き、乾かし、乾いたのち裏に1回引く。

このドーサ、薄手の和紙相手にしては割合しっかりめに引いた気分です。


ドーサ引き後、4日間ほどほったらかしまして(単純に休みがなかった)
いざ水張り。

写真撮るのを忘れましたが、例の斑点

消えました!


ドーサ引き中にも薄らいでいく気配があったのですが無くなりました。
やっぱりアクを軽く呼んじゃったんですかね。
幸いにもしみついて取れない類ではなかったので一安心。


ただ、

思いのほかドーサの効きが悪い。


乾いた後に水をかるく引いてみた状態。
染み方にムラがあります。


通常、カンカンにドーサが効いていると
紙の繊維上に一膜張られているため、滲みは均一になるわけです。

それが筆を置いた瞬間にジワッと一気に持っていかれるような感じ。
こいつはよくない。

ドーサの効いていない基底材…

それは底の抜けた桶に水を注ぐようなものである。


バインダーの定着する土台がない状態では、発色も保存も見込めませぬ。


4種類まちまちのムラ感です。
これはヨロシクない。


こんな時は更にドーサを引く、ですね。

再度ドーサ引きをする。

いちばん左と右から2番目の紙は効いている感じですが、
左から2番目と右端はやや危うい雰囲気。

どうしてもドーサで滲み止めができない場合には
樹脂系(アクリル樹脂とかフィキサチーフ)で絶縁する手段もありますが…

まぁ試しである。
今回はここで打ち止めにし、試作で実際の具合を見ることとします。



というわけで乾き待ち。
乾き待ちには下図を描く。

「胡粉をスーッとひいてみる」みたいな試し塗りも
アカデミックな研究ぽくて良いのですが

結局のところ制作って無茶をするので。


この土台はどれぐらいの度量で私を受け入れてくれるのだろうか

という、愛情確認行動さながらの試しが必要である。


表現の幅を知るために、
なんかそれっぽい小品にするのが楽しくてわかりイイです。


ということで下図4点。

キャットテールのイメージ
巻貝とか飛龍の羽のイメージ
オナガドリの羽のイメージ
下のフクロウみたいなのはよくわからないけどついてきた
宝相華とか獅子の巻き毛のイメージ


手の赴くまま好きな曲線をエイエイ引いて
そこに人の顔を入れてそれぽく描いてみました。

この4点を描きながら、

いざ紙の具合をみて参ります。



ということで、今はぐいぐい着彩中。
暖かくなってきたので膠も扱いやすいです。
とはいえウチのアトリエは梅雨時までストーブ稼働させています。
オンモの麗らかな春の陽気を横目に見つつ…


今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。
また次回の投稿で。




おまけ

乾き待ち中にペンタブ着彩してみたもの


まだ乾かなかったのでペンタブ着彩をフォト加工してみたもの

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