貸し出し中?いえいえ、予約中です。(小説)
中学の卒業式の日。進学をきっかけに好きな人と離れることになり、私は告白をしようとした。けど待ち伏せた場所に彼は来なかった。公園でベンチに座って俯いていると、ランドセルを背負った男の子が目の前に立った。
「みーちゃん大丈夫?お兄ちゃんが何かした?」
「ゆうくん」
思わず私は苦笑する。
「かなとに会えなかった」
「うちに来ればいいじゃん」
「それじゃ意味がないっていうか」
「何それ」
ゆうくんはかなとの弟だ。そして私がかなとのことを好きだということをいち早く見抜いた。バレ