存在
あなたがここにいる
ほかの誰かじゃない
あなたと手を繋いでいる
ほかの誰かじゃない
ただそれだけで
ぼくは全宇宙を肯定したい
今日がはじまる
長い長いトンネルを
まっしぐらに歩いた
いつの間にか
鎧が砕けて
着ていた衣はほどけ
裸で歩いていた
ふと我に返ると
ブラックホールのような空間にいた
そこでは無秩序の扉が大量に量産されていた
手元の方位磁石は
クルクル クルクル 泣きわめいていた
時計の針は
ぼくの心を突き刺して
眠っていた原風景を映し出した
ぼくは夢中になった
少しずつ薄まっていく胸の痛み
そして
あなたがそこにいた
ことばより先に
愛を灯した
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