微睡みの中で君に預けた時間(小説)/ひと色展
その水滴はただそこにありました。太陽の雫、七色の宿る場所。そんな風に呼ばれながらも微睡んでいました。それは他の誰かからすればひたすらに意味のない時間、一方でとても透明感のある時間でした。
いつか戻ってくるのではと、希望を抱いていたのです。
ほんわかとした春の陽気の中で芽吹いていく双葉を見ながら考えました。こんな風になりたい。うまく心を開けなかった自分を悔やんでいました。
本当は言いたいことがたくさんありました。それなのに全部見ないふりをしてしまいました。どう受け取ったら