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3DS「新絵心教室」という神ソフトで10年越しに同じ絵を描いてみた。

ある日いつものように軽い部屋の片付けをしていたらソフトケースが入ったバッグを見つけ、中から「新・絵心教室」という3DSソフトを発掘した。

幼稚園の頃から絵が好きだった僕は、10歳の誕生日の時に、おばあちゃんにこのゲームソフトを買ってもらった。同世代の子はまず買わないゲームだろう。何よりゲームというのには程遠いソフトだからだ。しかしテレビのcmを見て絶対欲しいと確信していた僕はこのゲームを買ってもらい手に入れることができた。

ソフトの内容は至って簡単で、一つの絵を描くのにステップごとに分かれており、事細かく描き方や考え方、配色や塗り方のコツなどの説明などといった、レッスン形式で見本通りの絵を書き進めていくというゲーム。

何度も遊んだ経験はあるが、10歳の僕には思ったより難しかった。それはそうだ。普段使っていた画材は鉛筆や色鉛筆なのに対し、ゲームの中では入門編と題した一番最初のレッスンから油絵具を使い、水で溶かして伸ばしたりぼかしたり、複雑かつ奥ゆかしい工程から始まる。デジタルとアナログの違いすらわからなかった10歳の僕は、何十枚か絵を描いた後そのソフトを開く回数も減っていってしまった。

絵を描く人の多くは、当時は自信作だと思っていた絵を見返して、改めてもう一度同じ絵を描いてみる。といったことをすることがある。これは自分にとって非常に大事な行為で、確かな自信をつけるのに一番有力な方法だと個人的に思う。

がしかし。10歳の私から、受験の嵐だった中学生に成長し、夜10時までジャズバンド部活三昧だった高校に成長し、劇忙しい日々を乗り越えて今は美術を愛し美術と共に歩む美大生として生きている。
ソフトケースからこのソフトが出てきた時、「これは神ソフトだww」と思わず吹き出してしまった。10歳の私に比べて、想像力も経験も技量も確かに数十倍成長している。これは絵師として過去の自分と今の自分を試すしかない!と3DSを起動。

中身は当時の全く変わっていない(そりゃそくだ)
懐かしい感覚に包まれながら過去の作品をチェックしてみると、なんと10歳の頃に描いた「サクランボ」があった。
それがこちら…

▲10歳の頃の私が描いたサクランボ

あれ思ったより上手い…?

10歳にしては…と思ってしまうが、10歳でもこのくらい描けてしまうほどわかりやすく丁寧にレッスンが行われる神ゲーなのだ。
やはりそれなりにセンスはあったのだろうか。今のわたしがここまで描けるか不安ではあるが、とりあえず胸を張ってゲーム内の先生の言う通りレッスンを受けることに。

5ステップほどしかなく、説明もダラダラと長くなく要点のみ。ほとんど自分で描く時間だった。
懐かしいタイトル画面やゲームの進行に胸を躍らせながら書き進めること1時間…
最終ステップの段階で満足のいく状態にならなかったので、先生の言いつけ以外の付け足しをしまくって完成した作品がこちら…

▲当時から10年後の私が描いたさくらんぼ

素晴らしい。なにが素晴らしいって3DSでここまで書き込めること自体が素晴らしい。正直遊んでいて感動してしまった。やはり10年前と比べるとさくらんぼとしての形や、質感、反射光や色の混ぜ方なんかも優れている。ただひとつ言い訳をするとするならば、3DS本体がめちゃくちゃ小さくて描きにくかった。これに尽きる。noteで初公開した絵がこれになってしまったが、私の技量をこれで決めないで欲しい…!!(チャンスをくれ…!!)

10年ぶりに過去の自分の作品と並べて、少しうるっとした。ここまで長かったし苦難も山ほどあったけどとりあえずここまで頑張ってよかった。だがここからが本番であることは間違い無い。

▲ゲーム内で表示された見本のさくらんぼ
2012/09/27
2022/12/17

しばらくはまたこのゲームをやり込むつもりだが、
1年後、5年後、10年後、また機会に絵師となった僕と張り合うのが今から楽しみだ。

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