5,4,3,2,1,0
私は幸ハウスに通うようになって、たくさんのことを教えていただいていますが、危篤になって我が家に来た父を介護する上で、一番勉強になり、また心の支えになったことは、この5,4,3,2,1,0ということでした。
この5,4,3,2,1,0は人が亡くなる前、どのように衰えていくのかを表したもので、0、1、2,3,4,5歳というのは人間が生まれて大きくなっていくことで、亡くなる前は、この逆をたどるように出来ていたことが出来なくなっていくということでした。
私はこの考え方をしって、非常に安心しました。死生観とか医療とかなんの知識もない私でも、かろうじて子育ては一人男の子を育てたことがあるので、わかるかもしれない!という希望が持てたからです。
そして最初と最後が似ているというのは、とても自然な感じがしました。もうすっかり忘れていた息子が大きくなっていった経過を思い出すこともとても楽しいことでしたし、素に戻った父は思いのほか息子と似ていました。子供のころの父のイメージは私にとって、優しいけれど寡黙で自分の気持ちを外に表すようなことはなかったので、初めて知る父の繊細でユニークなところはとても新鮮でした。
父がだんだんと具合が悪くなっていくたびに、やっぱり悲しく、いつ亡くなるんだろう?とかこれからどうなっていくのだろう?と不安になっても、ああまだご飯を食べれているから、2,3歳かなあ?と想像して、気持ちを落ち着けることができました。
ストレスは、未来のことがわからない漠然とした不安からくると思うので、この5,4,3,2,1,0歳という考えを知ったことは、私が介護生活を送るうえで、とても助けになりました。感謝しています。
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