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家族がなくなった話17

母が亡くなり、その4年後に父が亡くなり、相続手続きも終えて、私の属していた家族がなくなった経緯。
土地売却の手続きを進める。


買い手が決まった後も、手続きがいろいろある。

まずは売買契約。今回は売り手と買い手の仲介会社が同じいわゆる両手取引なこともあり、不動産屋の事務所で契約を交わす。

重要事項として土地に埋設物がないか答えないといけないけど、家が建つ前に何があったのか、子供の頃の記憶を頼りにわかる範囲で書く。
実家は盛土した上に立ってるから大したものは出てこないだろうけど、その下まで掘り返すんだろうか。それなら何が出てくるかは本当にわからない。まあ遺跡とかはないだろうけど。むしろ遺跡が出てくるなら発掘調査の様子を見てみたい。

説明を聞きながら書類に書き込んでいく。
立派なボールペンを渡されたけど、重いしインクの出がイマイチで終わった頃にはかなり手が痛くなった。こんなことなら最初から自分のペンを使えばよかった。

書類の交換のあと手付金を受け取り、仲介手数料の一部をその中から支払って契約締結。帯封で留めてあるお札を初めて見た。なかなか見る機会もないので写真も撮らせてもらう。

契約締結後に土地の確定測量を行う。その前にお隣にご挨拶に伺いたいけど、今は誰が住んでいるのかわからない。
弟に聞いても例のごとく「知らん」との回答なので、以前住んでいた幼馴染みに確認すると、今は親戚がお住まいとわかった。
境界のことは当然今お住まいの方も詳しくはご存知ではなかったけど、当時を知る人に確認してくれていた。それによると、境界上に塀を設置しているらしい。確定は測量事務所に対応してもらい、その結果、塀はお隣の敷地となった。

結果、登記上より面積は若干小さくなった。
現代の技術で測り直すと面積が変わることはよくあるらしい。こういう登記簿の面積が変わることを「縄伸び」「縄縮み」と言うことを知った。
まさに「縄張り」だ。

約3ヶ月経って引渡しの日が来た。この日はそれぞれの登記のための司法書士も同席し、土地の名義変更申請も行う。

登記簿を買主に渡す

代金の残金が入金されたことを確認してから領収書などにサイン

手数料残金、司法書士報酬を支払う

と手続きは滞りなくあっという間に終わった。

実家とアパートの鍵も渡して、あの家は完全に私とは無関係のものになった。

あとは、地面の下から変なものが出てこないことを祈るだけだ。

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