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絶滅危惧手芸に挑戦

今回は60年代の手芸雑誌の作品に挑戦しました

昭和41年(1966年)3月15日発行「手芸」
古本屋で購入したのですが、きれいなカラー写真もたっぷりでとても贅沢な雑誌なのです

この雑誌に載ってた「サシーンリボンを添えて」っていう特集。おそらく”サシーンリボン”ていうリボンの宣伝ページなのですが、このリボンの使い方新鮮!ちょっと作らせてもらいましょか。

ページのデザインがかわいい
ピンクの動物
おしゃれな顔してる

作り方の情報はこれだけ!

さっきのピンクの動物とおしゃれな顔の女子は小犬のコロとミーコちゃん。
入園、入学のお祝いの品だそう。

蝶ネクタイで気どっている小犬のコロやミーコちゃんの顔は、サシーンリボンを何回もまいて、裏側をセロテープで止めました。目や口は、はさみで切ってのりで貼るだけ。

セロテープとはさみとのりさえあればOKてか、簡単そうやん!ところでサシーンリボンて初耳なんですけど、どういうものなの?

はさみを入れてもほつれないニュータイプのリボン、サシーンリボン

なるほど、ニュータイプのリボンなのか。でもこの本が出版されたのは1966年。2023年の現在では定番のリボンになってるはずということで、Google検索ドン!え!全くそれらしい情報がない!サシーンリボン、絶滅してるのか!!!

これは足で情報を稼ぐしかない(ただ実店舗に探しにいくだけ)。"はさみを入れてもほつれない"という情報と写真の感じから、布系のリボンではなくラッピングのリボンだと予想し、バッグ材料買い出しのついでに行ってきました、シモジマ。

ラッピングのことならシモジマ!曇天!

やはりシモジマにもサシーンリボンという商品は見当たらなかったので、光沢感と素材のハリ感が近い商品を探し、購入したのがこちら。
「スプレンドレットリボン」

ハサミなどでしごくと、くるくるとカールする細身のラッピング用リボンとのこと

昔の花束にくるくるしたリボンついてたけど、あれかな。リボンの幅が5mmしかなくて、ちょっと細いような気もしたけど、「くるくる巻いて裏をセロテープで止めるだけ」なんで何とかなるっしょという軽い気持ちで3色購入しました。これが後ほど裏目に出ることに…


はい、では作っていきましょう。
くるくる巻くためには、やっぱりなんか丸いものに巻き付けた方が良いよねっていうことで、スパイスの空きビンに巻き付けてみました。ちょっとずつ重ねながら、均等に巻いていきます。

ここまでは順調!

巻き終わったらビンからそっと外すのですが、よく考えたら当たり前なのだけど、ここでリボンが崩壊してしまいます。本家サシーンリボンだったら、形状記憶でこの形のままだったのだろうか…。

気を取り直してもう一回巻き直しです。作り方には裏にテープを貼ると書いてあったのですが、崩壊を防ぐには表にテープを貼るしかない。試行錯誤しながら出来上がったのがこちら。

表に貼ったセロテープの裏にまたテープ貼ってとめて、表のテープをそーっと剥がして、ということを繰り返して、なんとか小犬のコロの顔に近いものができました。これもっとリボン幅が広ければ作りやすかったんじゃないの?

次はコロの耳。写真の感じだと、リボンを結んで作ってそう。こんな感じ?

なんかそれっぽい。

あとは、目と鼻とひげと土台のお花。はさみで切ってのりで貼るだけなのに、のりくっつかんやん。のりを両面テープにチェンジして、気分はワクワクさんです。試行錯誤の末、出来上がった小犬のコロがこれ!

小犬?

やっぱり5mmというリボンの幅の細さが仇になり、耳ていうかツノみたいになったし、土台のお花もなんか違う。あと蝶ネクタイ忘れてた。まあこのゆるい感じがかわいいかな。

ミーコも作りましたで。

髪の広がりが気になるタイプの女子

リボンのハリ感が強すぎて、髪の毛が収まらない。私の寝起きみたいな仕上がりになりました。これはこれで勢いあっていいか。


この2つを作ってから、この雑誌の後ろに手芸用品の通信販売のページがあることに気づきました。

リボン買う前に読みたかった…

いろいろ大事な情報が載っていました。
まず、サシーンリボンは”住友スリーエム社”の商品だったということが判明。現在のスリーエムジャパンの前身みたいです。現在のスリーエムもクラフト・工作用品を作っているけど、やはりサシーンリボンは見当たらず。実物はもう見ることができないようです。

そしてサシーンリボンの素材はアセテートでした。私が使ったスプレンドットリボンはポリプロピレンだから全然違うやないかい。予想大外れです。
リボン巾も15mmと22mmだったみたいで、そりゃ5mm巾だと作りにくいわな。

ちなみに”アセテートリボン”で検索するといっぱい出てきました。リボン素材の定番だったようです。
その中でもお花用のアセテートリボンっていうのが、そこそこハリと光沢があるみたいで、色や巾の種類も多く良さそう。これで作ればミーコの髪質ももうちょっと良くなったのかもしれません。今のところ、ジェネリックサシーンリボンの候補としておきます。

しかし60年代の人たち、前にカラーページがあるとはいえ、この白黒ページの写真見て通販で買ってたんですね。なかなか想像力が必要な買い物ですよね…。

ポリプロピレンのご両人
本棚のこけしゾーンに鎮座

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