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家族がなくなった話20

母が亡くなり、その4年後に父が亡くなり、相続手続きも終えて、私の属していた家族がなくなった経緯。
「店」を止めるのを止めた。


父の病気がわかった時、一人では続けられないから「店」を閉めたいと弟が言った。

とりあえず「店」がお世話になっている税理士に流れを聞いてみた。
その結果、廃業は祖母の相続が終わらないとできないことがわかった。なぜかはわからないけど、とにかく先に相続を進めることにする。

相続手続きが終わり、決算までは半年ほど余裕がある。今期の決算までには廃業を終わらせたほうがいい。
そう弟に言うと、「誰が止めるって言った?」とキレ気味の返事がきた。「止めたい」と言ってたのはどうなった?母の死後売上が減り、毎年赤字だったのが半年の間に改善したとも思えないんだけど。
とは言え「店」は弟のものなので私が口出しするのもお門違いだ。アパートが「店」名義なので、土地を売るまでに登記変更が終わっていればそれでいい。

「店」は合資会社なので、社員が最低二人は必要だ。今までは弟と父が社員だったので、社員の登記変更をしないといけない。
もしくは会社形態を合同会社に変える。合同会社なら社員は一人でいける。
手続きをお願いしている司法書士から合同会社に変えることを勧められ、そうすることにしたそうだ。

そう聞いてから数ヶ月経ち、土地の引渡しの日が近づいてきた。弟に進捗を聞いても返事がない。登記を確認するとやっぱりまだ変わっていない。

司法書士に事情を話し、手続きを急いでもらうようお願いしたところ、しばらくして変更完了との連絡があった。

変更は確かに終わっていた。ただ、合同会社への形態変更ではなく、合資会社の社員変更だった。中1の姪が有限責任社員になっている。

姪を社員にするのは年齢的にはOKでも、親権を争うには不利になる可能性があった。それが合同会社に変更する理由になってたけど、養育費支払いを止めることと引換えに取り下げられ、親権を取られる心配がなくなった。
だから姪を社員にして、より変更の少ない合資会社を続けることにしたのだろう。

結局「店」はなんの変更もなく続けられることになった。


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