女坊主アイドル卒業後の失意の女オタが、キラ・メイという普通のアイドルに救われた話

こんにちは。こんばんは。
普通の会社員をしながらいろんなもののオタクをしている者です。

このnoteはずっと書いては消し、書いては消し、いつか見せることがあれば良いな~くらいに考えていた自己満レベルのものですが、せっかく興味を持っていただけたのであればぜひこのまま読み進めてくださるとうれしいです。

まず、タイトルにある「女坊主アイドル卒業後の失意の女オタ」に軽く触れていきたいと思います。

私は高校生のときから『カミヤサキ』さんというアイドルを応援していました。彼女は当時BiSというグループにハンサム担当として加入し、その後横浜アリーナでBiSは解散。その時発表された新ユニット『プラニメ』のメンバーとして活動を開始。
順風満帆なように見えましたがその後もう一人のメンバーの脱退、その後新メンバーの加入・脱退により体制を何度も変えやがてGANG PARADEという最強のグループが完成します。GANG PARADEは山あり谷ありの活動の中でメジャーデビューを掴み取り、念願だった野音でのワンマンライブを成功させます。あの日観た景色を忘れることは出来ません。
そんな一見輝かしいグループの活動の最中、2020年1月3日に行われたWACKなりの甲子園にて突如発表されたのが

『カミヤサキ GANG PARADE脱退』。

この発表を知った瞬間、本当に頭が真っ白になりました。
徐々に頬が熱くなり目から涙が溢れてなかなか止まらず、部屋で一人どうしたら良いかも分かりませんでした。
どうしたら良いかもわからずとりあえず翌日のリリイベに行くことに決め、そこでまたも大泣きをしながら彼女とお話しをしたことでようやく事実を咀嚼することが叶いました。

それからは脱退前最後のツアーの発表や最後の特典会の情報などが次々と解禁になりました。またこのタイミングで私は引っ越しや転職をしバタバタと日々を過ごしつつ、彼女のアイドル人生の最後にどのように華を添えるか、そんなことばかり考えていました。

しかしこの最悪なタイミングでコロナが流行りだし、彼女たちの全ての予定が真っ白に。

これには不謹慎ながら「カミヤらしい」と苦笑い。
「またしてもこんな試練を神様はお与えになるんだな…」と。

カミヤサキという人間には常にこういった試練がつきものでした。
彼女がBiS加入した当初、得意のダンス以外これといった武器は無かったように思います。BiSというモノ自体、普通のアイドル好きな女の子たちの集まりで、歌もダンスもさほど上手くない、でも魂に訴えかけるような熱いパフォーマンスをするグループだと思っていました。

そんな普通の女の子たちの中でも特に普通の女の子がカミヤサキでした。
プー・ルイやファーストサマーウイカのような歌唱力もなく、ヒラノノゾミのようなガッツもない、テンテンコのようなキャラクターもない、コショージメグミのような話題性もない。

それでも必死にもがき、歌い踊る彼女が最終的に武器にしたのが『ダイブ』でした。リアルタイムで私は見れていませんでしたが、渋谷WWWのBiS階段当たりの話だと記憶しています。
会場の人の波を掻き分け、いや人の波の上を歩き縦横無尽に暴れる姿はさながらジャンヌダルクのような気高さがありました。

自身のアイデンティティを見つけ「人の上を歩きたい」と宣言してからの彼女は私にとって本当にヒーローだったんです。

その後そのダイブによって活動休止になったり、100kmマラソンを何度もしたり、BiSをまた始めるという宣言のもと結成されたBiSHの存在、再度活動をするBiSや戦友プールイ、またそのBiSメンバーとのトレードなど。

彼女のアイドル人生はまさに山あり谷あり。
どんなに過酷な状況でも理不尽な言葉にも屈せず、泥臭く戦ってきたカミヤサキ。時にステージで涙を流す脆さも見せてくれたカミヤサキ。

彼女はクラウドファンディングにて決まったラストライブもいつできるか不透明なまま、ニコ生での放送により「2020年5月22日 脱退」しました。


もう女の子のアイドルを推すことはない。そう思いながらも、せっかく仲良くなったオタクたちとも会えなくなるのか…という気持ちも湧いてきた最中、ふと合宿オーデを思い出します。

毎年さほど興味が無いので観ないのですが、その年はなんとなく見てみようかなと軽い気持ちで観ていました。この行動が後に私の運命を大きく左右することになります。

そう、ここで出会ったのが『キラ・メイ』です。

彼女は当時WAggという育成グループに加入したばかりのド新人でした。
正直名前しか知らなかったし、どんな子か全く知りませんでした。

たまたま観たのがパフォーマンス審査だったかと思います。
加入間もないとは思えないガッツと、声が裏返りながらもとにかく熱い歌声を響かせながら必死に踊る彼女を見て頭を殴られたような衝撃でした。

粗削りof粗削りですが、どことなく彼女のその姿勢にカミヤサキイズムもといギャンパレイズムを感じ取っていたのかもしれません。

仕事をしながら見られる日は合宿の放送でキラ・メイちゃんを目で追う生活が始まりました。

そして、ついにキラ・メイちゃんの頑張りが評価されGANG PARADEへの加入が決定。WAggから最速の昇格となりました。
「これからギャンパレはこの子に未来を託せるかもしれない!」と思った矢先、GANG PARADEは2つに分裂することも発表になりました。

彼女のいるギャンパレが見たかった、カミヤサキとの共演も見たかった。そんなマイナスの言葉ばかり吐いてしまいそうになる私とは裏腹に、これからの活動に意欲を見せるキラ・メイ。

ネガをポジに変える力が彼女にはありました。
彼女が発する言葉や笑顔は、どこか不安げな既存メンバーにも良い影響を与えていたと思います。
実際彼女がインタビューで話した「エースになりたいです」というまっすぐな言葉に私は衝撃を受けました。

これまでのギャンパレは「だれかがエースになるのではなく、グループとして上に行きたい」という姿勢であり、それがグループの強みでもありましたし、弱点でもありました。

ましてや2つに分裂し、どのようなスタンスで活動していけば良いか手探りな中でのこの発言には正直感心させられてしまいました。

「このままではいけない」と既存メンバーが焦る中で、アイドルになって間もないまだ卵のような子が、一切の曇りなく言い放つ気持ちよさ。
そこに他意はなく、本当にまっすぐな気持ちだということが伝わってくるのは明るく前向きな彼女のキャラクターや、「若いのに人生何周目?」と疑問に思ってしまうほどの言語化能力あってのこと。

カミヤサキに未練タラタラ、今後の自分のオタクとしてのビジョンはまるで見えない中での彼女の言動や行動には何度も救われました。

お披露目ライブは無観客となってしまいましたが、来たる有観客ライブに向け私も曲を聞いたりMVを見たり彼女のTwitterを見たり…。なんなら団扇なんか作ったりして、本当に0から一人のアイドルに向かい合うことが出来るようになりました。カミヤサキさんも振付師として続々と仕事を決めていて、キラ・メイ、カミヤサキの二人の異なる活動を応援することが何よりの楽しみになっていました。

その後初の有観客ライブを成功させ、仙台、京都、名古屋と経験を積んでいくキラ・メイ。

歌はまだまだ上手いとは言えないし、頑張りすぎてすぐ声が枯れるし、ダンスも飛びぬけて上手いわけではない。目があってもすぐ反らすしなかなかファンが増えない。正直そんな彼女のことを何故こんなに好きなんだろう、応援したくなるんだろう。と思うこともあれば人に聞かれることもありました。

それでも思い出すのはあの合宿での泥臭い姿と、随所で私たちに向けて発信してくれるまっすぐな言葉の数々でした。

綺麗な言葉で取り繕うことは誰にでも出来るし、それが良い時もあれば悪い時もあります。この時のPARADISESはそんな作られた綺麗な言葉が多かった。
私は、そんな美しい響きの裏に見え隠れする本音と建前を感じ取ってしまう汚い大人なので正直もうそんな言葉なら聞きたくないなと何回も思っていました。

そんな中で新メンバーの加入、トレードが決まります。
既存メンバーの月ノウサギがWAggに、ウタウウタが新メンバーになりました。
そのメンバーでの初ワンマン、渋谷WWWでの夜を私は忘れられません。

PARADISES RETURNという新しいEPを引っ提げて挑むも、上手くモノにしきれず、歌もダンスもどこか不安げなメンバー。

しまいにはMCで全員泣きながら吐き出すように話す姿に私も暗い気持ちになっていたとき、キラ・メイは一切泣くことなく「すごく悔しい。やってやるって思ってます」と凛とした顔で言い切ったんですよね。

彼女は客観的に今自分たちが置かれている状況を把握しメンバーの気持ちを理解した上で、「自分ならどう思うか」をはっきりと言葉にしたんです。「売れたいです」「みんなを幸せにしたいです」といった綺麗な言葉ではなく、ヒリヒリするほど青い言葉を一点の曇りのない目で言ってくれたあの瞬間、私はキラ・メイのことを、キラ・メイのいるPARADISESのことを信じていこうと決めました。

この時の指で触ればそのまま崩れてしまいそうなPARADISESが歌うvisionsは私の中でベストアクト、今でもこの日を超えるvisionsはありません。

始まり届きたい思い出して僕の歌が聞こえる
聞こえる?聞こえる?

たいがい忘れない夢できみの歌が聞こえる
聞こえる 聞こえる

真っ暗な部屋の中で『きみ』の姿を手探りで探しながら、ドアの隙間から漏れ出る光を頼りに前に歩き出す、そんな情景を勝手に思い浮かべながらふと前を見るとバテて肩で息をしながらも必死に踊るキラ・メイの姿。

ここで涙が溢れてしまい、自分でも訳が分かりませんでした。

このサビの「聞こえる?」では片手を片耳に当て、もう片方の手を前に突き出す振り付けになっていて、最後の「聞こえる」で両手を上に向かって伸ばすのですが、いつもの可愛いキラ・メイの笑顔ではなく、『きみ』を暗闇の中から探し出そうとする別の誰かのような表情と力強い両手にグッと引き込まれました。

これはただの私の都合の良い解釈ですが、『きみ』とは月ノウサギでもあり私たちファンでもあると当時から思っていて、聴く人によっては家族でも友人でも恋人でもいいなと思っていて。

というのも私はこのワンマンの前に転職をし、地元から東京へ引っ越し、翌日から働き始めることが決まっていました。
この日に至るまでに短期間働き詰めで心身共にボロボロになりながらもお金を作り、必死に就活をし、友人と音楽を演奏する喜びを知り、恋愛をし、家族の愛に触れとにかく様々なことが起こる毎日の中で必死でした。

そんな中聞くvisionsにおける『きみ』が最初は月ノであり我々ファンのことに当てはめたとき熱くなるものがあったのですが、ふと自分のこれまでの毎日と明日からの毎日に当てはめたとき、「キラ・メイちゃんが私を新しい世界に連れ出してくれるかも」と漠然と思い涙が止まらなくなったことを今でも思い出します。

過ぎていくあっという間に
今日もほら 行かなくちゃ

この後に一瞬の間、ギターのリフレインが響き渡り最後のサビへ。
この4拍が、私はとても好きです。上手く言えませんが、ぐしゃぐしゃになった感情が一気に浄化されていくような感覚。

これらを本人たちに話したことは無いし、キラ・メイちゃんがこの曲をどう思っているのか聞いたこともありません。

しかしあの日確かにキラ・メイのvisionsからは希望を見出したことは間違いありません。

今彼女はGO TO THE BEDSとして活動をしています。
しばらくは彼女のvisionsを見ることは出来ません。

しかし、あの日があったからこそその後の彼女をより信じられるようになり、一切の不安なく応援できるようになりました。

以前よく言われていた「カミヤサキ推しだったのになんでキラ・メイなの?」に対して私は「なんでか分からないけど信頼してる」「理由なんてない」と答えていましたが、これを書きながら思うのはやはり彼女は自分の思うままに言葉を伝えてくれるからだなと。

カミヤサキも脱退前でこそ前に出ることは少なかったですが、BiS解散後は自分の意見をはっきり言い、まっすぐな言葉と行動を持ってして愛を体現してくれた人です。「好き」という気持ちを伝えることが苦手で人に伝わりづらかった部分も彼女らしく愛おしい。それは振付師となった今も変わりません。

キラ・メイも前に出ることこそ最初に比べなくなってしまいましたが、いつも自分の感情をしっかりと言語化し、嘘の付けない性格故にパフォーマンスや行動に出てしまう不器用さがあります。彼女もまた「好き」という気持ちを伝えることが苦手です。

見た目も年齢も性格も全く異なりますが、どことなく感じるグループへの熱さと周りを見渡す冷静さ、武器はカミヤは振り付けでメイはキャラクター性とシャウト(GTTBでの新しい発見でした)。

少々粗っぽい共通点の探し方ですが、応援し始めて一年以上が経過した中でなんとなくこういうことなのかなと思うようになりました。

あのとき合宿を見ていなかったら、もうアイドルを推さないと決めていたら、あのワンマンに行っていなかったら。彼女のことを今こうして応援していないかもしれません。

カミヤサキの脱退という、大きな出来事を乗り越えた先に出会ったエリートポンコツ卵アイドルキラ・メイ。

彼女はこれからもまっすぐな言葉とそのキャラクターで多くの人に元気を与え愛され、もっともっと強くなっていくと信じています。

日付が変わり今日、タワーレコード渋谷店にて20:00から選挙演説が行われます。そちらには私も駆けつけようと思っています。

今投票で誰にいれるか迷っている方、キラ・メイに興味が少しでもある方。
ライブでもリリイベでも動画でも何でもかまいません。彼女の言葉に触れていただきたいです。

明日彼女からどんな言葉が聞けるか楽しみにしながら寝ようかと思います。

まとまりのない長いだけの文章をお読みくださりありがとうございました。



キラ・メイのこれからのビジョンが明るく美しいものでありますように。今日もありがとう!



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