「ある視点から」

鏡に写ったその顔は 
澄ました顔ばかりだから
本当のあなたは
そこにいない

実際のあなたを
よく知っているのは
あなたと関わる人たちだ
だから
そう受けとめられた誤解も
小さな親切も
咄嗟に出たことばも
あなたの好意も
スイートピーのように
微笑むこともあれば
小さな棘のように
傷つけてしまうこともある
伝わらない と 嘆くことなかれ

春を待ちわびて
凍える寒さに 怖気ついても
猛突進のような北風に 機嫌をそこねても
今宵も雪はせつせつと降りそそぎ
それをみて はしゃぐ少女もいれば
それをみて 悲しむ漁師もいる

たやすい苛立ちの中に
潜むくしゃくしゃな自尊心を
悪とみなし
背を向けたところで
小さな魂は、泣き止まない
掬って
みつめて
ズキズキと痛む
その心から
目を離さないで
ただ
愛を灯して

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