方法を教えて欲しい気持ち

音楽においての正解って、自分にとっては『音楽に直接出会うこと』だった。なので、世の中に正解と言われるものが星の数ほど溢れているなかで、ありもしないたった一つの正解探しに時間をかけることより、音楽に触れることが正解というか、真実、いや事実でしかない感覚だった。自分で体感したことなら、自信を持てる。

セミナー講師などを続けると、とにかく『音楽に出会って欲しいな』と思う。特に、『音を聴く』『耳を開く』という領域は、何層にもなってて、どこまでも開発可能なんじゃないかなと、いつも思う。

経験として、『わかってるフリ』の域も分かる。例えばハモりなんて、『とりあえずトップノートを強く出して、次にベースを出して、内声は微妙に足しておけばオッケー』みたいに弾いてたし、バッハのフーガなんて、テーマの反対声部はただ弱いと怒られるからちょいちょい出しておこうとか、そんな意識だった、長いこと。

そこからパッと、魔法のようにコード感を聴き取れるようになる方法とか、魔法のように機能和声を体感できるようになるとか。そんな魔法があったかな?と。

『靴を揃えなさい!』と毎日まいにち毎日言い続けてやっとしまえるようになった子どもたち。でも『和声を聴いて!』だけでは聴けるようにならない、。。いくつかの方法は提示してきた。なかには『そんな方法すでに取り入れてます!なにかもっと特効薬を!』という感じの方もいるかもしれない。

特効薬を開発することを求められてるのか?

そもそも特効薬なんてないのか。

方法を教えるレッスンより、方法を自分で無限に発見できる手助けをする方がイメージがわく。耳の中の世界。






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