012.【Mリーグ特別編】抜きドラmenu牌は鳴き麻雀と相性抜群?和了の名手が示した『安くならないが手が進む』ことの怖さと面白さ
※この話は麻雀、Mリーグについてある程度知識のある方にしかわからない話がふんだんに含まれています。
また、Mリーグスペシャルマッチ『麻雀飯争奪戦』の結果を観ての記事となります。結果等が含まれますので、ご覧になる際は予めご了承ください。
どうも、風茶でございます。
先日放送されたMリーグスペシャルマッチ『麻雀飯争奪戦』、ご覧になられましたでしょうか。
普段の牌に加え、オリジナル牌『menu牌』を使って、いつもと違う闘いが見られましたね。
このmenu牌の扱いは花牌と同じという説明がありましたが、僕は花牌を使った事がなかったので「???」となってました(^_^;)←
要は抜きドラとして使うということで、手牌に持ってくる、あるいは配牌の時点で持っている場合はこの牌を抜くと枚数に応じてドラ扱いとなるようです。
つまり今回は試合中の打点がめちゃくちゃ上がりやすい対局になる、ということです。
普段のドラと赤ドラに加えてさらに4枚ドラが増えるのですから、極端な話、全部合わせてあがれば三倍満確定です(笑)
……やっべぇ(^_^;)
さて、結果を先に申し上げると、今回の優勝者はU-NEXT Pirates・小林剛選手でした。
Mリーグスペシャルマッチとしては『麺麺位決定戦』に次ぐ2度目の戴冠となり、その強さをいかんなく見せつけた形となりました。
個人的に観てて思ったのは、
小林選手のスタイルがこの抜きドラルールにマッチしてるな、と。
小林選手といえば鳴き麻雀、と言う方も多いかと思いますが、僕が思うに小林選手はあがりへの最短ルートを考えた上で鳴きと門前を使い分けるタイプの打ち手だと思っています。
あがりは自分の得点を増やすだけではなく、相手のあがりも潰すことができる。
言ってしまえば、あがれない役満より、あがり切った1000点の方が圧倒的に偉いわけです。
小林選手は、仕掛けにしても門前でリーチを打つにしても、あがりに向けて適する方を選ぶ能力が人並外れて高く、その結果生まれたのがあのスタイルなのだと思います。
僕が彼のスタイルとこの抜きドラルールがマッチしていたと感じた局が2つほどありました。
まずはこの日の最高打点となったこのシーン。
ツモ、平和、ドラ4、赤、メニュー。
この抜き牌のおかげで、ダマで8000オールという爆弾級のあがりとなりました。
もちろんカンが絡んで新ドラがのったことでここまで高くなったのは言うまでもないのですが、まさかダマテンから開かれた手が倍満になるなど、なかなか想定できないでしょう。
『ドラが増える』=打点が上がりやすくなる。
個人的にですが、倍満までいくと相手に与えるダメージとして一段階大きいものがあると考えています。
親で24000点(8000オール)。子で16000点(4000-8000)。
たとえ横移動でもこれだけ高くなると「ああ、そこまで届いてしまったか……ちょっと追いかけるのがキツくなるな…」という精神的ダメージの大きさは計り知れません。
倍満以上の手がなかなか出てこないというのもあるかも知れませんね。
大きく突き放すか、あるいは点棒の少ない状況から盛り返し完全に戦線復帰するか…倍満ともなるとそれくらい一気に場の流れも空気も変えてしまうパワーを持っています。
実際、この8000オールで完全に抜け出した小林選手は、サクラナイツ・堀慎吾選手の追い上げはあったものの、予選卓を悠々とトップ通過。そのまま優勝まで突き進むことになります。
ただ、さらにこのmenu牌の威力を存分に感じさせてくれたのはむしろ次局の方でした。
得意の仕掛けから、ダブ東、メニューメニュー。
普段なら1000オールの手が、まさかの4000オールに化けました。
これがmenu牌の効果を一番視聴者にもわかりやすく感じさせたのがこの局だったのではないかと思います。
通常、副露を入れると、一部の手役が絡んだ時を除いては、基本的に打点は下がるものだと思います。
副露したことで翻数が下がる役もありますし、形が整うかわりに打点を犠牲にするというシーンは多々あります。
しかし、今回はmenu牌という『抜きドラ』の存在がそのリスクをかき消したことで、普段安い手でも価値が一気に上がったり、それによって他家の警戒度も上がるなど、普段のMリーグとは打ち方も変わったのではないかと思います。
ルールひとつ変わることで、その時の打ち方、戦略も変わってしまう。
麻雀という競技の面白さにまたひとつ気づかされたワンシーンでした。
さて。
今回のようなスペシャルマッチ、イベント的な対局というのは、やはり観てていつもと違った楽しさがあります。
個人的には他のMリーガーがmenu牌を使った今回の対局をやったらどうなるかも見てみたいですね。
鳴きを得意とする赤坂ドリブンズ・園田賢選手とか、今期多彩な攻撃を見せて参加率の高かったTEAM雷電・本田朋広選手、高打点が見込めたらとことん突き進むKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人選手や高宮まり選手、などなど……
雷電・黒沢咲選手はそれでも鳴かないんだろうなぁ……(^_^;)
次またこのような機会があるなら、と想像するのも楽しいですね。
さて、今回はこの辺にしておきます。
改めて、小林剛選手、優勝おめでとうございます!
それでは。
「めにゅー⤴︎︎」
※たろうさんのメニューの発声が可愛すぎたらしい(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?