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家族がなくなった話15

母が亡くなり、その4年後に父が亡くなり、相続手続きも終えて、私の属していた家族がなくなった経緯。
アパート住人の立退について。


土地を処分するにあたっての最後の山が、アパートの住人の立退だ。
住んでいるのはお一人。私が子供の頃からなのでかなり長く住んでいる。
アパートは「店」が直接管理しているので、自分たちで解決するしかない。

引越し先探しも手伝うつもりでいるが、私自身は地元にいないのでできることが限られる。弟が動いてくれればいいけど頼んでも生返事で、しばらくしてからLINEで様子を聞いても返事がない。
自分が動くしかない。

地元の知り合いに紹介してもらった不動産屋に相談すると、住人に直接コンタクトを取って家探しもサポートしてくれることになった。

その人が早速翌日訪問してくれ、様子を確認してくれたところ、今回の話は渡りに船だったことがわかった。建物が古く不便も感じていたけど、費用の問題で今まで引っ越せなかったそうだ。
大家の身内としてメンテナンスが行き届いていなかったことに申し訳なく思うけど、退去に前向きなのは助かる。

そこからご本人、普段生活をサポートしてくれているご友人、不動産屋の3人での家探しが始まった。
見つかるまでの間、不動産屋は希望に合った候補を探すだけでなく、二人を内見に連れて行ったり、貸主側の不動産屋に交渉したりと大変細やかに対応してくれた。
この人がいなかったら引越し先は見つかっていなかっただろう。

ご本人が高齢なこともあり審査に通らなかったりもしたが、3ヶ月ほどで無事条件に合う物件が見つかった。

引っ越すにあたり、立退料の一部で古くなった家電など生活用品を買い換え、あらかじめ新居を整えることになった。予算は30万。

しばらくしたある日、ご友人から「予算が足りない」と連絡があった。
聞くと、絨毯とカーテンをオーダーして予算のほとんどがなくなったと言う。ご友人が自宅のカーテンを誂えた時には100万かかったそうで、金額に疑問を感じなかったらしい。
まさか1Kの借家で絨毯とカーテンをオーダーで作るとは思ってもみなかった。

足りないから追加、とはいかないので、できるだけ予算内に収まるよう改めて依頼し、結果的に予算+2万程度となった。

そんなことがありつつも、無事引越しも終わった。部屋が快適になったとご本人も喜ばれていると聞き、安心する。


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