風俗スカウトと性風俗店
こんばんは。
行政書士 風営法務共同事務所です。
今回の記事では、風俗店が風俗スカウト(性風俗店舗で働くことを目的とした女の子などを紹介する者)を利用するメリットとデメリットを解説したいと思います。
風俗スカウトを利用するメリット・デメリット
ーメリットー
①女の子が集まりやすい。
ーデメリットー
①スカウトバック(目安として紹介した女の子の稼ぎの10%~20% + 顧問料金など)を支払わないといけない。
②場合によっては、保証給を要求されてしまい、集客に見合わない出費となる。
③職業安定法違反として摘発(逮捕など)されてしまう。
ざっくりとですが、性風俗業として長く続けていく上で上記の通りメリットよりもデメリットの方が勝るかと思います。
風俗スカウトの法的な問題
では、次に風俗スカウトについて法的な内容を解説していきます。
まず前提として。
人に対して職業等を紹介する場合は、職業安定法の許可(有料職業紹介・無料職業紹介)が必要となります。
また、人に対して職業の派遣を行う場合は、派遣業の許可が必要となります。
その点、ほとんどの風俗スカウトが無許可営業として違法となります。
次に、職業安定第63条では「公衆道徳上有害な業務」に就かせる目的で
①職業紹介
②労働者の募集
③労働者の供給
を行った者に対して刑事罰が規定されています。
「公衆道徳上有害な業務」とは、社会共同生活上守られるべき道徳を害する業務と定義されています。
そして、ソープランドやデリヘルなどの性産業については本番行為をせずに性交類似行為に留まって売春防止法に違反せずに風俗営業法を遵守していたとしても「公衆道徳上有害な業務」という判例が確立しております。
また、2023年の1月には1都5県にも及ぶ店舗の一斉摘発があったので、性風俗業に従事されている方の記憶に新しいかと思いますが、風俗スカウトを介して紹介を受けた店側が摘発された例は過去に沢山あります。
つまり、風俗スカウトを介して女の子などを紹介してはたらかせる事で、お店側も職業安定法違反となり摘発の対象となるのです。
上記の通り、風俗スカウトを利用するメリットは、一時的に女の子が増えて収益となるかもしれませんが、それに対し中長期的な視点で考えるとメリットどころかデメリットの方が圧倒的に勝るものであることが経営者としての観点で考えると明らかであると感じます。
最後に
結論として、地道に良いお店(キャストさんが安全に安心して働ける魅力的なお店)創りを心がける事で自然に女の子たちは集まってきます。
一時的な欲で風俗スカウトを利用することで、取り返しのつかない結果となりかねないので十分にご注意ください。
また、弊所では、風俗業界の経験を経て行政書士となった者が集まる事務所です。
風俗スカウトを利用しないで求人ができるお店創り等の支援も行っております。
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