シェア
流れゆく 風 流れゆく 雲 流れゆく 川 流れゆく 時間 大いなるものに抱かれ すべてが 悠々と 流れてゆく 人も 流れつくべき場所へと 流れてゆく 形や色を変えながら
新しい一日が はじまっていく 人々は 顔を上げ 鳥は とびかい 草は 朝露をふくむ 花はつぼみを開き 木々は風にゆれ 金色に光りだす 「おはよう」 まるで親しい友のように 太陽は語りかけてきた 今日一日の光 という 世界一 贅沢な贈り物をたずさえて
山が 燃えはじめた 天に 恋するように 頬を 紅めた 木々たちが 色づきだす 愛の言葉が 空に 届くよう 祈りながら 秘密のベールを ぬいでいく
地球は 辛抱強く まっている 一つ一つ 再生していく 力を 人々の底から 愛が あふれだすのを まっている
真っ青な空の下 からからと 木の葉が 舞い落ちる せつなさ でもなく 哀しさ でもなく 死 でもない 一つの 役目を終えても なお 美しさを 醸し出す
天国に旅立ってしまった犬たちは 私の宝物 彼女たちとは 今も 愛でつながっています 愛だけが 天国に持っていける たったひとつのものだから♡ 眠る前の 静寂なとき そっと語りかけることもあります 苦しいことも 悲しいことも 沢山あったけど 犬たちとの思い出が あの表情が いつも 私に笑いかけてくれます 私の宝物たちは 永遠に 私の中にいます
一粒一粒 形のちがう魂 ひとつぶ ひとつぶ 色のちがう魂 ひとつぶ ひとつぶ 光のちがう魂 個性をもった魂たちが 磁石のように 引きあっていく 凹凸の魂たちが 手をとり ささえ 一つになっていく 欠けを おぎない 形づくっていく 球体をつくりだしていく どんどん どんどん 引き寄せあっていく 大きくなっていく 輝きをましていく 再生する力を持つ 不思議な球体 太陽と月に反射し ゆるやかに
こころ静かにすごせば 一葉のちりゆく音を 感じることができるだろう くもった窓ガラスを 小さくノックする風音を 聞くことができるだろう ポットがカタコト 湯気をたてる音を 楽しむことができるだろう 暖かい布団に入り 眼を閉じれば 虫の音を子守唄に 一日の幸せを味わうことができるだろう
天から羽をさずかり 白馬は宙に舞い上がる 荒ぶる 鬣 尾は 流星を引き 馬体は うねる 少年のような瞳は 前を見据え 恐れも知らず進んでいく 自由という風をまとい 古い自分を脱ぎ捨て 光を目指し走りだす 生まれ変わった 私の魂を背に乗せ 一筋の閃光となり 次の扉へと駆けてゆく まだ誰も開けたことのない扉を めざして
夏が去った 見知らぬ人のような眼差しで 風が通りぬけていく 空は高く 雲は形を変えてゆく 頑なな顔をした街中を 翻弄されるように 飛ぶ秋蝶に そっと哀しみをのみ込む
天から降りそそぐ雨粒 その雫は 汚れを洗い 地に落ちる 生き物の足元という 最も低みにありながら 万物を潤し すべての命の根源となってゆく
オレンジ色の月夜 自分を追いかけてくる影 月の明かりにてらされて あっちに行ったり こっちに行ったり 濃くなったり 薄くなったり ずっと私についてくる 私のことが好きなのかい? 伸びたり 縮んだり 半透明の影が ついてくる 追い越していってもいいんだよ 半歩さがってもいいんだよ 小さいころからついてきた影 今 ずいぶん大きく成長したね これからも 一緒に歩もうか いっぱい 寄り道しながら いっぱい 笑いながら 楽しく 並んで歩いていこうか
一本の 白い竜胆を こころに しまい込む 凛とした たたずまい その白さは 自身の 偽りを許さず 哀しみを 花弁に閉じ込める あなたの心を なぐさめることは できるだろうか あなたの苦しみを とかすことは できるだろうか しずかに ほほえみ あなたに 悟られぬよう そっと 遠くから あなたを 想っています
一つの ものの中に 何を観るか 丘の上に立つ 一本の木 ただそこに在るということ 風雪に耐え 長い年月に逆らわず 四季とともに変化する ある日は そよぐ風に 花の香を感じる時もあるだろう 天の星を取りに 大きく手をのばすこともあるだろう 月明かりに照らされた自身の影に その成長を見ることもあるだろう 満天の星の美しさに 感嘆の声をあげることもあるだろう 人には聞こえぬ声 想い 私は 本質を見抜く眼 がほしい そしてそこに 喜びを ユーモアを みつけた