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詩歌の授業

前回の更新から間が開いてしまいました…(フォローしてくださった方、感謝です!)

さて、今回は詩歌の授業の組み立て方についてです。

早速の持論ですが…
詩歌は作ってナンボ、読みあってナンボ です。

知識で表現技法を知っていても、使えないなら意味がない。

対句を習ったのなら、対句を使わせる。
比喩を習ったのなら、比喩を使わせる。
定型詩を習ったのなら、定型詩を作らせる。

習ってみて、使ってみて、鑑賞して、初めて理解したと言えるのではないでしょうか。
いくつかのパターンに分けて、ご紹介します。

パターン① 導入で作らせる

単元の導入に詩歌を作らせる。これは、今までに知っているものの時に使います。
例えば、短歌や川柳など、定型さえ守っていれば良いものは導入に作らせることがあります。

導入で作ることのメリット
・自分の作品と、教科書に載っている著名な作品を比較して、良さや技法に気づく。
・教科書に載っている作品が、他人事ではなく自分の作品と同列になる。

単元の導入に作ると、一気に詩歌への親近感がアップします。
他人事ではなく、自分ごとにするということが意欲につながると考えます。

パターン② 中盤で作らせる

単元の中盤で作品作りをする。これは、知識理解をした上で表現力を問う場面で使います。例えば、定型詩や短歌など、ある程度の知識を持って読むものを学習したときに使います。

中盤で作らせるメリット
知識理解の定着が高まる。
・著名な作品を自分のものと比較しながら読むことができる。
・習った表現技法を活かして作品作りができる。
内容の濃い鑑賞ができる。

当たり前ですが知識理解がないと、良い作品にはなりません。
習った技法を使って表現しようと思うと、生徒たちはもっと良いものを作ろうとします。自分で技法を使っていますから、他者への評価(鑑賞)も内容の濃いものになります。

パターン③ 終盤で作らせる。

単元の終わりに作品作りをする。ということは、学習のまとめ的な側面が強くなるということでもあります。
私は自由詩の学習のときにその詩を模倣して作らせることがよくあります。このような学習の時には今までのまとめとして、詩を書かせることが多くあります。

終盤で作らせるメリット
・知識理解や著名な作品の鑑賞を自分の作品への材料として集めることができる。
・全員が一緒に学習したことなので、他者への作品に対する理解が深まる。

詩歌は面白い!!

詩歌の学習はなんとなく単調になりがちです。(読んで、解説して、を繰り返す)

過去、私も何度もそのような授業になって反省しました。
1時間、生徒に預けて詩歌を書かせてみると、そのキラキラした感性に感動することが多くありました。生徒も、初めは悩みます。

だから、年度当初に詩の模倣から入るのがやりやすいかもしれません。

実践例 中3「〇〇のようなひと」

昨年、中3の教科書(三省堂)に出てくる「水のようなひと(おーなり由子)」を使って、「〇〇のようなひと」という実践を行いました。
何度も「〇〇のようなひと」という表現と、体言止めが多く出てくるので、これを使って一連作ってもらいました。

<詩の作成例>
夕立のようなひと。急に風向きや天気が変わって困らせるひと。
でも、夏の暑さを和らげてくれたり、水不足を救ってくれたりと、実は支えてくれているひと。
<解説例>
これは、私の母をイメージして書きました。母は急に怒って空気をピリッとさせることもあるけれど、私のことをちゃんと考えてくれるし、支えてくれている。

上の詩は私が授業中に見本として作成したものです。これを読み聞かせた後で生徒たちには詩を書いてもらいました。
自分の身近にいる人をイメージして、合う言葉を探して、解説文を書く。

そして、互いに交流しました。
コロナ禍ということもあったので会話禁止ですが、ワークシートを机の上に置いた状態での交流も、実りあって良かったです☺️

最後に

詩歌の授業作りに悩んでいる先生の、何か手がかりになれば嬉しいです。
もっと細かい資料が欲しい方は、TwitterのDMでお渡ししますので、ご連絡ください。

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