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名前で呼ばれると言う事

 20代の頃の職場は、苗字ではなく名前で呼ばれる所に長く勤めていた。それから渡ったラオスでも名前で呼ばれ続けていたし、海外の旅行先でも、日本人の苗字は長いからと言う理由で名前で通して来た。

 だけど、Uターンをして宮城に戻ってからは、苗字でしか呼ばれなくなった。30代のおばさんになった私は、日本の職場だしそれが当たり前なんだ、と全く気にも留めていなかったけれど。

 最近、副業解禁で働き始めたコーヒー屋さんで、数年振りに名前で呼ばれる職場と出会う事になった。店長から若い学生バイト君も、みんな名前で呼んでくれる。エプロンに付ける名札も、名前だけの記載だ。

 名前で呼ばれると言う事。

 久し振り過ぎて、何だかくすぐったい。
昔は逆に苗字で呼ばれるとちょっとドギマギしたのに、今では逆だ。40代を間近にして、今更アイデンティティが刺激される。

 苗字も勿論、私。
 だけど名前の方が、何となく人との距離も近くて、もっとイチ個人としての存在を認められている様な気がしているのは、何でだろう。

 久し振りの名前生活に、ここを離れたらまた苗字の生活かぁ、と少し寂しくなったりする。コロナ禍だったから、本業が休職になって、副業として出会った職場で、再び名前を思い出した。(あ、千と千尋みたいだね、と今更思った)

 色々あるなぁ、と感じている内にもうすぐ12月。2020年のスピードは、今になれば驚く程に早い。スピードに振り落とされない様に、あと1ヶ月も元気に過ごしたい。

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