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夜の体感時間をのばす工夫 ~ストレッチ・お茶を淹れる編~


 

いきなり驚かせてごめんなさい。
これは、スマホをふとんに寝かせているところ。

どうしてこうなったかと言うと……
夜って、ゆっくりする時間があまりないなあと感じていて。
でも、思い返すとスマホをさわっている時間はけっこうある。いつの間にか1時間経っていたなんてこともしょっちゅう。

もっとゆっくり夜をたのしむために、寝る前の1時間をスマホから離れて過ごしてみようというわけである。

前編では、こうしたスマホを布団に寝かせることにするまでのいきさつと、スマホがスヤスヤ眠っている間に「本を読む。」「日記を書く。」という、ゆっくりと夜を過ごすための工夫をご紹介した。

前編はこちら▼

今回の後編では、試してみたいと思っていた残りの2つ、「ストレッチをする。」「お茶を淹れる。」の実感をお届けしたい。

先に言ってしまうと…、

わたし、時間をゆっくりにするために大切なことが、わかってしまった!…かもしれないです。


***


体感時間をのばすテクニック③「ストレッチをする。」
YouTubeで「寝る前 ストレッチ」と検索。
すると、“老廃物を流すことができてリラックス効果もある”というありがたい動画を見つけた。

そのストレッチは、仰向けに大の字になるところから始まる。
床に寝そべって白い天井を見ていると、いつもより部屋が広く感じる。

▲天井です。

驚いた。
手足をめいいっぱい広げて寝転がるだけで、心がぱかーっと開いたような開放感がある。

そこからは、動画の中の元気な女性の声に従って、からだを伸ばしたり、縮めたり、ひねったり、揺らしたり……。

同じ動きでも、右足は気持ちいいのに左足はキツイといった、からだの左右の違いを感じてハッとする。
手でからだを揉みほぐしていると、気持ちいいと思いきや痛い部分もあった。どうやら、老廃物が溜まっているところは痛いらしい……。
自分のからだのことながら、新しい発見がたくさん。

そんなふうにからだに意識を向けてストレッチしていると、気持ちいいだけでなく、ざわざわしていた脳内が静かになっていく。

ストレッチをした後は驚くほどからだがふわっと軽くなった。
経験したことはないけど、お祓いをしたあとってこんな感じなんじゃないだろうか。
そして、なんだか偉いことをしたような誇らしさまである。
だって、寝る前にストレッチをするなんて、時間と心に余裕がある人っぽいではないか。

いや、余裕がある人っぽいではなく、ほんとうに心にゆとりができていくのを感じる。


あれ?
もしかすると、余裕があるからストレッチをするのではなくて、ストレッチをしたから余裕が生まれたのかもしれない。

ストレッチしていたのは、ほんの10分間。
過去にもどって、SNSでながれてきた動画をなんとなく見続けている自分に、「いったん、ストレッチしてみない?」と声をかけたい。


体感時間をのばすテクニック④「お茶を淹れる。」

実はこの日、「時間をゆっくりにするためにお茶を淹れよう」と決めていたわけではなかった。

というのも、締めきりが迫った課題に取り組んでいたら0時になってしまったのだ。
ちょっとちょっと、もう今日おわり?
なんてことだ。

やるべきことだけをしてこのまま今日が終わるのは悔しいので、今から「夜中のひとりお茶会」を始めちゃうことにした。
15分くらいなら大した支障はないだろう。

そうと決めたらワクワクしてきた。
お気に入りのマグカップにお水を注いで、電子レンジで温める。
熱湯の中に紅茶のティーパックを入れて、茶葉がひらくまでソファーに腰かけて待つ。

▲ランチョンマットも敷いちゃいます。


なにもせずに待つ時間は、はじめは手持ち無沙汰でうずうずする。
でも、そこはちょっとだけがまん。
そうすると、静かにゆっくり流れる時間が心地よくなってくる。ふしぎな感覚だった。
うずうずを乗り越えた人にだけ与えられる世界があるようだ。


「なにもしない時間」は豊かな時間だ。
たとえば、通勤で歩いているとき、ぼーっと外を眺めて電車に乗っているとき、おふろで頭を洗っているとき、急にいいアイディアが浮かんだり、こんがらがっていた頭の中が整理されることがよくある。

というのは分かっているのに、わたしは「なにもしない」がどうも苦手だ。
なにかしていないと落ち着かないし、なにもしない時間は損をしているような気がしてしまうのだ。

だから、自ら「なにもしない」ができない人にとって、「待つ時間」は堂々となにもしないでいられる絶好のチャンス。

3分ほど待つと、紅茶からはいい香りがただよう。
温かいマグカップを両手で包み込んでひとくち飲めば、「はぁ〜」としあわせなため息が出る。
淹れたてはまだ熱いので、ちびりちびりと。
一気に飲めないもどかしさもまた、せかせかしがちなこころにブレーキをかけてくれる。

 

寝る時間ではなくて、思い切ってお茶を飲むことにあてた15分間。
「あーもう寝る時間だ」と焦っていたついさっきまでの気持ちはどこへやら。

睡眠時間は短くなったけれど、やるべきことだけをして一日が終わって悔しい気持ちで眠るより、心の健康につながったと自信をもって言える。

ゆっくりするなら、1時間のネットサーフィンよりも1杯のお茶だ。

***

今からゆっくりします宣言

前編から「目の前のことだけに向き合える環境がある」「手作業がある」など、体感時間をのばすコツについてたくさん考えてきた。
「待つ時間がある」もコツのひとつだと感じた。

でも、それより手前にもっと大事なことがあると気がついた。

体感時間をのばすためにいちばん大切なのは
「ゆっくりしようとすること」だ。

たったそれだけ?と拍子抜けするかもしれない。でも……。

「今からわたしはゆっくりするぞ」と自分に宣言すると、コツなんて意識しなくてもからだが自然と、ゆっくりできるような選択をするのだ。ほんとうに。

たとえば、テレビを消して静かな空間にしてみたり、ペンをノートに走らせる音に耳を澄ませたり、本をめくるときの紙の手触りを感じたり、からだの感覚に意識を向けたり、紅茶の茶葉がひらくのをただ待ってみたり、そんなこと。
こうしようと決めていたわけじゃなく、こうしたら良さそうだなと無意識のうちに判断していた。

ゆっくりしようと自分で決めたときから、時間はゆっくりになってくれる。


「ゆっくりする時間がない!」と感じたら、5分でもいい、「今からゆっくりするぞ」と決めて過ごしてみようと思っている。







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