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家族がなくなった話19

母が亡くなり、その4年後に父が亡くなり、相続手続きも終えて、私の属していた家族がなくなった経緯。
祖父母の墓じまいをする。


「店」の近くに祖父母の墓がある。今までは母→父が管理費を払っていたけど、両親の墓は別にあるし、今後お参りする人もいないので墓じまいしたい。
仏壇も震災後誰も立ち入っていない部屋でずっと放置されたままだし処分していいだろう。

母も生前墓じまいを検討していたことがあった。ただその時はニ百万かかると言われてあきらめたと言っていた。やるなら今しかない。

お墓には、祖父母以外に曽祖父母と空襲で亡くなった祖父の妹も入っている。祖父の弟たちの意見も聞くべきかもしれないけど、祖母が生きていた頃からすでに交流が絶えていて、連絡先も存命かもわからない。

とりあえずできることから始めよう。
調べると、旦那寺が永代供養墓を始めている。しかも一定期間経ったあとに合祀されることもないらしい。
それなら万が一大叔父たちに何か言われても移動しただけと言える。

見積を取ると、以前母から聞いた金額の半分ぐらいらしい。これでいい。
分割協議が決着したあと弟と叔母に提案し、同意を得られたので手続きを進める。

墓石と場所を選び、石に彫る字を決め、墓と仏壇の魂抜きの日を調整する。
検討結果を叔母と弟に伝え、説明を無視した叔母からの返答にイラッとしつつも双方から同意を得て実行に移す。

遺骨の移動は同じ敷地内だったのでかんたんに済んだ。
仏壇のほうは、遺品整理を依頼した業者が先に他を片付けて、魂抜きが終わったあとで別の日に引き取ってくれることになっていた。
ただ、その魂抜きをするための環境が全く整っていない。
岸田奈美さんちは10年近く人の出入りのない家でスライムが救いになってたけど、うちはそれ以上放置されていた上に、遺品整理が終わって仏壇以外何もないことは確定している。

弟が準備と当日の対応はしてくれたけど、どうしたのか聞いても返事がなく、実際にどうしたのかはわからないままだ。

こうして振り返って疑問に思うことがある。
墓じまいでする閉眼供養は個人の魂をお墓から抜くためにやるらしい。仏壇の魂抜きも同じ目的でやる。
ということは、仏教では魂は複数に分かれて存在すると考えるんだろうか。それなら分霊箱もかんたんに作れることになる。
でも仏教では輪廻転生するのだから、魂は墓にも仏壇にもいないのでは。

なんか釈然としない。

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