ことば―ジャック・プレヴェールに捧ぐ

止むことのないような空の憂鬱は
物語より
ノンフィクションより
ことばの魔術師の
詩集がいい


海を越え
時を越えて
鳥が羽ばたき
心に還るような
透明なことばと
その余白

僕は
あなたの時代も
その風景も
絶望も
肉眼でみることが
できないけれど

そのことばから
茶目っ気と
風刺と
愛を
感じることができる


あなたが見たパリの暗闇と
ぼくの憂鬱は
同じではないけれど


太陽と月が
この上なく
そっぽを向いても

あなたのことばが
いまここで
生きているから
僕は歩く
春も夏も
秋も冬も

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